オトメイトスタッフブログ

祝! ワンド オブ フォーチュンシリーズ10周年!!

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10年前の今日。2009年6月25日。
PlayStation 2にて「ワンド オブ フォーチュン」が発売されました。

つまり、本日は、ワンド10周年記念日です!!




【シリーズディレクター いわた志信より】

とうとう10周年です。10年と聞くと「そんなに!?」と驚くほどの時間なのに、
実際の体感では「えっもう10年?」と首を傾げてしまう感じで、
なんだか長いんだか短いんだかわからない不思議な感覚を味わっています。

ワンドというタイトルについては、これまでめちゃくちゃ語ってきているし、
制作スタッフという肩書以上に積もり積もった思い出や思い入れがあって、
改めて何か言おうとすると、どうしても上手く言葉が出てきません。
それでもひとつだけ言えるとしたら、「ワンドを作れてよかった」これだけです。

いろんな人に愛されて、今も愛してもらえて、とても幸せなタイトルです。
今日がワンドの記念日だと覚えていてくれて、おめでとうと言ってくれた皆様、
本当に嬉しいです。ありがとうございます。

願わくば、少しでも長い間、心の片隅に「ワンド」が残っていますように。
そしてこれからも、愛すべき彼らを忘れずにいてくれますように。

「ワンド オブ フォーチュン」を愛してくださったすべての方に、感謝を!!
ありがとうございました!!



【キャラクターデザイン・原画 薄葉カゲローより】

ワンド オブ フォーチュン10周年おめでとうございます!
10年!?という驚きと共に迎えております。
有難い事についこの間も移植したりグッズが出たり、様々な展開をして頂いていたので、
あまり間が空いた感じがしないので不思議な気持ちでした。
今後もワンドシリーズをよろしくお願い致します!

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改めまして。お久しぶりです。ワンドシリーズディレクターのいわたです。
10周年くらいきちんとご挨拶したいなーと思って出てきたのはいいんですが、
しょっぱなからテンションが迷子でものすごくキョドッています!
10周年って「ありがとうございます」でいいんだよね......?(そこからか)

ド頭にのっける写真を撮ろうと思ったのはいいんですが、
肝心のソフトを探し回るところから始めるレベル。
社内スタッフの協力を得てなんとか発見することができてホッとしました。
なんたってPS2ですよ皆様。今も持っていらっしゃる方いますか!?
すべてはここから始まったんだと思うと、なんかもう涙出てきますね!
BGMもワンドにしてみちゃったりして。
「ひとりじゃない証」聴いちゃったりして。

今年がワンド10周年に当たる年だということは、去年から意識はしていました。
ただ、派手なお祝いをするのはちょっと厳しそうだな、とも......。
思い入れで言ったら私たちにとってもダントツの作品ではありますが、
いかんせん時間と事情が許さない......!

それでもちらほらと、10周年だし、という前置きでいただくお話があったりして、
できそうなものは実現してきました。
久々のオトモバ年賀メールとか、エイプリルフールとか、オトカプ缶バッジとか、
オトメイトパーティー2019とか(朗読劇もだけど悲願だったちびラギぬいとか!)、
ちょうど今やってるクレパラとか。(27日までです!)
今も、まだ表には出ていないものの、準備しているものがあったりします。
ここ数年は「やりたいけどごめんちょっと今は無理......!」で断念してきた細かいものを
なんとか少しでも拾えればいいな、と思いながら進めています。

何か動きがありましたら、公式ツイッターで情報を出していきますので、
もしよろしかったらそちらをチェックしていただければと思います!
https://twitter.com/WOF_R_official



はー、でもそっかー......10年かー......。
実は今日ブログを書こうと決めてから、パソコンに眠っている初期からのデータを
ちょこまか見たりしていたんですが、なんかもう......懐かしいを通り越して......

恥 ず か し い

............。何が恥ずかしいって、自分たちの前のめりっぷりですよね......(笑)
あの、本当に初期からのファンの方が今どれだけ見てくださっているかわかりませんが、
ワンドってこのスタッフブログでも相当な古株で、過去の記事量とかものすごいですし、
何気に公式ツイッターのアカウント開設もオトメイトのトップバッターだったりするんです。
(今のアカウントは一度作り直したものです)

▼旧オトメイトブログ一覧

初代ワンドブログ
http://blog.otomate.jp/staffblog/cat18/

FDのときのブログ(未来へのプロローグ)
http://blog.otomate.jp/staffblog/cat-2/

総合になってからのブログ(ワンド2)
http://blog.otomate.jp/staffblog/cat-5/

総合DXになってからのブログ(ワンド2FD)
http://blog.otomate.jp/staffblog/wof-dx/



それ以外にも、皆様の前に出る前......つまり開発開始当初のデータなんか見てると、
顔が真っ赤になりそうなシロモノが多々あります。
設定回りなんかはVFBなんかにも大体掲載してもらっているんですけど、
そこにも出ていないような、ちょっとしたネタメモとか。
私も薄葉さんたちも思いつくもの手あたり次第持ってきた!!みたいなテンションで、
とにかく楽しくて仕方なかったんだな......わかる、わかるけど......ねえ......

