薄桜鬼総合 その35

※7/10 追記しました

皆様こんにちは。【薄桜鬼総合】担当、デザインファクトリーのいわたです。
今回は冒頭小話はちょっとお休み。その代わり、先日公開した七夕企画について、裏話的なものを
書いていきたいなと思っています。……っと、その前にまずはお知らせ!


▼「薄桜鬼 随想録 ポータブル」仕様・PV公開!

随想録 ポータブル公式サイトにて、仕様とPVが公開されています。
PVはご覧いただけましたでしょうか。追加要素含め、解説されていますのでぜひご覧ください。

新規シナリオとなる「事件想起三」ですが、今回は随想録の時系列の中に混ぜ込む形としましたので、
「事件想起二」をクリアすると現れるようになっております。何故かというと、作中にちょっとした
仕掛けがあるからなのですよ。そんなに派手なことをしているわけではないのですが「事件想起二」で
●●を見ていると「事件想起三」でちょっとだけ会話内容が変化する、みたいな。
なので、追加要素だけ先にやりたい!という方にはご面倒かもしれませんが、順を追ってのプレイを
お楽しみいただければと思います。


▼「薄桜鬼 黎明録」について

また、「オトメイトモバイル」の「オトモバ通信」をご利用の皆様には、今週の更新予定の中に
【薄桜鬼 黎明録】のOPムービー公開があったのを期待した方もいらっしゃるかもしれません。
大変申し訳ありませんが、こちらは誤りです。ムービーの公開はまだ少し先になります。
誤情報をお届けすることになってしまい、大変失礼いたしました。

黎明録の公式サイトをご覧の方には、もう気づかれた方もいらっしゃるかもしれませんが、
実は発売予定が9月から10月に変更になっております。
より充実した内容とするため、もう少し開発期間をいただきたく思います。
正式な発売日など、詳細は固まり次第また改めてお知らせいたしますので、楽しみにしてくださる皆様には
大変申し訳ないのですが、今しばらくお待ちくださいますようお願い申し上げます。


 

今回の七夕は、「今、君に願うこと」というテーマを設けてみました。
設定としては、本編や随想録のED後となります。夫婦な感じですね。

七夕当日には相手キャラクターからの短冊しかご紹介しておりませんでしたが、
今回はその短冊に秘められた真意と、各自のお嫁さんからの短冊を併せて出してみようと思います。
性質上、どうしてもネタバレちっくな話になってしまいますので、もしまだプレイしていない場合は、
ネタパレOKの方のみこの先に進んでください。














……よろしいでしょうか。

そもそも薄桜鬼の場合、一部キャラクターを除いて寿命の心配が残る方々が多いです。
もちろん彼らがいつどんなふうに、という点については公式で明確にすることはありません。

それは明日かもしれないし、数年後かもしれない。
もしかしたら奇跡的に数十年も生きていけるのかもしれません。
ただ、大事なのは、最終的にどうなるかはともかくとして、
彼らは常にその心配を胸に抱えながら生きている、ということです。
それを念頭に置いた上で、この短冊を改めて見てみてください。

 

ではまず、土方夫妻からです。

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ここの夫婦は、まるで長年連れ添った老夫婦のように静かな日々を送っているでしょう。
薄桜鬼の中で、なんとなくですが、一番古き良き……という雰囲気があるような気がしています。
夫唱婦随、というのかな。もちろんお互いに愛情はあるんですが、結ばれるまでに時間がかかった分、
そしてヒロインの中にある「託された思い」がある分、彼女にとっての土方は夫であり、恋人であり、
何より尊敬すべき人でもあるんでしょう。
だから彼女の短冊には、「(自分が彼に)ふさわしく在りたい」という言葉があるのです。

土方はそれに気づいているし、それを歯がゆく思ってもいるでしょうが(笑)、きっと何も言いません。
何故なら、彼は彼で、「いつまで傍にいてやれるか」という懸念を抱いているからです。
そして、ひそかに彼女がその日が来ることにおびえているのに気づいているからです。
「先よりも、今を見ろ」という言葉は、今の彼に言える精一杯の言葉なのだと思います。
守れない約束はしない人です。だから、この言葉を願うのだと思います。

先日、「彼女が土方さんを【歳三さん】と呼ぶのはいつでしょう?」という質問がありました。
いつかはそう呼ぶんだと思いますが、多分他キャラと比べると一番時間がかかりそうな気がします。


