コンビニのおでんがおいしく感じられる今日この頃。
皆様いかがお過ごしでございましょう。
おひさしぶりです。
【真・翡翠の雫 緋色の欠片2】シナリオ兼ブログ記事担当のデザインファクトリー西村です。
先日こちらに書かせていただいてから
実に2ヵ月ぶりと言うことになるでしょうか。
本来ひっそりと文章を書いたり物語を練ったりするのが仕事の僕としては、
こういう日の当たる場所に出ると、緊張でカチコチになってしまうのですが……。
引きこもってもいられない事情が出て来てまいりました。
そう、真・翡翠の雫の動向を見守っていただいた皆様に朗報です!
2009年12月16日――。
『真・翡翠の雫 緋色の欠片2 ドラマCD 黄泉渡り』 発売!
これもひとえに、皆様からの応援あってこそ。
まずはスタッフ一同心より御礼申し上げます!
さてさてこちらのドラマCD、タイトルの通り
真・翡翠の雫の守護者たちが黄泉へと渡るお話で、
不思議でどこかもの悲しい雰囲気の仕上がりとなっております。
気になる内容を、特別公開させていただきます!
清らかなるカミは常世へ向かい、穢れたモノどもは黄泉へと向かう。
黄泉に向かいし穢れたモノはそこで我が身の罪を洗い落とし、
輪廻の道が通じるのを待つ。
龍神を巡る戦いを終え、休息を楽しむ玉依姫の守護者たちは、
ある日妙な夢を見る。
それは時間が停止した、永遠に黄昏が続く世界の夢。
死せるモノが行き着く国の夢。
夢を見たその日の朝、彼らは誰かに導かれるように暗い洞穴の中を進んだ。
そして――。
行き着いた先には夢で見た光景【黄泉】が広がっていた。
黄泉で起きる不可思議な現象に巻き込まれた守護者たち。
彼らは何を感じ、何を思うのか。
と、以上が簡単なあらすじですね。
今回の趣向は、『あの世を描く』というところにあります。
生者の世界とは、その原理が根本的に異なる死者の国『黄泉』
この作品ではそれを時の止まった曖昧な場所として描きます。
あるいは、入り込んだ者の心をそのまま映す、鏡のような世界です。
現実を舞台にした世界にはない、
神秘的な雰囲気を楽しんでいただければと思いつつ制作いたしました。
これだけではあまりにも曖昧ですね。
せっかくなので、収録に使われたシナリオを一部公開したいと思います。
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晶 (穴を出ると、森の中にいた。
ヒグラシの声が聞こえる黄昏時。
遠くから微かに波音が聞こえる。
海にほど近いその場所は、どこか綿津見村に似ていた。
しかしここが綿津見村でないことも同時によくわかる。
綿津見村は今、秋である。セミの鳴き声など、聞こえるはずがない)
陸 「森……ですね」
保典 「おかしいな……僕は今朝、この場所を夢に見た気がする」
晶 「……賀茂、お前もか」
御子柴 「匂いはなく、粘つくようなこの空気。
微かに漂うこの霊気は、死者の残す情念に似ている……」
克彦 「ここは黄泉だというのか」
亮司 「遙か昔、この土地には黄泉へと渡る道が存在していたとする伝承があるんだ」
晶 「あれは、おとぎ話のようなものじゃなかったんですか?」
亮司 「おとぎ話が真実を指し、現代にまで生き残っていることだってあるさ。
勾玉、龍神。玉依姫。カミ。これらも当事者以外が聞けばおとぎ話以外のなにものでもない」
克彦 「なるほど、そういうことであれば、この森が夕暮れに染まっていることも理解できるな」
小太郎 「どういうことだよ、兄貴」
克彦 「夕暮れは現世とあの世が交わる時とされ、魔と出会うと書いて逢魔が時とも呼ばれる。
ここが死者の国の入り口なら、現世とあの世の境界線上にあるこの場所は
やはり夕暮れが相応しいと思わないか?」
小太郎 「な、なるほどなあ」
陸 「その話が事実なら、ここは永遠に夕暮れのままなのかもしれませんね」
御子柴 「おそらくは、そうなのだろう」
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これは長い地下の道を抜け、黄泉へと入り込んですぐの1シーン。
セミのもの悲しい声や遠くからの波音、鳥の声が雰囲気を盛り上げてくれます。
そしてこの後、各登場人物は自分たちの過去にまつわる
不思議な現象に巻き込まれていきます。
彼らに起きた不思議な現象の謎。
それを追っていく中で語られる、各キャラの玉依姫への思い。
雰囲気たっぷりのドラマをお楽しみいただければと思います!
さて、今回はこのあたりで。
またいつか機会があればお会いしたいと思います。
ではでは。