恥 ず か し い

常に全力といえば聞こえはいいけれど、漂うやりすぎ感と悪ノリ感。
必死かよ!!必死だったなそうだよな!!......と頭抱えてしまうこの感じ。
後悔しているわけではないので黒歴史とまでは言いませんが、
もうちょっとやり方あっただろう......と思うところは多々あります。

ずっとワンドを追いかけてくださっている方々にしてみれば
「今更かよ」と失笑されるレベルだと思うんですが(笑)、
ほんっと、ほんっっとに、いろいろやらかしてきましたよねワンドって!!


そんな当時の自分たちの前のめりっぷりを振り返って胃を痛めつつ(笑)、
でもちょっとだけ真面目に語ってみるとですね。
多分、ワンドって、私たちにとって「最高に可愛くて綺麗で眩しいもの」なんです。

私もそうですし、薄葉カゲローもわりとそういうとこあるんですが、
根っこにある創作スタイルや性癖的なものから考えると、ワンドはかなり特異です。
ほっとくと歪むし、薄暗くなるし、マニアックに走るし(笑)

でも、だからって王道が嫌いなわけではない。むしろ好き。
キラキラピカピカな女の子に青春に胸キュンを尊いものと思う気持ちもあります。
そういうの素敵だな、ずっと見ていたいな、と思います。
言うなれば憧れに近い感情かもしれません。そういう特別の、とっておき。

ワンドは、そんな私たちの「とっておき」を集めて作った物語でした。

特に最初の無印ワンドはそこらへんが丸出しになっているなあ、と思います(笑)
こういうの好き!こんなの可愛いと思う!これ絶対楽しい!が露骨です。
勢いだけで作ったというか、衝動の発露がほんと今見るとバレバレすぎて......。
いやー若かったな!!もう勘弁して許してください!!と叫びたくなります。

もちろん、そこからいろんな展開があって、
勢いだけでなく、ひとりひとりのキャラクターと向き合っていくことにもなり、
キラキラだけではすまない部分も描いてきたりもしましたが。
それでも、私たちにとってワンドはやっぱり「眩しい世界」でした。
どんなことがあっても希望に繋がる、そんな理想を体現した物語でした。


作品の雰囲気がそういうものだったからか、
ワンドはファンの皆様との距離感がとても近くて、楽しいことがたくさんありました。
ブログ宛に届くメールなんかがいい例でしたね(笑)
ブログ全盛期のときのワンド宛メール、ほんとにとんでもなかったです。
特に何かのイベント前後、ゲームの発売前後辺りは、一日で数百通届くメールに
目を通すだけでやっとのときもありました。

そんな作品でしたから、作り手である私たちがその空気に引きずられることもしばしばで。
昔懐かしい言葉で言うところの「草の根運動」で、皆様がワンドを宣伝してくださったり、
ワンドファンの皆様方の輪がどんどん広がっていく様を眺めていたりすると、
だったら今度はこんなのどうよ!?と、私たちも無駄にやる気を出したりして(笑)、
ちょっとあまりないタイプの愛の循環活動で広がったタイトルだな、と思います。


物語自体は、2FDのグランドフィナーレで一応の終止符を打った形になります。
恋愛ものとしても、結婚というテーマを描ききったことですし、
ドラマCDでは子育て風景まで出しましたし(笑)、やることは全部やったかな!と
言いきれるところまできました。
でも、本当はそれ自体がものすごく幸運なことだったんだなと今は思います。

多分この世の中のどんな作品も、作っている方はめちゃくちゃ思い入れているし、
望まれるならどんな展開でも!と思っているんじゃないでしょうか。
それでも、願えばなんでも叶うわけではなくて、それは売上だったりタイミングだったり、
いろんな諸般の事情が重なった結果、望んでも作れない場合だってあるわけで。

