さて、突然のワリコミで失礼致します! 担当のいわたです。
今回は、長い間お待たせしておりました【薄桜鬼】の特集です。
3月11日は【薄桜鬼】の日!
公式イラストブック『薄桜鬼-新選組奇譚-公式イラストブック〜百花繚乱〜』
ドラマCD『薄桜鬼 ドラマCD 〜新選組捕物控〜 前編』
以上の商品が同時発売となります!
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【薄桜鬼】に関しましては、発売後も大変皆様に愛していただいておりまして、
本当に製作スタッフ一同感謝の嵐でございます。
ゲームに同梱されていたアンケートハガキの回収率も過去最高であったと聞き、
驚きと共に、それだけ多くの方がこの作品に対して様々な思いを抱かれたのだと
非常に光栄に思っております。
というわけで、今回のワリコミでは製作スタッフから一言ずつコメントをもらいました。
よろしければご覧くださいませ!
■ディレクター/藤澤経清
総合ディレクター兼プロデューサーを担当しました藤澤です。
【薄桜鬼】の原案を考え出したのは思い返せば8〜9年ほど前になります。
当初は主人公=男が【新撰組】の一員になってしまうお話でしたが、
その企画書を今読み返してみると、出てくるキャラに「環(たまき)」とか
「アリア」の名前が出てきて、感慨深いものがあります。
去年の今ごろ、ちょうど制作のまっただ中でしたが、
思い出すのは難航を極めたことばかりです。
コンセプトである「男の背中を見せる」は乙女ゲームとしてどうなのか、
歴史事実である新選組に鬼や吸血鬼を組み合わせるのは
奇譚というファンタジーだったとしても本物の幕末ファンはどう受け取るのか、
プロットの制作が遅いくせにできあがったものは長すぎて恋愛成分が足りないなど……
日々悩んでいたのも今となっては良い思い出です。
【薄桜鬼】はそんな苦労の上、多くのスタッフの協力と
その当時で出来る最大の努力によりできあがった作品です。
そんな本作を手にとりプレイしていただいた皆さん、本当にありがとうございます。
多くの感想やご意見をいただき、作り上げたことをようやく喜べるようになりました。
そして、ようやく【薄桜鬼】関連のものを皆さんのお手元にお届けすることができます。
ひとつは公式イラストブックです。
本作を彩った数々のイベントCGに加え、カズキヨネによる描き下ろしもあります。
もうひとつがドラマCDです。ゲーム中にはあまりお見せすることのできなかった、
彼らの日常の姿をお楽しみいただければと思います。
■原画/カズキヨネ
【薄桜鬼】製作中はとにかく朝日がまぶしかったのと、
『俺、これが終わったら○○するんだ…。』的な死亡フラグ台詞を
いっぱい言ったことがいい思い出です。
紆余曲折を経てマスターを迎えた時、
『まったく反応なかったらどうしよう…』とネガティブな妄想もしましたが、
こんなにも多くの方に愛してもらえる作品に成長したことが最大のご褒美になりました。
【薄桜鬼】をプレイして下さった方々、どうも有り難うございました。
まだプレイしていない方々、是非やっていただければと思います。
今後も彼らの展開を見守ってくださいませ。
■シナリオ/かずら林檎
【薄桜鬼】と向き合うたび、今も開発当時と変わらず緊張してしまいます。
何かコメントせねばと白紙のテキストに向き合ってしばらく経ちますが、
言葉が浮かぶ代わりに動悸が激しくなってきたような気がします。
幕末の戦場に身を置いていた彼らの道を思えば否応なしに背筋が伸びますし、
それを一挙一動を文字として記す作業はとても気の張るものでした。
今は彼らと出会えたことに感謝しています。
開発中にはもちろん辛いこともありましたが、
立ち向かおうとし続ける彼らにはとても助けられました。
ゲームでは千鶴を通して皆様に見ていただいた【薄桜鬼】の面々ですが、
今回のドラマCDではより近くに彼らを感じられるのではないかと思います。
きっと新たな面も覗くかと思いますので、聴いてみていただけますとうれしいです。
