さて、またも新しいカテゴリーが追加されました。Q&Aコーナーです。
……そしてまたも担当はいわたでございます。人手不足で申し訳ありません。(笑)
前に少しだけ総合インフォメーションでも触れさせていただきましたが、
以前いただいた年賀状企画の中でいただいたメッセージの中に、いくつか弊社でも
お答えできそうな内容のものがありました。
開発の合間を見てという形にはなりますが、このQ&Aコーナーではそういったご質問に
少しずつでもお答えしていけたらと思っております。
そんなわけで、最初の質問はこちらです!
■DFで働きたいのですが、どうすれば入れますか?
現在進行形で考えておられる方、将来の夢として書いてこられた方など、
驚いたことに意外と多かったのがこの質問です。
なんというか、大変ありがたいお言葉だと思います。光栄です。
ただ……、きついですよ……?(笑)
いやここは「すっごく楽しくて毎日萌えに囲まれたハッピーライフを満喫中です♪」とか
言うべきなのかもしれませんけれども! 私は正直なのでそんなこと言えません!
きついぜーかなりきついぜー正直全然甘くないぜー。
(笑) なんだか夢も希望も打ち砕くような言い方で申し訳ありません。
実際のところ、やはり【ものづくり】の仕事ですから、すごく楽しいのも事実なんですよ。
ただ、当然の事ながら【仕事】ですので、好きなことだけできるわけではありません。
納期もありますし厳しいチェックもあります。リテイクに眩暈がすることもしばしばです。
それでも頑張れる根性と強い心がないと、もたないんじゃないかな、と思ったりします。
弊社で現在募集があるのは【グラフィッカー】と【ゲームディレクター】の2種です。
また、それとは別に【スクリプター】も随時募集しております。
そこで参考までに、どんな人材を求めているかなど具体的な話を偉い人に聞いてみました!
初回は【グラフィッカー】について、樋口社長に聞いております。
少々長い記事となりますので、ご興味のある方は時間のあるときにでもご覧ください。
★樋口社長に聞きました★
○グラフィッカー職の人に求めるスキルを教えてください。
求めるスキルは「売れる絵」を描けることですね。
売れると言うことはたくさんの人が良いと思ってくれることです。
ただし、それが自分の描きたいものとイコールとは限りません。
プロのグラフィッカーはサービス業ですから、
お金を払ってくれる方々に満足してもらえるものを描くことが必要だと思います。
そのために研究し、努力を惜しまないことが最大のスキルだと思います。
適性としては、何よりも絵を描いていれば幸せだと思えるくらい絵が好きなこと。
そして努力、根性、体力自慢、協調性、自己顕示欲、客観的、負けず嫌いといった言葉が
自分の性格の一部だと感じる人でしょうか。
○応募された作品を見る際、どこを重点的に見ますか?
まず、描いた絵で表現されているもの(何がやりたいのかってことですね)と、
弊社の事業とがリンクするかどうかを見ます。
就職を希望するのであれば、企業をきちんと調べて、ここが何をしている会社か、
その中で自分がどんな役に立つのかを考えて応募して欲しいです。
ただグラフィッカーになりたくて、会社の傾向を無視して、
いろんな会社に同じ作品集を送っていてもどこにも受からないでしょうね。
また、専門学校生などは、入学してからの課題を並べて作品集を作ることが多いですが、
企業は個人の成長物語に興味はありませんし、
そもそも同じ学校の生徒の作品集は同じ作品ばかり並びます。
授業でやったものですから当然ですよね。
そんなものしか入れるものがないということは、
授業以外では絵を描いていないということですから、
プロとしての適性はすでに無いと証明しているようなものです。
今、自分が最も自信のある絵を10枚くらい送ってくれれば十分です。
○ずばり、どんな作品を送ると有利なのでしょうか!?
弊社の主力商品はアドベンチャーゲームですから、
原画志望であれば、それを想定したオリジナルのキャラクターが欲しいですね。
背景美術志望でしたら背景画像に使用する屋内や屋外の風景画を送って下さい。
彩色希望でしたらいくつかのパターンの塗り(アニメ塗りや水彩塗り、ブラシ塗りなど)の
バリエーションがあると良いですね。
彩色に関してはある程度入社後にレベルをあげられるので、
原画のうまい人の方が有利です。
○採用後、まずはどんな仕事が待っていますか?