そんな中、やり切れた!と胸を張って言えるとこまで描けて、
それ以降もちょいちょい触れる機会をいただけて、
今日のように皆様に10周年をお祝いしてもらう言葉を垣間見れたりする。

これが幸せでなくてなんだろう、と心から思うのです。


これから先、ワンドのような作品を作れるかどうか、正直わからないです。
先ほど書いたように、ワンドは本当に「とっておき」だったので。

ですが、この宝物のような作品は、ずっと私たちの心に残っているし、
いつまでも「とっておき」であり続けるんだと思います。


......なんだか無駄に湿っぽくなってしまいましたが(笑)、
ワンドについて語ろうとすると、最近はいつもこんな感じになってしまいます。
もう飲まずにはいられない。飲みながら語りたい。あんなことやこんなこと。
別に湿った話だけじゃなく、愉快な思い出や、キャラ語りなんかもね!

皆様もやってみませんか。エアワンド飲み会。
タグは......そうですね、#わたしのワンド 辺りでどうでしょうか(笑)

語りたいのもあるんですけど、どっちかというと、人の語りが見たくないですか。
それ見ながら、そうそうわかるわかるあったあったそれな!!ってやりたい(笑)

もし見つけたら、多分私もビール飲みながら「それな!」って叫びます。
いっそ全部に「いいね」押しまくりたいとこなんですが、
取得漏れとかで押せないものがあったりしたら申し訳ないのでそれはやめとく......。
まあ、今日に限らず、思い出したときにでもぜひ。

10周年の当日なら、もっとこう、派手にいろんな展開が期待されていたかもしれませんが、
やったことといえばブログ更新くらいで大変申し訳ない限りです。
でも、愛だけはいつでもたっぷりあるんだぞと、それだけは訴えたい(笑)

ワンドについては、上の方でも触れているように、
まだ情報を出していない企画ものなんかがありますので、
そちらを楽しみにしていただければと思います。
薄葉さんの描きおろしも、まだ世に出てないものがいくつかありますので。


そんなわけで、ワンド オブ フォーチュンを愛してくださるすべての皆様へ。

ありがとうございました。

そして、今後ともよろしくお願いいたします!!


..........と、これで終わろうと思ったんですが、あまりにも何もなさすぎて申し訳ないので、
以下にとても懐かしいものを置いておきます。

PlayStation 2の、ほんとに最初のワンドの、限定版小冊子に載せた私と薄葉さんの対談(笑)

10年も経ってるし、もう持ってる方もほとんどいらっしゃらないだろうと思いますので、
話のネタにでもしていただければと......。
当時の私たちがどれだけ前のめりだったかすごくわかる感じになっているので!

ものすごく長いので、ほんと暇つぶし程度に眺めてください。(笑)
それでは!

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2009年6月25日発売
「ワンド オブ フォーチュン」限定版小冊子
いわた×薄葉カゲロー 対談より

いわた:
まず、この企画についてですけど。(笑) 「魔法学園ものでいこう!」って決まるまでにはずいぶん紆余曲折ありましたよね。

薄葉:
たしか童話モノとかは記憶にあります(笑)  王子様がいっぱい出そうとかありましたね~

いわた:
うん。言ってた言ってた(笑) あとは本気で魔法少女考えましたよね。リアルに。

薄葉:
日曜朝的なノリで。リリカルリリカルとか言って変身しそうな。

いわた:
ぶっきらぼうな幼馴染に謎の転校生。出会いは当然朝パンくわえて曲がり角で正面衝突的な。あと、変身しても顔隠れてないのに何故かバレないとか(笑)

薄葉:
変身まで敵が待ってくれるとか。謎の小動物がお供にいたりとか。

いわた:
お約束を恥ずかしげもなく詰め込んで作ろうかと。......いつも思うんですけど、普通そこまでバカな方向に走ろうとしたら誰かが止めますよね。なんで私たち止まらないんでしょうかね(笑)

薄葉:
本気で馬鹿をするということに主軸を置くからだと思います。

いわた:
そうですね(笑) まあ、そんなやる気満々の中、いつしか魔法学園でいこうという話に流れていったわけですが、
確か最初に魔法学園って言ったときに、最初にもらったラフって制服デザインだった気がする。今のと少しバージョン違うやつ。マントの。

薄葉:
魔法ときいてそのままハロウィン思考が発展して、とにかく黒マント+オレンジの裏地!という感じで真っ先にカラーリングだけ思いついたんですよね。

いわた:
早かったよね(笑) 見たとき結構びっくりした覚えが。

薄葉:
今までもだいたい青とか赤とかのテーマカラー+黒みたいな感じでやってたんですけど、水彩塗りでやらないなら、どうせだったら思いっきりポップなのがやりたいと思って。

