オトメイトスタッフブログ

【悠久のティアブレイド】ブログ 最終回

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抜粋モードでお送りします。



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本当に素晴らしいゲームでした!
シナリオ重視の方にぜひやっていただきたいゲームでした!

乙女ゲームは、キャラ萌えで好きになるという
ケースもありますが私が好きなのはキャラの生き様であり葛藤であり。

それがティアブレイドではキチンと表現されていました。
矛盾点やご都合主義があるとの感想も見かけましたが
それこそが人であり擬似人類であり、AIなのではないかなーと。

幸せになりたい、幸せにしたい、
そのために意見が変わり、行動が変わり、結末が変わる。
そして、後悔し、前に進む。

そんな彼らを見せてくださり、ありがとうございました。
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感想メールありがとうございます!

そう言っていただけると、
シナリオ頑張ったかいがありました......!

ご都合主義についてはご愛敬なんですが......、
ただ矛盾は怖いな、どこだろ(汗)
だいたいFDで辻褄合わせたんですけどね(滝汗)

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サブキャラもアルカディアも含めて全員好き(笑)なんですけど
一番贔屓はアタルヴァでした!

あの...正直彼だけFDまですっっごく可哀想なんですけど!!(笑)
スチル数枚現実世界のアタルヴァ×イヴじゃないってどういうことですか!?
しかもイヴが正気に戻るキッカケがアタルヴァの面白...恐怖顔っていうのがまた...(笑)

可哀想過ぎてトゥルーもしくはロウルートでもアタルヴァ×妹イヴを全力で願ったんですけど
(ところでロウルートでクレイドルボディに意識移ってる間の
妹イヴがいちいち可愛かったです映像で見たい...!!)

二人の出生(?)の複雑さとあの状況で二人で未来を選びとった、
っていうことを考えるとアタルヴァルートはとても彼らしいというか、
他のルートとは違う彼なんだと思いました。
それにFDでロウがアタルヴァに助言してくれたというのも少し救いになりました!
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感想メールありがとうございます!

>スチル数枚現実世界のアタルヴァ×イヴじゃない

そんなCGを公式HPや雑誌で堂々と宣伝に使う背徳感――、
プライスレス!!

ロウアフターへアタルヴァを出張させたので、
そのあたりでどうかご勘弁ください。


......ただアタルヴァの扱いについては、
実は本編時代からいわたDやきなみ由希からも
「もしかしてアタルヴァ嫌いなの?」
と言われてたんですが、断じて違います。

好きだから、苦しめたいんです。

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毎週、ブログをとても楽しみにしていました。
終わりになってしまうのが残念で仕方がありませんが、
こればかりは仕方が無いですね。
中村Dのブログは、毎回とても楽しくて、
拝読するのが楽しみで......何より細目に更新して下さる。
それが、遊んだ人間としてはとても楽しく嬉しかったです。
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(ブログへの)感想メールありがとうございます!

実を言うと自分も週一のこのブログを
ストレス発散に使っているフシがあるので、
本当言うとずっとダラダラ続けたいんですが、
そうなるとほぼ雑記状態になってしまうので(汗)

次がどうなるか分かりませんが、どうかお楽しみに。

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すごい個人的に好きだったポイントはティアブレイドの......
デザインは言わずもがななんですが、「30m級」という"大きさ"がツボでした。

10m台だと現代設定のリアルロボットくらいのスケール感になってしまいますし、
かと言ってあのすらりとしたデザインで50mもあっても大きすぎるかなという印象で。

というところの「30m級」というのが巨大ロボットとして十分な存在感を放ちつつも、
デザインの印象からも離れていない絶妙なラインだなと思って勝手に感動していました。

それくらいの大きさの機体がセントラルタワー内で戦闘などをしているのも、
空間としての広さやそれが建造された時代の技術力が自然と感じ取れて好きでした。
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感想メールありがとうございます!

なんと久しぶりの男性ファンからの感想!!

