「おや……今晩はよく晴れていますから、月が綺麗ですね」
「はい。なんだか、江戸で見ていたときよりも、ずっと綺麗に思えます」
「そう? 月なんて、いつどこで見ても同じだと思うけど」
「……きっと、皆さんと一緒に見ているからだと思います。
江戸にいた頃は、父様の帰りを待ちながら見上げることが多かったので……」
「そのときの環境や感情によって、物の見え方は変わってくるものです。
……君が、今夜の月を綺麗だと思ってくれるのは、嬉しいですね」
「けど、いくら綺麗だと思っても、ずっと見てたら飽きちゃうんじゃない?
ここにいたら大体誰かと見ることになると思うし」
「それでも、見飽きることはないと思います。……皆さんと見られる月なら、ずっと」
確かに同じ風景でも、見た時期や一緒に見た人によって印象は変わってきますよね。
皆さんは誰と一緒に月を見たいですか? 私は源さんと一緒に月見団子をほうばりたいです。
皆様こんにちは。【薄桜鬼総合】担当、デザインファクトリーのいわたです。
梅雨がどうこう言ってる間にも世間様では日々めまぐるしくあれこれ急展開な感じですね!
ヨネさんはサッカーに夢中です。だけどそれ以上に仕事に追われまくっています。頑張れ!!
そんなわけでまずは今週のピックアップ!
▼各公式サイト更新
【薄桜鬼 随想録 ポータブル】スペシャル、製品情報更新!
なんといってもスペシャルでのOPムービー公開ですね。今回の主題歌はお馴染み吉岡亜衣加様で
「時の栞」という曲です。万華鏡を思わせるムービーと相俟って、とっても素敵ですよね。
まだ見ていない方は、ぜひぜひ見に行ってみてください。よろしくお願いします!
【薄桜鬼 黎明録】画廊、製品情報更新!
画廊にはこれまで雑誌などで露出されたCGなどが更新されています。
そして製品情報には、限定版や予約特典の内容が掲載されていますね! 限定版のドラマCDは
毎度恒例のコメディドラマです。その代わり、予約特典はシリアスめにいきます。
ドラマCDの内容紹介は……えーと、多分来週くらいにやろうかなと思っています。少々お待ちを!
【アニメ薄桜鬼】ついに最終回!そして待望の二期決定!
最終回、皆様もご覧いただきましたでしょうか。実にすごいことになっておりました……。
公式サイトにも記載されておりますように、どうやら今秋に第二期が決まったようです。
DVD第一巻も大好評発売中ということで、これからもぜひ応援してくださいませ!!
▼黎明録進捗状況
ずっと忙しい忙しいばかりで黎明録関係の情報が遮断されていたんですが、やっと言えます。
シナリオが終わりましたああああああ!!!!
もちろんシナリオが終わっただけではゲームは作れませんので、これから諸々の作業があるわけですが
私的に最大の山場を潜り抜けることができたので、もう、本当に、ひたすらホッとしております……!
今回は非常に苦しい修羅場でございました。方々にもかなりご迷惑をおかけしたりもしました……。
とにかく何がなんでも誰一人見劣りしないルートを作らねば!と必死だったんです。
そんなわけで……ボリューム的には、多分、ご満足いただけるんじゃないかと、思います。
テキスト量だけなら本編を軽く超えました。ただ、別視点となる十六夜挿話もコミになってますので、
そうですね……、個別ルートの長さが大体本編と同じくらい、と考えていただければ。
今後はちょこちょこと、黎明録のお話もできるんじゃないかなと思います。
とりあえず、今日のところは、ボリューム面についてはご心配なく!というわけで……。
残りの作業も、精いっぱい頑張ってきますね!
▼随想録 ポータブル限定版特典ドラマCD
告知は出ていたものの、更新タイミングを逃してしまっていましたが、やっと恒例のアレです。
【薄桜鬼 随想録 ポータブル】限定版ドラマCD「幸運のわらしべ長者」の台本一部抜粋コーナー!
以前にもお伝えしたように、今回は我らが筋肉番長・永倉新八が主役であります。
今回は、ひとつのシーンをまとめてではなく、いろんなシーンをちょっとずつ出していきましょうか。
それでは皆様、お楽しみくださいませ!
* * *
近藤 勇(ナレーション)
「昔、昔、とある村に、永倉新八という若者が住んでおりました。
永倉は来る日も来る日も、剣の修業ばかりしていたのでとても貧乏でした。
そんな生活に耐えかねた永倉は、山奥に住む近藤観音に相談することにしました――」
永倉 新八
「なあ、近藤観音様。俺はもうこんな生活やってらんねえよ。
あんたの力で、こうぱぱっと何とかしてくれねえか?」
近藤 勇
「何を言うか、永倉君。
友に囲まれ、毎日剣の修業に打ち込める今の生活に、いったい何の不満があると言うんだね」
永倉 新八
「自由気ままだし、衣食住に関しちゃあ、貧乏だけどそれなりになんとかなってるんだけどよ。
生活に潤いつうか、腹一杯の飯とか、良い刀とか、酒とかおねーちゃんの店とか、
心に潤いがないってのはやっぱり辛えんだよ。
な、頼む! 少しでいいから、近藤さんの力で金とか出してくんねえか?