どうぞよろしくお願い致します。
■永倉SS執筆・ドラマCD脚本/長野和泉様
初めまして。今回、イラストブックのSSと、
ドラマCD「新選組捕物控」の脚本を書かせていただきました、長野です。
ゲーム本編でもシナリオとして参加しております。
正直に申し上げますと
【薄桜鬼】は今まで関わったお仕事の中で1番スケジュールがきつく、
執筆期間はそれこそ、泳ぐのをやめたら死んでしまう回遊魚のように、
ひたすら書いて書いて書きまくっておりました。
ですが「きつい」とか「辛い」と思ったことは1度もなく、
書いてる間はひたすら楽しくて仕方なかったことを覚えております。
煮詰まってきた時に多摩川まで行って
「試衛館の面々も、150年前にこれと同じ風景を見てたんだなあ」としみじみしたり、
脳内の幕末分が足りなくなってきた時には本屋へ走り、目につく幕末書籍を
片っ端から買いまくったことが懐かしく思い出されます。
余談ですが先月帰郷した際、
実家からバスで15分くらいのところにある永倉新八さんのお墓に行ってきました。
ですがよりによって訪問前日に雪が降り(暖冬で、前日まで雪が全然なかったのに!)、
墓地どころか霊園管理事務所さえも雪に埋もれていて、
とても辿り着けそうになかったので断念しました。
SSその他でいじり過ぎた為でしょうか。
永倉さんに全身全霊で拒絶されてしまったようで切ないです。
真冬の北海道にローファーで挑んだ私もアホだったのですが!
……と、気が付けば全然【一言】コメントではなくなっておりました。
話は戻りますが、今回のお仕事では大好きな【薄桜鬼】の面々に久し振りに再会できて
私もすごく嬉しかったです。
本編がシリアスだった分、コミカルな明るいお話になっておりますので、
楽しんでいただけると幸いです。
そして一応、シナリオディレクターを担当させていただきました私からも(笑)
【薄桜鬼】は、弊社開発製品の中でも格別の思い入れのあるタイトルでした。
【緋色の欠片】がひとつの分岐点であったとしたら、【薄桜鬼】は新たなる挑戦でした。
作品全体のクオリティもそうですが、乙女ゲームというジャンルの中で、甘さや萌えよりも
キャラの生き様を重視した作りのゲームが果たして受け入れられるかどうか。
そして何より「新選組」という史実に基づく題材を上手く料理することができるかどうか。
企画の発端であったディレクターの藤澤も、そして原画のカズキヨネも、その他この作品に
関わったすべてのスタッフが、製作中は大変に頭を悩ませながら頑張っておりました。
今となっては、本当に大切な作品です。
これを作り上げることができたことは、ある種の自信に繋がりました。
反省点や改善点は多々あれど、あのときの私たちにできる最大限の力で生み出した作品が、
皆様の支持をいただけたことは、今後も大きな宝として私たちの力になることでしょう。
今後とも、激動の時代に生きた彼らのことを、引き続き見守っていただければと思います。
このドラマCDとイラストブックにて、
皆様にはぜひ、再び彼らとの物語を思い出していただければと思います。
イラストブックでは視覚的に、そしてドラマCDでは聴覚的に(笑)、お楽しみください。
ちなみに、ドラマCD「新選組捕物控」の後編は今月25日に発売されますので、
そちらもどうぞお忘れなく!
それでは、最後にちょっとしたお土産を置いておきます。
実はこれは、ゲーム製作中にとある事情で製作したダミーCGなのです。
単に立ち絵を組み合わせただけなのですが、何を考えたらこんなカオスなことになるのかと
スタッフがバカウケしていたもので、この機会にお披露目しようかと……。
一体何故、山南さんがあんなことになってしまったのか。製作者本人に聞いてみたところ、
「……楽しかったから……」と、どうしようもない答えが返ってきました。(笑)
楽しかったんだそうです。申し訳ありません。後でみっちり言い聞かせておきます。
でも、少しでもお気に召しましたらぜひデスクトップにどうぞ。
ふとした瞬間に山南さんと目が合うと、きっと良い夢が見られると思います!