いわた:
うん。インパクトはすごかったです。実際最初のデザインより今のデザインの方がポップだよね。最初のはもうちょい大人っぽかったかもしれない。

薄葉:
普通にマントでしたよね。今のはPコートがモチーフなので、若い子っぽくなりました。

いわた:
うん。前のだと似合わない子たちがいるから(笑)

薄葉:
ビラール殿下は治外法権としても、アルバロが似合わなくなっちゃって。苦肉の策で一人だけ長いんですよね。

いわた:
あれは仕方ない。アルバロは規格外(笑) でもアルバロの長マントは結果的に大成功だったと思うんですよ。

薄葉:
体が細長いのもありますし、みんな結構ずんぐりしたシルエットラインなのに一人だけピタピタですしね。

いわた:
そう、いつもね、トークが弾むだけ弾むのに流されて消えていく服装関係も今回はみっちり聞こうと思って。(笑)
ものすごいこだわるじゃないですか、衣装。いつも。聞いてないことまでよく解説してくれて(笑)

薄葉:
自分たちが楽しいだけなんですけどね、ほとんど。(笑)

いわた:
この服はこんな構造で、こんな素材で、ここがポイントで~はいつも聞いてるんですけど、今回はそれに加えて、実はこんな裏設定が!みたいなのまで加わって。なんか気づいたら先生方の衣装とかいろんな設定ついてましたよね(笑)

薄葉:
ついてましたね。ただやっぱりこれも自分たちが楽しいからというか、ファンタジーキャラって、作画をしていて、「ところでこいつ、何でこんなパーツつけてんの?」ってふと自分で考えてしまうんですよね。それで勝手に「たぶんこれってこういうアイテムなんだ」というちょっとした思い付きがパチっとキャラクター設定とはまると楽しいんです。あとはそういうものを大量に考えておけば、シナリオ上でそこからネタが出来たりするかもしれないので、言うだけならタダとばかりにいわたさんに伝えている感じですね。

いわた:
うん。私としても、思わぬところから設定が来るんで、だったらそれを使わない手はないなと。(笑) 今回そういうの多かったよね、すごく。

薄葉:
ファンタジーアニメとかでも多いですしね、肩につけてるこれはタリスマンだとか。それがそのまんま話の主軸になっているような作品もあるので、作っておいたらたぶん使ってくれるだろうという無責任さでぽんぽん出しています。

いわた:
アルバロの顔のタリスマンとか、デザイン画にあったのがそのまま設定に繋がったいい例ですよね(笑)

薄葉:
とりあえずちょんちょんと顔にピエロっぽい模様のっけてみて、こいつ派手だからメイクじゃなくて立体物というか宝石にしてしまえ、という感じでついたものですあれは。(笑

いわた:
それが媒介になって、敢えて「顔」に目立つものを貼り付けるってどういうことかと考えて、それが個別ルート後の設定に繋がってたりするんです。すごいですよね(笑) あと、アルバロはあれだ。魔法発動するときのポーズがもう......

薄葉:
あれは「何このアイドルポーズ」と思ったらそれで大正解ですね。

いわた:
全力で某アニメですよね。顔にあるならあのポーズしかないだろって(笑)
キラッ★的な。でも今見ると悪ノリから始まったにしてはできすぎてる。もうあのポーズしか浮かばない(笑)

薄葉:
手にもつ媒介じゃないからポーズどうしようって一瞬でも悩んだ私たちが馬鹿でしたね

いわた:
あと衣装からきた設定が多いといえば、やっぱり先生方でしょうかね。

薄葉:
そうですね。さらに先生方の設定から世界観全体の衣装感覚も決まりましたし。エルバート先生の服がなぜダサいのかとか(笑)

いわた:
世界観全体のっていうのは、魔法の要職についてる人ほどゴテゴテに豪華なファンタジー服を着てるっていう。

薄葉:
そうそう。魔法に携わる職業に近くなればなるほど、服は魔術に適したりサブ媒介になったり属性強化のための工夫が織り込まれていたりするのでどんどんファンタジーっぽい服になるけど、魔法にかかわりの無い人たちとかは、行き過ぎない程度の現代服でとどまっていて、ミルス・クレアの学生たちはその真ん中に位置している半人前なので、普通っぽい制服の上に、マントのみ魔術用品として羽織っているという。

いわた:
うんうん。これ結構大事な設定になった気がします(笑)

