アルコバレーノ! その25

どうも、みなさんこんにちは。
【アルコバレーノ!】ディレクター、
デザインファクトリーの中村です。

東京はすっかり梅雨のようで、最近は雨ばかりですね......。
休日もふとんは干せないわ、プラモ用缶スプレー吹けないわで、
しかたなく部屋に引きこもってゲームばかりしています。
といっても、やっているゲームはここへ来ている乙女な方々には縁遠い洋ゲーばかりですが。


......いつかうちでも作らないかな、
ガッチガチなおっさん達が地底人と銃撃戦するような乙女ゲー......。

 

さて、ということで前置きをやめてアルコの話でもするかー、と思ったのですが、
そろそろ開発裏話も少なくなってきました......。
見るとmikoさんも手が離せないようで......。


いや、これは......、好機!?

どうやら、普段あまり表に出ない、
我等がスクリプターの裏話を出す時が来たようです。


スクリプターというのは簡単に言えば、

「上がってきたシナリオに絵、音を入れて完成させる係」

でして、自分達の手が入って初めてゲームの形になります。
このセリフの時はこの表情、ここでBGMが切り替わって......、などの指定もスクリプターの仕事ですね。

そんな作業で、一番時間を使うのは立ち絵の表情指定です。
タイトルによって前後しますが、全シナリオに指定を入れ終わるまで平均2~3週間はかかります。

ここでちょくちょく問題になってくるのが、「使えない表情」です。
グラフィックさんたちはキャラへの愛からか稀に、

「こんな表情どこで使えとっ!?」

という顔を上げてくることがあります。
一番良くあるのが「ツンデレorクールキャラのテレ顔」でしょうか。

これの使いどころが難しい......!(笑)

シナリオ上でそういうシーンがあれば遠慮なく使えるのですが、
場合によっては最後までクールキャラを貫かれる御方も多いんです......。

いえ、無論、プレイヤーの方々にとっては見たいものなのでしょうが、
その手のキャラにとって「テレ顔」は最終兵器。ウルト○マンで言えばス○シウム光線です。
迂闊に使えばキャラクター崩壊が発生してしまうため、使用には細心の注意が必要です。

以前自分の担当したタイトルだと【薄桜鬼】の土方、風間の二人のテレ顔がまさにこれでした。
マスター後、スタッフの誰かに言われてデータを検索したことがありますが、
あのボリュームのシナリオで彼らがテレるのは一回あるかないかという程度。
見れた人はラッキーです。まだの人は頑張って探してください。
きっとどっかでテレてくれます。......多分。


しかしアルコはその点非常に優秀で、クール担当の春斗君も適度にテレていたため、
スクリプターにやさしいタイトルでした。
まぁ、その分ギャグ顔が多すぎて表情の全暗記が大変でしたが......。

そんなアルコで一番手を焼いたのはバジリオでしょうか。
彼の両手を広げた「やれやれ」ポーズが立ち絵のサイズ限界を超えてしまい、
他の立ち絵数百枚を全てを作り直すか、バジリオのポーズを切るか、の2択に追い込まれる事件がありました。
その後何とか入れたのですが、おかげで、

「やれやれなのは俺の方だっ!」

と、自分の中でバリジオの好感度が下がりました。(笑)


そんな感じで、絵や音の影に隠れがちなスクリプターの仕事ですが、
時々思い出して褒めてもらえると非常に喜びます。

あ、ちなみにデザインファクトリーでは
スクリプターという仕事は、企画職を目指す新人が必ず通る道です。
志望者の方にはちょっと参考になった......、かな?

 

さーて、思うままスクリプトの裏話もしたので満足しました。
今週はこのあたりで、また来週お会いしましょう。

ではではー。

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