ワリコミ! 蒼黒の楔 緋色の欠片3 ポータブル発売決定!

皆様お久しぶりです。
蒼黒の楔においてシナリオを担当しましたデザインファクトリーの西村です。

今回移植される【蒼黒の楔 緋色の欠片3 ポータブル】の情報を皆様にお知らせすべく、
表舞台にのそのそと這い出て参りました。

実のところポータブル版の開発には関わっていないのですが、
オリジナル版の制作者のひとりとして、はりきってアピールしていこうかなと思います。

蒼黒の楔。もちろん、制作に携わった者としては色々な思いがあります。
それがポータブルに移植されたとなると、子の旅立ちを見守る親の気分というか、
しっかり楽しまれてこいよ……と感慨深く送り出すような気持ちです。

蒼黒の楔とはなんぞや? と思われる皆様に、シナリオ担当の視点からザザッと
内容をご紹介したいと思います。
ポータブルオリジナルの新規追加要素に関しても触れていきますので、
ぜひ最後までお付き合いください!


 

【蒼黒ポータブルってこんなゲーム】

    蒼黒の楔はオトメイト人気シリーズのひとつ、『緋色の欠片』の3作目にして
    『緋色の欠片 玉依姫奇譚』の世界観、物語、登場人物を引き継ぎつつ展開する
    乙女向け和風伝奇恋愛アドベンチャーです。

    緋色の欠片にて宿命を乗り越えた者たちの、宿命を乗り越えた先の物語。

    ストーリーの冒頭は謎だらけの状態から始まります。
    舞台となる村から忽然と姿を消す人々。
    村を覆う謎の結界。
    夜が失われた世界。
    国家の陰謀。
    ヒトとカミの対立。
    1000年前の伝承。
    そして、鏡。

    話が進むに従い謎が謎を呼び、仕組まれた裏切りが、
    そして隠された悲劇が姿を現していくことでしょう。

    息つく暇もない緊張の連続。ジェットコースターのごとき展開の中で、
    主人公・春日珠紀が仲間と共に織りなす切ない恋の物語です。


【ここが物語のミドコロです】

    個人的に、蒼黒の楔の裏テーマに据えていたもののひとつに、
    【人の強さと弱さ 醜さと美しさ】というものがあります。

    カミの血を引く、ある意味異形である主人公たち。
    それに対するヒト、という立場を利用して
    その存在を浮き彫りにしていこうというのが狙いのひとつです。

    名もない村人。その辺を歩いていそうな中年男性。ぼんやりとしたクラスメイト。
    彼らが、個人の力ではどうしようもない悲劇と対峙した時の強さと弱さを、
    気持ちを込めて書いたつもりです。

    それから、シリーズの特徴でもある(と勝手に思っている)キャラクターの多面性についても、
    少しだけ言及させてください。

    緋色の欠片1の制作初期の頃から、シナリオを書く上でひとつ、約束ごとをひっそりと持っていました。
    登場する全キャラクターに、正義、悪と割り切れない側面を作り、
    葛藤しながら生きている人物として描くこと。

    そしてそれぞれのキャラクターに隠された真実は、主人公である珠紀が、
    泥まみれになりながらあがくことでようやく見えてくるようにすること。

    それらを基盤にしてひたすら物語を追いかけていったような気がします。

    蒼黒の楔でもその要素は健在です。嫌なヤツだと思った者にも、最後まで
    目を離さずにいてください。きっとどこかでイメージが変わる瞬間がくるはずですから。


【ライターのオススメ要素】

    もちろん濃厚な本編がオススメです! と、言いたいところですが、
    それだけではちょっと素っ気なさ過ぎる気もします。
    本編以外のところからオススメポイントを探すとなると……。

    個人的にプッシュしたいのは映し鏡です。
    いわゆるビジュアルノベルの形式を採用し、
    本編に関わる様々な人物の様々なサイドストーリーに触れています。

    中でも典薬寮という組織の話に関しては、強い思い入れがあります。
    蒼黒の楔がまだ企画として固まっていなかった頃から、ストーリーイメージがありました。
    宿命を背負った訳でもなく、特に強い力を持つでもない人々の気持ちを描きたかったんです。

    その他にも、笑える話、悲しい話がたくさんあります!

    本編には絡まない、登場人物たちそれぞれの視点に立った物語を語りたいという一念から
    様々なエピソードを作っていました。思い返せば、とても楽しい作業でした。

    本編の息抜きに、ぜひご一読ください。
    緋色の欠片の世界観がより広く、深く感じられると思います。


【ポータブル版新規要素!】

    さて、おまたせしました。
    本当の目玉商品は店の最奥部に陳列するのが世の常。
    それに習いまして、最後の最後に、ポータブル版新規要素のお披露目です。


    1.思い出のアルバム
     CG鑑賞の際、キャラクターがその場面についてアレコレ語るという機能ですね。
     シナリオを読ませていただきましたが、甘く切ないものあり、
     キャラクターたちがわいわいと感想を言い合う漫才のようなやりとりあり、
     この時コイツはこう思ってたのか! といった感じに、楽しめること請け合いです。


    2.新玉依毘売神社臨時相談所
     バッドエンドを迎えた直後に、サブキャラクターによって進行するバッドエンド解説
     【新玉依毘売神社臨時相談所】がなんとメニュー画面からまとめて見られるようになりました。
     おいおい、そんなことわざわざ宣伝するなよとお思いの皆様。
     そうでもないんですよ? これ、意外と便利なんです。蒼黒の楔のバッドエンドは
     漫才的な掛け合いあり、切ない告白ありと、バラエティ豊かな豪華仕様。
     これをまとめて見られるのだから、かなり便利です。
     サブキャラの美鶴・清乃が司会進行を務めているのですが、正直、
     彼女たちの真の活躍の場はこちらなんじゃないかと思うこともあります。
     楽屋オチネタの数々、どうぞお楽しみください。


    3.システムボイス追加
     PSP版では、システムボイスが追加されます。
     メニュー項目を選ぶたびに、守護者たちが解説してくれるという寸法です。


    4.玉依姫回想遊戯
     映し鏡【真・剣・勝・負】よりスピンアウト! 登場人物たちとババ抜きで遊べます。
     ルールは最後までジョーカーを持っていたものが勝つという、通常のババ抜きとは逆バージョン。
     作中のルールに忠実なのが、ちょっと嬉しいですね。
     勝負に勝つと、キャラクターからスペシャルボイスがもらえるという素敵仕様。
     登場人物たちとの熱い戦い、たっぷりと楽しんでください。


ザッと簡単に、蒼黒の楔について語ってみました。
本来であれば、キャラクターひとりひとりを取り出して、
その魅力について詳細に語っていきたいところですが、あまり長々と語っても仕方がないのかもしれません。
どうもこう、自分が関わった作品というのは、語り出すと止まらなくなってしまいますね。
調子に乗らないうちに、退散しておくことにします。

ではでは、【蒼黒の楔 緋色の欠片3 ポータブル】での珠紀たちの活躍にこうご期待! です!
 

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