では次、沖田夫妻。

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ここの夫婦は万年恋人夫婦ですね(笑) ひたすら甘い日々を送っているんじゃないかと思います。
ただ、いろんな意味で一番儚いイメージがあるのもこの二人かもしれません。
これは完全にネタバレになりますが、羅刹の毒性は清められて薄まっても、彼の労咳は治りません。
作中にも明記してある通りですね。
沖田ルートではヒロインも変若水を飲んでいますが、彼女の場合は数年後にはほとんど影響なく
羅刹の毒を治癒できると思います。これは、やはり純血の鬼だからでしょうね。
薄桜鬼の世界での「鬼」とは、簡単に言えば「人間よりも基礎能力が高い種族」のことなんです。
大昔にはもっと人間離れした力を持っていたと思いますが、この時代ではそこまで変な力は持たず、
でも「人間よりは格段に強い」体や生命力を持っている。だから、ヒロインは治ります。

沖田は聡明な人なので、その事実にきっと気づくと思います。彼は心からそのことを喜ぶでしょう。
けれど彼女の方は、とても複雑な心境だと思います。

私の中で、この二人は互いの短冊を相手に見られないようなところに吊るしているような気がしてます。
見えるところに吊るした短冊には、きっと別の、もっと明るい願いが書いてありそうです。
本当の願いは、口にすれば相手を傷つけてしまいそう――そんな思いをいつも抱えていそうですね。


次は斎藤夫妻。

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おっとり穏やかで、時々笑顔が溢れる家庭を築いていそうな二人。
羅刹という業を背負っているのは同じなのに、なんだかこのままするっと末永くいってしまいそうなほど
空気がとても平和な気がします(笑) いや、実際はそうでもないのかもしれませんが、なんだろうな、
実は私、斎藤は意外と運の強い人だと思ってるんですよ。本人は心外だろうけど。
そして土方も頑固ですが、斎藤の頑固は何気にその上をいくと思ってます。「やる」といったら「やる」。

嫁を娶った時点で、あの人「一分一秒でも長く生き抜いてみせる」って決めてると思うんですよね。
素で思ってる気がするんですよ。叶わないかもしれないけど……とか考えてる場合じゃない。
生きるったら生きる。絶対生きる!みたいな(笑) そして、彼がそういう頑固さを見せたときって、
なんだかんだ大抵のことは叶うんじゃないかと。そんな変な運の強さを持ってそうで(笑)

もちろん、彼女の方ではやはり時々心配になったりしてると思うんですが、そういうときに限って
笑わずにはいられないような何かをしでかしていそうです。素で。……あれ斎藤さん結構卑怯だな(笑)

なので、短冊の言葉は偽らざる本音でしょうね。お互いに。


次は藤堂夫妻。

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いつでもかわいい友達感覚夫婦ですね。ただ、意外とすごく地に足の着いた二人だったりします。
最近、黎明録を書いていてすごく思ったのが、平助は確かに揺らぐことが多いけども、それはきっと
見たものを見たまま真っ直ぐに受け止めるからなんだろうなあ、と。すごく誠実なんですよ。
例えば何かの目的に向かってまっしぐらになってるとき、余計なものは見ずにひたすら走る人も
いるだろうけど、彼はすべて見てしまうんですね。そして、無視できない。
どうすることが一番正しいんだろう?と常に考えるから、揺らいでいたんでしょう。

けれど、恋愛ED後の平助は、そんな自分の感覚に彼なりの答えを出せているのだと思います。
腰が据われば、柔軟な物事の見方はそのままに、いちいちうろたえるのではなく、違った対処が
できるようになる人なんでしょうね。そしてヒロインも、彼のことをとても頼りにしそうです。

そんな平助なので、どれだけ幸せな日々を送っていても、すごく先のことは考えていると思います。
七夕の願い事を書くときにも、きっと真剣に考えるでしょう。自分の寿命、いつか息絶える日のこと、
もちろんお嫁さんのことも。その上で、考えに考えて、たったひとつ願いをかけるとしたら――
その結果が、この短冊です。これだけ叶ってくれたら、他はいいや、くらいに思ってるでしょう。

そしてその思いを理解している彼女だからこそ、「返したい」と思うのです。きっとね。


次は原田夫妻。

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正真正銘の「夫婦」。そのまんまの意味で、敢えて「めおと」と読ませたい二人です。(笑)
これもネタバレではありますが、メイン隊士の中では唯一羅刹にならないのが原田さんなのです。
なので、他の隊士たちに比べると、寿命的な意味での悲壮感はあまりないと思います。

ここの二人の場合、一番ネックになるのはヒロインの抱える「負い目」です。
たとえ今こうなることが彼の「夢」だったとしても、そのために彼が断ち切ったものの重みもよくよく
承知しているでしょうからね。もちろん彼はわかった上で自分を選んでくれたのだと理解はしている
でしょうけど、ふとしたときに自分が「奪ってしまった」もうひとつの道のことを思わないはずがない。
だって、彼がどれほどその道を大事にしていたか知ってるんですから。