薄葉:
エルバートは着ているものは全て一級品なんですけど、この世界における一昔前の一級品なのでもっさりしてるんですよね。

いわた:
ミルス・クレアの生徒たちが外出時に制服を着てなきゃならない理由もそこなんですよね。あれ、マントやコルセットに対魔法防御がかかってるという。

薄葉:
だからあの制服は簡易的な魔術ローブなんですよね。

いわた:
あと私ね、すごく面白いと思ったのがイヴァンの杖の話。

薄葉:
あー、パルー。

いわた:
そうそう(笑) 中途半端に欠けてる部分が、実はパルーなんだよね。だからものすごく大きな魔法を使うときは、パルーが杖に戻って、そうすると杖の形が完全なものになるっていう。この設定使いたかったなあと思ってたんだけど、そもそもイヴァン先生がパルーを杖に戻すほどの一大事ってどんなだよ、と思ってなくなった......。

薄葉:
パルーも最初はただの杖のオプションだったのにノエルを馬鹿にするまでの身分になって感無量です。

いわた:
ああ、パルーはすごいですよ。パルーのキャラ立ちすぎた。オープニング書いたときに、あまりにも自然に「アホー」とか「ホーホケキョ」とか統一性のない鳴き声って設定が降りてきて。なんかいつもいきなりなんですよそういう設定が降りてくるの。さも当たり前のように書いてるんですけど(笑)

薄葉:
最初読んだ時爆笑しましたね。あれは。でも、魔法生物だから鳴き声なんて本来曖昧でいいんだなあって妙に納得もしたりして。

いわた:
だから多分、最初はなんて鳴き声なのかなって考えたんだと思うんです。でも決まらなかったから、全部でいいんじゃね?って。私の設定そんなのばっかりな気がする!(笑)

薄葉:
ぽろっと落ちてきた設定のほうが面白かったりしますしね。他にもそういうのいろいろあった気がするんですが(笑

いわた:
あった。いっぱいあった。キャラの性格なんかほとんどそうじゃないですか?

薄葉:
エストなんかは絵でだいぶ右往左往しましたね。

いわた:
この前もチラッと話してましたけど、その、私の作るキャラってものすごく変じゃないですか。(笑) なんでこの顔がこういう子になるのっていう点で。エストはあの顔に決まるまでがすごく大変でしたけど、あの顔が出てきた瞬間にもうほとんどの設定が決まったといっても過言ではなかった。

薄葉:
うん、いわたさんと組んだばかりのころは「この顔はこういう性格だと思うからこの表情はちょっと違う!」って言われるのにいちいち「そ、そうなんだ!?」って戸惑ってましたが今は慣れました。(笑)

いわた:
すいません。(笑) まあそんな感じで誰も彼もが戸惑うわけですよ。特に今回それが多かったのがユリウス。誰一人としてあんな子だと思ってなかったみたいで。

薄葉:
ユリウスは逆に私たちはすごくしっくりきたんですよね。

いわた:
だって最初から魔法オタクって決めてたよね?(笑)

薄葉:
そうそう、あと、あえてものすごく、男前だけど特長の無い外見に描いたので、さあ変な中身ばっちこい!という感じで身構えてましたから。というか、そうでないと困る(笑)

いわた:
ただほんと、ユリウスはみんながついてきてくれなくて困りました。みんな外見につられるんだもの。シナリオでも、ほっとくと「~のだが、~だ」みたいな堅苦しい子になってるの。違うよ全然違うよ!ってその度に軌道修正して。収録でも聞いてる人たちが唖然としてましたしね。

薄葉:
ああいう子がいたら普通に唖然としますけどね。

いわた:
(爆笑) そりゃそうですね。うん、確かに(笑)

薄葉:
目の前にいたらしゃべってる間にそっと逃げますね私だったら。

いわた:
私は後ろ頭ぱかーんと張り飛ばしたいです。止まれ!って。故障したテレビを直すように。

薄葉:
ああ、たしかに故障したラジオとかそれっぽい。

いわた:
だってひどいですよ。例の早口セリフの部分、収録のときも「ここ病気ですか?」「はい病気です」って会話がなされてるんだもん。

薄葉:
病気モードっていうんだあれ......(笑)

いわた:
いや、なんか最初は覚醒とか言ってた気がするんですけど、しまいには病気になってしまって......(笑) まあでもなんだかんだいって外見と中身のギャップという点ではユリウスはかなり上手いこといったなと思いますけどね。逆にまったく外見と中身にギャップがないノエルとかはどうですかね。