ティアブレイドのサイズについては、
20m級の標準的リアルロボットサイズも考えたんですが、
それだと2人で乗った時にコクピットが狭そうなのと――、


全員で掌の上で混浴できなそうだったんで、


30m級となった経緯があります。


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ティアブレイドに出会う前、色々とストレスの多い世の中ですので、
胃薬と睡眠導入剤が手放せない日々が続いていました。
そんな時、友人から「絶対ハマる筈だから!」と力説されて、
ハードごとティアブレを押し付けられ......適当にメインキャラ攻略したら
「あわなかったよ、ごめん」とでも言って返せば良いと、
そんなことを思っていた私を嘲笑うかのように彼は現れ、
鮮やかにロウの額を撃ち抜いたのです!

あの瞬間、私は今やっているゲームが乙女ゲーであるか
それとも他の何かであるのかと暫し考えました。
とりあえず、分かっていることはこれは間違いなく乙女ゲーであり、
尚且つ彼ーーヤジュルは攻略対象である、ということでした。
ヤジュルへの想いを語りだしたら止めようがないので
それはここでは省略させていただきますが、
何て素敵な人を産み出してくれたんだ、
ありがとう、製作陣!!というこの思いはきっと届いていると信じます。

以来、お陰さまで睡眠導入剤も胃薬も飲むことのない、
充実した日々を送らせていただいています。
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感想メールありがとうございます!

悠久は不眠と胃痛に効果があった......!?

何にしろ自分達の作品がお役に立ったようで何よりです。
睡眠時間削って胃を痛めながら作ったかいがあったというもの(涙)


ちなみに同じ方のメールに、

「エクリプス編で月に行く間、トイレはどうしてたんですか?」

という質問があったんですが、ティアブレイドの胴体内部には
コクピットから行くことができるメンテナンス用のスペースがあり、
そういった物は全部そこにセッティングされていた......、という設定です。

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評判を耳にして、遅ればせながらティアブレ本編プレイ致しました。
一言で言ってしまうと、陳腐な表現になってしまいますが、最高でした。
間違いなく傑作です。今もまだ良い余韻の中に浸っています。

この作品は、是非アニメ化してほしいと思います。
私が見たいというのももちろんですが、それ以上に、
乙女ゲーマー以外にも知って欲しい。男性の方にも。
「乙女ゲーム」の枠に収めてしまうには惜しい作品です。
誰かと語り合うべく、鋭意布教中です。
最後に、素晴らしい作品をありがとう。出会えて良かったです。
悠久の旅を終えた彼が、還ることを願っています。
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感想メールありがとうございます!

スタッフ的にはアニメ化願望アリアリなんですが、
こればかりはスタッフの力でもどうにもならないので、
どこかの誰かの目に触れることを天に祈るばかりです。

......ただ、中村Dは教会の土曜学校を3回で辞めた不信心野郎なので(汗)
みなさんの方でもどうか祈ってていただければと思います。

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ブログやオトモバさんでのインタビューで
3度目のプロローグの続きは考えていないとのことでしたが、
せめて少女のビジュアルだけでも見せていただきたいです...!

不確定な存在だと仰っていたのでゲームでビジュアルが出なかったのは
誰との子孫か確定させない為なのかなと思ったのですが、1000年も経っていますし何卒...!
少年と少女の関係と出会いがロマンに溢れてて本当に大好きです。
子供妄想の時に仰っていた性格相性も良さそうですし、たまらないです。
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感想メールありがとうございます!

せっかくの最終回なのであの少女のビジュアルを明かしておきましょう。
彼女は――、




イヴかシュドかアタルヴァかヤジュルかクレイドルのような、
もしくは全然違う髪と目の色をした、活発な少女という設定です。




......量子力学で言う【Superposition】というヤツですね!!