ほんの千両ばかしでいいから!」
近藤 勇
「それのどこが少しなんだね……。
永倉君。剣術が好きなのは俺としても嬉しいが、きちんと働かなければならん。
トシに内緒で、周りに借金までしてるそうじゃないか」
永倉 新八
「げっ! 近藤さん、何で知ってんだ!?」
近藤 勇
「俺は観世音菩薩だからな。悟りを開いているから、何でもわかるというわけだ」
* * *
藤堂 平助
「……つうか新八っつぁん、すげえいいもん持ってんじゃん」
永倉 新八
「ああ? この藁のことか?」
藤堂 平助
「なんでそんなもん持ってんだよ? どっかからくすねてきたのか?」
永倉 新八
「米屋にすげえたくさん置いてあったからよ、ちょっとくらいいいだろ」
藤堂 平助
「って本当にくすねてきたのかよ……。新八っつぁん、もう少し真っ当に生きろよな」
* * *
沖田 総司
「それで、新八さんはこんなところで何してるの?」
永倉 新八
「俺か? 俺は今、貧乏脱却計画の真っ最中なんだよ!」
沖田 総司
「何その無鉄砲そうな計画。具体的に何してるの?」
永倉 新八
「物々交換で一攫千金狙ってんだ」
沖田 総司
「ふーん……。なんだかよくわからないけど、せいぜい頑張ったら?」
* * *
永倉 新八
「………………おい、斎藤。ここにある菓子、端から説明してくれねえか……?」
斎藤 一
「見てわからぬのか? ……これが、蛇の頭を使った饅頭で、
こちらが熊の毛を使った牡丹餅。こちらが……」
永倉 新八
「何なんだよ、その奇抜で斬新過ぎる菓子はよ!?
なんだって源さんはおまえにこんなもん寄こしたんだ!?」
斎藤 一
「まだあるぞ。こちらは魚の目玉を練りこんだわらび餅に、
これは裏山の新鮮な土を使った泥団子だ」
永倉 新八
「泥団子!? そりゃもう食い物ですらねえだろ!」
* * *
永倉 新八
「だから働いてるって! 何で皆は認めてくれねえんだ?」
原田 左之助
「他の自警団の連中を見てみろよ。総司は子守で稼いでるし、
山崎は忍びとして出稼ぎに出てるじゃねえか」
永倉 新八
「山崎のやつ、最近見ねえと思ったら出稼ぎに出てたのか……!」
原田 左之助
「俺や平助も、荷さばきして稼いでるしよ。
おまえも無駄に筋肉ついてんだから、やりゃあいいじゃねえか」
永倉 新八
「ちょっと待て、聞き捨てならねえぞ! 俺の筋肉は無駄じゃねえ!
この筋肉はだなあ、俺の努力の証なんだよ! 男の中の男っていう証明なんだよ!」
* * *
永倉 新八
「見向きもされてねえのはどっちだよ。
どうせ今日も、あの子にちょっかいをかけに来たんだろ?」
風間 千景
「何、今日は文を届けに来ただけだ」
永倉 新八
「……それだけか? ずいぶんと大人しいじゃねえか」
風間 千景
「風間家に古くから伝わる駆け引き術、【押して駄目なら引いてみろ】だ。
今まで盛大にかまっていた分、突然簡素な文だけになれば、
妻は心配になり、俺の元まで駆けてくるだろう」
永倉 新八
「……おまえんとこの家には、ろくなもんが伝わってねえんだな」
* * *
永倉 新八
「土方さん、この文を届けた礼……とか褒美とか、そういうの何かねえか?」
土方 歳三
「褒美? 何だって俺がそんなもんやらなきゃならねえんだ」
永倉 新八
「いや、雪村家の平和を守ったわけだし……。何より俺の貧乏脱却計画が!」
土方 歳三
「またわけのわからねえことしてんのか?
いい加減、おまえもいい大人なんだからちゃんとしやがれ」
永倉 新八
「お、俺が駄目な大人みてえな言い方すんなよ!」
* * *
はい。そんなわけで、見ての通りの内容でございます。(笑)
この昔話シリーズも意地で続けてきておりますが、そろそろ皆様に怒られそうです。
ダメな大人の見本市みたいになっている新八さんのわらしべ長者ストーリー、ぜひご期待ください!
黎明録の方のドラマCDについては、来週やりますね。
あっちはあっちでダメな隊士の見本市みたいになってますが……。そ、そちらも……ご期待!(笑)
それでは今週はこれで。また来週!!