薄葉:
ノエルは存在そのものが愉快なのであれでいいんだと思います。

いわた:
キャラが立ちすぎましたね。私たちも毎回遊びすぎでしたし。CGのチェックするにしても、ノエルのときだけ毎回必ず小芝居があって。「チェックお願いします......ノエルですが」「えー......」「えーとか言わないでくださいよ頑張ったんだから!」「仕方ないから見てやるよ!」のコンボがお約束でしたからね(笑)

薄葉:
でもそのひといじりが「ああ、こう仕上げればいいのか!」っていうパッションに繋がるから皮肉なものです。<小芝居

いわた:
でも薄葉さんたちだって、ノエルのCG描いてるときは言ってることおかしかったですよ! 顔が上手く行き過ぎて腹立つとか(笑)

薄葉:
だってユリウスとか恐ろしく難産なんですよ。こんなにかっこよく描きたいのに描けない!とか、ビラールとかも髪の毛のバランス少し間違えるだけで凄くおかしくなるし。なのにノエルがするっと決まると無性に理不尽に感じちゃって。

いわた:
アップの顔描いてるときの怒り方が最高に笑えましたよ私(笑) 「うざいの!! もうほんとうざいの!!」って。

薄葉:
鋭いつり目で金髪碧眼で一番色白だから真顔になれば絶対にキレイになるのがとても腹立たしいです。あと、私たちのなかで表情がものすごくわかりやすくて。

いわた:
ほっといたらすごい数の表情出してきましたもんね(笑)

薄葉:
ノエルはこんな顔するだろうあんな顔するだろうって思いながら描いてたら凄い数になりましたね。

いわた:
まあ実際そんな顔してるんで、全部OKでしたけどね。
んじゃ次はそのターバン地獄で苦しめられたビラール殿下。殿下って最初蛇とお友達だった気がするんですけど、あれなんでなくなったんだっけ(笑)

薄葉:
ラブシーンで蛇どうすんのっていう話でした。

いわた:
(爆笑) そうだった! そうだった、思い出した! ラブシーンの度に自然にいなくなるような空気を読む蛇にするにも限度があるだろって言ってたね

薄葉:
蛇が媒介だったんですよね最初。でもそれだとラブシーンどうするのって話になって、そのあとが凄く難産だったような。

いわた:
そう! 媒介に超困ったの!

薄葉:
コインとか手鏡とか色々出て、最後にいわたさんから出てきたゴブレットになったんでしたっけ。

いわた:
そうそう。そうです。でも結果的にすごくしっくりきたかもって思います。

薄葉:
ああ、そのまま酒飲み設定もつきましたよね。

いわた:
なんか、杖とか構えてる緊急事態っぽいときでも、某お笑い芸人並に優雅かつ大らかに「かんぱーい」ってやってるような気の抜けた感じがすごく合ってるなと(笑) 酒飲み設定どころか大食い設定までつきましたよね。宝物庫から勝手に持ち出したとかいう設定も、あれどこから来たんだっけ(笑)

薄葉:
媒介は国宝だろう→じゃあ宝物庫にごろごろあったうちの一つじゃないだろうか→だったら当然勝手に持ち出しだよね、という話でした。

いわた:
ああ、そうか。そう考えると殿下って何気に行き当たりバッタリ率が高くないですか(笑)

薄葉:
ビラール殿下の衣装なんかもそういう話でしたよね。赤い布は王族の持ち物ですけど、金色の織物の帯とかは、街中を歩いていて値段みずに「これいいデスね」とか言って買った物とか

いわた:
うん。その辺はもうするするーっと薄葉さんたちから出てきましたね。

薄葉:
そう考えるとノエルと対極の強運の持ち主ですね。引き当てたものはだいたいアタリになるというか

いわた:
(爆笑) そうだよ、ノエルの媒介なんかさ、お坊ちゃんだから豪華+土属性=琥珀(アンバー)で宝飾品ぽいやつ、って方程式であの虫入り琥珀って設定ができたのに、気づいたら変身ヒーローのなんとかベルトと同じ扱いですよ。魔法差分のポーズ指定したときに、変身ヒーローでって指定しましたもんね

薄葉:
最初「もっとキメキメで!」って一度リテイク貰いましたからね

いわた:
しました。中途半端にすんな!って(笑)

薄葉:
あのあたりでノエルに対する思い切りがついたも同然だと思います私たちは。あの瞬間に「あ、もう思うままにやっていいんだ」って最後の防波堤が崩れました。

いわた:
そうそう。最初は一応遠慮がちでしたよね。それをもう、「違うんだよもっとやっちゃえよ!!」とけしかけて......