あと1つ訂正しておくと、
シュド&イヴと違ってあの2人は多分相性悪いですよ(汗)
少女の方が胃を痛めながら旅をしていく感じになりそうです。

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「僕はギャズ。【能無し】ってヤツだ。
 君、自分の名前は言えるかい?」


「............シュド」

     ◇

 ――5日前。軍の教育施設。

 冷え込みの厳しい冬のとある夜のこと。
 オレは警備のローテーションに従い、交代要員としてゲート前へ向かった。

「おい、交代の時間だぞ」

「ん、やっとか......。助かるぜ」

 よほど寒かったのだろう。
 前任者はオレの顔を見るなりほっと溜息をつく。
 ......と、そこで彼はオレを見て何かに気付いたらしい。

「見かけない顔だな? 新入りか?」

「ええ、昨日からでして」

「昨日......。ってことは、じゃあお前か。
 先月の防衛戦で全滅した第12中隊、その唯一の生き残りってのは」

「......ええ、まぁ一応。
 次の配属先が決まるまで、ここで雑用してろって言われてんです」

「はぁー、せっかく前線から離れて羽を伸ばすチャンスだってのに、
 こんなクソ寒くて退屈な場所で見張り役とはついてないな、お前も」

「いーえ、砲弾が飛んでこないだけマシですよ」

「違いねぇ。ま、いつか前線の話でも聞かせてくれよ。暖かいとこで」

 そこで話を切り上げると、前任者は小走りで宿舎の方へと消えていった。
 残されたオレはゲート前に立つと、寒冷地用の目出し帽を被って見張りを始める。

(......つっても、こんな内地で何を見張れってんだか)

 ここは【工場】の近くにある、軍の基地内の一角。
 軍人として生み出された子供達に戦闘訓練などを施すための施設だ。
 その性質上、前線は遥か彼方で、敵襲などあるはずもない。
 強いて警戒するとすれば施設からの脱走者だが......、

(こんなロクでもない世界で、衣食住を保証してくれる軍から
 わざわざ逃げ出そうだなんてヤツ、そうそういるわけが――)

「――?」

 などと考えていたまさにその時だった。
 不意に背後で物音が聞こえた。

 ......こんな時間にこんな場所に来るのは自分達見張り役くらいのもの。
 しかし、交代なら今しがた自分が済ませたところだ。
 そして前任者が戻ってきたような様子でもない。
 そうなると、考えられることは――。

「おい、何してんだ!」

 そのままズバリだった。
 音のしたあたりへライトを向けると、そこには1人の少年がいたのだ。
 見ればその手には工具が握られており、
 さらに彼の前にあるのは一部が切断されたフェンス――。

(おいおい、マジでか)

 ものの見事に、脱走者だった。

「しまっ――!?」

「あ、おい待て!」

 当然、こちらに気付いた少年はフェンスの切断を諦めて逃げ出そうとする。

 ......彼の脱走計画は失敗したようだが、だからと言って放置するわけにもいかない。
 オレは素早く距離を詰め、彼が走り出すのとほぼ同時に取り押さえた。

「ほい、残念」

「放せ! 放せっての!!」

 厚着のせいで顔はよく見えないが、体格からして5~7歳くらいか。
 おそらく初期教育中の子供だろう。

「脱走とは物好きなガキだな。
 ......しかし、計画がずさん過ぎだぞ。
 せめて見張りの配置くらいは調べとけよ」

「う、うるさい! 余計なお世話だ!」

「なーにが余計なお世話だ。
 バレたら良くて再調整、最悪【処分】なんだぞ。
 特別に黙っててやるからとっとと宿舎へ帰れ」

「嫌だ! オレは......、外へ行くんだ!」

「あ? 外がどんな場所かまだ習ってないのか?
 お前みたいガキが出て行ったって、死ぬだけだぞ」

「それでも......、オレにはやらなきゃならないことがあるんだ!」

「やらなきゃならないって、何を?」

「っ、それは......」

「それは?」

「......分からない」

「分からない???」

「何をしなきゃいけないのかは、忘れた......。
 でも、頼まれたんだ! だからオレはやらなきゃならないんだ!」

(おいおい、こいつもしかして......、本気で再調整案件なんじゃないか?)