原田さんはもちろんそんな彼女の思いに気づいていますし、その都度フォローも入れているでしょう。
ただ、何度も何度も繰り返して同じことは言わない人だと思います。

だから、彼女にとって一番いいタイミングで、「楽にしろ」と。そういう言葉を投げるんじゃないかな。
その度に彼女は自分が成すべきことを思い出すんでしょう。「安らげる場所」であろう、と。


最後、風間夫妻。

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誰もがネタと思っていたことに全私が泣いた鬼夫婦(笑)
だからほんとにネタじゃないんですってば。この短冊かなりガチなんですってば。
今回はまっとうなことを書こうと思います。

私、随想録で一番書きたかったのは、千景様の恋情想起だったんです。
あれは絶対書いておかなきゃいけないな、と思ってました。

風間千景という人を語る上で、やはり彼が「西の鬼の頭領」であるという事実は外せません。
彼は「人」と「鬼」を誰よりハッキリと区別しています。また、区別すべきであるとも思っています。
本当の本音としては、関わるべきではないとも思っています。薄桜鬼の作中で人間に関わっているのは
あくまで自分の一族のためです。薩摩に恩義を返すという名目がなければ、決してあんなふうに戦いに
関わってくることはなかっただろうと思います。

鬼については、露出している設定としてない設定があるものですから、なかなか語りにくいのですが、
彼が頭領となるまでに、実はそれなりの血が流れています。決して安易にその立場にいる人ではない。
かなり利己的に見えますが、実は相当一族のために己を殺している部分もある人だと思います。
「頭領」ではなく「風間千景」という一人の男として行動しているのは、本編土方ルートだけかな。
斎藤ルートは微妙なところですが、またちょっと違うので……。

風間ED後の場合、西の鬼の一族は人から遠ざかるように居住地を移しています。
そこに嫁いでいった彼女は、初めて「鬼」とは何か、そして風間千景が抱えるもののすべてを知る。
この二人が真の意味で始まるのは、実はそこからだと思うのです。

彼は非常に誤解されやすい人ですが、それは素でもあり、彼自身がわざとやっていることでもある。
何せ、王者気質なので。剥き出しの心を容易に見せることはありません。
見せるとしたら、それは自分と対等、もしくは対になるべき相手だけでしょう。
随想録での恋情想起で見せたかったのは、その部分でした。思いのほか静かで思慮深い一面を
見せていた一連のシーンは、彼女だからというのもありますが、何より彼女が「東の鬼を総べる」
雪村家直系の女鬼であることも大きく関わっています。
「鬼」でなければ愛されることもなかったのか、と言われるとちょっと困ってしまうのですが……
彼にとってそれだけ「鬼」という要素は重要である、と考えていただければと思います。

……少し話が逸れた(笑)

頭領として後継者の存在は不可欠ですし、種族が絶えぬためにも子宝に恵まれることは重要です。
ただ、もちろん恋愛ED後ですし、皆様もご存知の通り、彼が彼女を溺愛していることは周知の事実。
だから多分、最初の一子を設けた後の「子沢山」は、立場をよそに置いた彼の本音でしょうね(笑)
この女に自分の子を産ませたい、と書くと露骨に見えますが、彼にとっては至上の愛だと思います。

一方、肝心のお嫁さんの方はというと、彼とはまた少し違った意味で、家族をもっと増やしたいと
願っています。何故なら、それは彼の味方を増やすことに繋がるからです。
また、自分に対してそうであるように、彼が頭領としてではなく、一人の男として接することのできる
気張らない存在を増やすことになるからです。

千景様は王者気質であるがゆえに、孤独を抱えていた人でもあります。
そんな彼の伴侶として、彼が「多くの愛に恵まれるように」と願うのも、また至上の愛なのです。

 

さて、いかがでしたでしょうか。なんというか、七夕裏話というより盛大な暴露話のような気もします。
今まであまり薄桜鬼ではこういうことを語ってこなかったのですが……。
実際、少し迷ったんですけどね。(笑) あんまり説明しすぎるのも嫌な人はいるでしょうし。

これがサービスとなるか、ありがた迷惑となるかは若干賭けではあるのですが、
ひとつの区切りとして書かせていただきました。
……別にもう二度と書かないというわけではないですよ?(笑) あくまで区切り、です。

薄桜鬼の場合、もともとのキャラクターを生み出したのは私ではないので、あんまり深く触るのも
どうかなあと思う部分があったんですが、恋愛に関してのことなら自信を持って書けるかも、なんて
思ったのも事実です。(笑) そこだけは少なくとも私の意志が結構反映されてるので。

これはこれでひとつの形、として受け止めていただければ幸いです。
それでは、今週はこの辺で。すげえ時間かかっちゃったーもうーこれだから薄桜鬼は!!(笑)



 

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