薄葉:
どんなものが乙女ゲーとしてNGなんだろう?っていうのがさっぱりわからないので、まずは凄く守りに入っちゃうんですよね。そこで自分たちの素を出していいのはこいつだ!って認識したせいで、数段階変化のギャグスチルとか、1段階くらい勝手に余計な変化を入れるように......

いわた:
うん。ただでさえ差分地獄なのになんで好き好んで差分増やしてるんだろうって爆笑しました。

薄葉:
お笑いに関してだけはものすごく能動的に動けるので手が勝手に......

いわた:
で、またノエルに流れましたけど(笑)、殿下といえばルームメイトのラギなわけですよ。ラギはやっぱりあの変身設定がものすごくウケを狙ったというかどうしようもないというか気の毒な感じなんですけど......

薄葉:
でかいドラゴンに変身するという設定がついたあたりでもうどれだけファンシーモードがあってもどれだけ阿呆でも全て許すぜ!という目線になりました。

いわた:
ドラゴンについてのこだわりがすごかったですよね。

薄葉:
本当に古典的ファンタジーに詳しい人からするとコミック的な認識も良いところだとは思うんですけど、昔から萌え要素の一つなんですよね、ドラゴンって。

いわた:
私もすごく好きですけど、薄葉さんには負けたと思った(笑) あれは本当にでっかいドラゴンの全身CGほしかったですよね。それだけは描かせてくれって言われてたのにごめんなさい(笑)

薄葉:
ドラーグとかはデザインだけやってスチルはサブグラフィックの方にお任せしたのですが、もうラギの成体だけは自分たちに描かせて!って泣いて頼みましたからね(笑

いわた:
とりあえず、全身ドラゴンの設定画だけでも載せておきましょう(笑)

薄葉:
ラギはデザイン的に言えば、ずーっと出す機会のなかった、薄葉カゲロー的スタンダートな外見の子ですね。顔とか髪型とか色合いとか全部

いわた:
出る作品間違えなければ主役張れる外見ですよね(笑) ところでラギのじっちゃばっちゃ設定って、あれはどこから来たんだっけ(笑)

薄葉:
「田舎から出てきた」って言われたときに私たちが勝手にじっちゃばっちゃ騒ぎ出したような......

いわた:
少なくとも「じっちゃ」「ばっちゃ」という呼び方は確実にそうですよね(笑)

薄葉:
あと干し芋って騒ぎ出したのも確か私たちですね。

いわた:
ていうか干し芋は結局ゲーム中に登場してないっすよ(笑) 鹿肉の燻製になってる。

薄葉:
肉になりましたよね、メイン食物が。

いわた:
うん。なんか気づいたら肉食わせろって脳内で暴れだしたもんで。あードラゴン肉食っぽいもんなあ、と思って肉肉言ってる子になった。

薄葉:
ラギの最大の魅力は食べてるところですしやっぱり。肉ぶちぶち引きちぎって食べてるのとか、すごく獣の化身っぽくて好きです

いわた:
......でも私、まさかラギがあんなに腹減った腹減ったばっかりの子になるとは思ってなくて本当にびっくりしました。

薄葉:
かわいそうなくらい飢えてますよねいつも。

いわた:
チビドラになったときにお腹が空くってのも、どこから出てきたのかわかりません。あそこのテキスト描いてるときにまた当然のようにサラッと打ってた。そして気づいたら常に腹減り小僧になって......

薄葉:
炎吐くのにはすごくエネルギー使うよねえ、って話くらいしか記憶にないですね(笑)

いわた:
うん。疲れたら腹減るだろうってものすごい単純な発想ですよね。だけどそれにしても喰いすぎだよね!(笑)

薄葉:
炎吐くどころか生きてくだけで腹減ってる子になりましたね。

いわた:
すごい言葉ですねそれ(笑)<生きてくだけで腹減ってる
でもこの腹減りのおかげで、ルルとの関係性も上手いこと独自性を持てたかなーとは思うんですよ。愛するということは、エサを分け与えることだという。(笑)

薄葉:
肉焼いてるシーンの指定をもらったあたりで、スマートな恋愛を期待するのはすっぱりやめましたね。

いわた:
(爆笑)

薄葉:
女の子に燻製肉をブロックで渡すのがこいつの愛かと学びました

いわた:
でもあれのラギの顔すごかったですよ! 完全にこう、俺の嫁、みたいな目でルルを見つめてて。なんだおまえ、なんで肉焼いてるとそんなに頼もしい顔になってんだって(笑)