「あー、えーっと......、頼まれたって、誰からだ?」

「......忘れた」

「それもかよ!
 ......なぁ、ちょっと冷静になれって。
 忘れちまう程度のヤツからの頼み事だろ?
 きっとそんな大したもんじゃないって」

「そんなことない! そんなこと、ない......!
 なかった......、はずなんだ......」

「......?」

「昔はちゃんと覚えてたんだ!なのに、最近どんどんボヤけ出して。
 このままじゃ、【やることがある】ってことも忘れてしまいそうで......。
 それだけは絶対イヤなんだ......!」

 聞いたことがある。

 工場で作られた人間には極稀にこういう、
 あるはずのない【過去】の記憶を持って生まれるヤツがいると。

 原因は分からない。
 工場で初期知識をインストールされる時のバグという説が有力だが、
 【生まれ変わり】によるものではないか?なんて言う変わり者もいる。

 しかし、そういうヤツらの大半は教育初期に再調整で記憶を消去されてしまうか、
 そうでなくとも成長過程で自然にその記憶を忘れていってしまうのだという。
 こいつは脱走しようとしたのがバレれば再調整は免れないだろう。
 そうなれば「誰かに何かを頼まれた」という記憶も消されてしまうに違いない。

 ......どうせ忘れる物なら、再調整なんて目に遭わせたくはないものだ。
 だがそれには脱走を思いとどまらせなければならない。

「なあ、さっきも言ったがな、外はロクでもないとこなんだぞ?」

「じゃあ、オレ達が送られるっていう、【前線】ってとこはいいとこなのか?」

「あ? そりゃあ、お前......」

 思わず、先日の防衛戦の惨状が脳裏をよぎった。

 ――あ、マズイ。もう論破されたぞ。
 っていうか、こいつガキのくせに口が立つな。
 さては指揮官用でハイスペックに作られたエリートか?

(......戦場か、荒野か、か)

 そう考えてみると、我ながらいろいろとバカらしくなってきた。
 オレは少年を開放すると、周囲に人がいないことを確認する。

 そして――、

「10分後、反対側にある3番ゲートから車両が出る」

「!?」

「廃棄物を捨てに行く輸送車だ。"基地の外"にある処分場へな」

「じゃ、じゃあ、それに忍び込めば......?」

「ただしいいか、もし捕まっても絶対にオレのことは喋るなよ。
 あと――、野垂れ死んでも恨むな」

「あ、ああ! ......ありがとう」

 そう言うと、少年は車両庫の方へと走って行った。
 オレはそれを見送ると、自分の持ち場に戻ろうと歩き出す。

 ......なぜ見逃す気になったのか、自分でもよく分からなかった。
 何となくと言えば何となくだが、強いて言うなら【憂さ晴らし】だろうか。
 上官の命令に従い、仲間達が次々死んでいくのを目の当たりにさせられたオレの、
 細やかな軍への抵抗......。

(つっても、あんなガキ1人逃がしたくらいじゃ、嫌がらせにもならないだろうけどな)

 それに、【過去】の記憶は成長と共に自然と消えていくのだ。
 どうせあいつも、あと数年できれいさっぱり忘れてしまうだろう。

「――!」

 ......と、そこで通信機が鳴った。

『定時連絡の時間を過ぎているぞ、カーマイン上等兵』

「ちょいと通信機の具合が悪かったもんで、すいません。
 こっちは特に異常無しです」

『......本部、了解した。通信機は後で交換しておけ』

「了解です」

 ――今日、オレが気まぐれでやったことには何の意味もない。

 せいぜい、あいつが戦場で無残に死ぬか、荒野で孤独に死ぬかの違いだろう。

(ま、とっとと忘れよう。ロクに顔も見てなきゃ、名前も聞いてないんだし)

 そう決め、オレは今更になって湧いてきた罪悪感をかき消すように頭を振る。

 そして、再び仕事に戻ったのだった。

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公開しそびれていたので置いておきます。
リンク先の画像をお持ち帰り下さい。

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悠久についてはもうブログで語りつくしましたし、
以前からやっておきたかったシュドの
過去SSもギリ間に合った(?)ことなので――、

ディレクターからのお言葉は特にないです!!

そういうわけでみなさん、
今日までご愛読ありがとうございました!

またいつの日か、新たな作品でまたお会いしましょう。

ノシ

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