人それぞれですが、基本はすぐにどこかのラインに配属されます。
最初は絵が完成するまでのプロセスを学ぶことが必要ですので、
原画が描いた線画に彩色をするところから先輩に指導してもらうようになると思います。
これはイケると思わせるキャラを描ける人なら、
タイミングが合えばすぐに原画デビューというのも実現可能かもしれません。
実力次第で、チャンスだけはこの業界のどの会社よりも多くあると思います。
○今活躍している原画さんはどんなふうに入社したんですか?
薄葉カゲローさんだけはフリーのイラストレータさんですが、
その他は全て弊社に就職希望で応募して採用された人たちです。
みんな絵が好きで、ちょっとだけ周りからも絵がうまいと言われていた素人さん達です。
専門学校生の応募が多いですね。
○私もカズキヨネになれますか!?
人気のある原画師は時代とともにたくさん世に出てきますから、
実力とチャンスがあればその中の一人になる可能性は十分あるでしょう。
というきれい事ではつまんないですよね。
少しまじめに答えましょう。
カズキヨネは私も素晴らしい絵師だと思いますが、
彼女の成功を天性の才能などと簡単に思わないで下さい。
カズキヨネも彩色の補助から始め、
「緋色の欠片」で評価をいただけるまでに3年ほどかかっています。
これは極端に言うと絵がうまくなったから評価されたのではありません。
彼女の絵と製品を買っていただける方の指向が合致して
はじめて評価がもらえるようになったのです。
それまでは自分の描きたいものは見えていても、
手に取ってくれる人が喜ぶものは見えていなかったということです。
それを自分の努力で形にし、成功しました。
しかし、その間、彼女は会社で一番たくさんの時間働いている社員でもありました。
淡泊なグラフィッカーの1.5倍は働いていたと思います。
彼女の才能は、かけた時間の量でもあるのです。
少なくともカズキヨネよりたくさんの時間努力しない人が
彼女を越えられないのは当たり前だとも思います。
○グラフィッカーを目指す方々に何か一言!
実は弊社に入社希望の一番の近道は
「バンタン電脳ゲーム学院」で私の授業を取ることかもしれません。
実際のゲームグラフィックの制作方法を
原画のmikoといっしょに数々のTipsとともに教えています。
あまり宣伝して人が増えすぎると困ってしまうのでここだけの話ですが、
授業で顔を合わせ、アピールできれば成功確率は50%くらい?アップしますよ。
バンタン電脳ゲーム学院
http://www.dennoh.jp/
DFの会社訪問記事も掲載いただきました。
http://www.dennoh.jp/school/results/2008/07/post_11.html
樋口社長、ありがとうございました。
意外にも超!真面目な回答が返ってきたので個人的にびっくりです(笑)
私もディレクター・シナリオライターとして、グラフィッカーと関わる機会は多いですが、
その度に感じることは、「リテイクにくじけない心」を持つ人は強いということです。
リテイクって本当に厳しいです。私も結構細かいことまで口を出しちゃいます。
時間のないときに大きなリテイクがあると非常に焦りますし、パニックになったりします。
それでも作品の質を上げるためには必要なものとして無情に指示は出るのです。
そのときに、どんなことをしてでも仕上げる!という気概をもって頑張れる人は強いです。
時には理不尽に思えるリテイクもあるとは思いますが、何故そういうリテイクが出たのか
考えた上で消化するというスキルは、確実に自分のレベルを上げていきます。
皆さんが思うより、現在弊社で原画を担当しているようなグラフィッカーたちは、
大きなプレッシャーとリテイクの嵐の中で日々戦っていたりします。
どんな上手い人でもそれは同様ですし、平等にリテイクはかかってきます。
そこを乗り越えられるような根性の持ち主を、弊社は歓迎いたします。
今回は以上です。
次回は【ゲームディレクター】について藤澤Dにお話を聞きたいと思います!
もしよろしかったら、また見ていただければと思います。
それでは!