薄葉:
みょうにキメてるシーンよりもああいう「俺頼りGUY!」っていう感じのほうが、私たち的には理解しやすいみたいなんです......(笑)

いわた:
まああのシーンはラギだけじゃなく素直にもらってかぶりつくルルもルルだと思うんですけどね。(笑)
んじゃ次はアルバロですか。さっきマントや媒介のことはチラッと話に出ましたけども。でもアルバロってかなり私たちの中でイメージのブレもなくすんなりいきすぎたキャラでしたよね。

薄葉:
手癖で描いたらそのまま採用でしたね

いわた:
だってなんかもうこれでいいじゃんって(笑) 顔見たら性格も決まったし。媒介もそうだし。

薄葉:
変わったかんじのちょいオサレキャラを5個くらい描いて出して、一番おかしいのが採用された記憶があります

いわた:
おかしい=素敵。でもツインテールだって知ったのはずっと後だった。

薄葉:
あの髪型はほんと今でも憎いです。自分で髪の毛いじったりして「あーできるできる」ってさくっと描いたらものすごく動かしづらくて......。ツインテールといってもあの形を作るために二つにわけてくくってる、という感じなので、気づかなくて当たり前だと思うんですが、ちょっと意識してないとバランスがまったく取れないんです、本当に面倒くさい。

いわた:
でも薄葉作品にはああいう飛び道具的容姿の人が絶対いなきゃダメだって思い込みがあるかも、私の中に。

薄葉:
頭の中でなんとなーく髪の毛をいじったり衣装を着せ替えたりしてると出来る感じですね。なので、大体のパターンとしては、実際に出来るから描けるだろ、で突貫したら、逆にイラストでは描きづらくてたまらないっていう。

いわた:
自業自得ということですね(笑) で、アルバロといえば印象的なのがマカロンなんですけど、初出の。なんかあれのとき、ものすごい言い訳をしてマカロン買ってたでしょ(笑)

薄葉:
買ってました。とりあえず食べとかなきゃね!って

いわた:
「私たちはリアリティを追及するために本物を味わうべきだ」とかなんとか言ってお取り寄せ注文してたのが、もうおかしくてたまらなくて(笑)

薄葉:
おいしいマカロンなんて普段食べる機会はないけど、これは資料だから仕方ないよね!という大いなる言い訳がありました。一応私欲以上に得たものは大きかったんですよ。女の子の手で掴んだときこのくらいの大きさかー、とか。質感はアニメ塗りっぽい塗りで表現するとこんな感じかな?とか。

いわた:
あれ、なんでマカロンになったかというと、広場の背景を作ってもらったら噴水の前に変な屋台があって、「コレ何?」って聞いたら「マカロンの屋台というものがあって」と説明されて。そういやマカロンって最近よく見かけるなあと思ってそのまま採用しただけなんですけど(笑)

薄葉:
ルルとマカロンっていうのがまたピッタリきましたしね

いわた:
うん。なんかすごく世界観を象徴する必須アイテムになってて笑ったけど(笑)

薄葉:
ドレスとコルセットの次に食べ物を書くのが好きなので、お菓子描かせて貰えるのはもう至福です。

いわた:
でもマカロンは実際本当に甘いし、甘いものが苦手な子には辛いと思います。......というところで、甘いもの苦手なエストにいくわけですよ。(笑)

薄葉:
エストは甘いものというか食べる事そのものが苦手っぽいですね

いわた:
あー、そうですね。というよりそれ、生きることが苦手なんですよ。私がよく食べるシーン書くのは、結局食べる=生きることだからってのがあって。

薄葉:
ああ、なるほど。

いわた:
でも完全に食べることに興味がないんじゃなくて......ほら、ルルを避けようとして食欲がないって切り捨てたところで思いっきりお腹鳴らすシーンがあるじゃないですか(笑) あそこがすごくエストを象徴してると思うんですよ私。

薄葉:
さっきの食べる=生きるで言うと、生きたくないフリをしてますよね

いわた:
うん。多分エストってキャラがもっと年上だったら絶対ああいうことはしないと思うんですけど。もう、その、14歳って年齢がね! 私たち14歳って年齢に興奮しすぎてたよね......。薄葉さんたちの描くエストを見ながら毎回毎回「なんだこの異常なまでの【ひざこぞう】へのこだわりは」と思ってました(笑)

薄葉:
でも実は露出してる【ひざこぞう】にはあんまり萌えないんですよね。

いわた:
覆われてるのがいいと。

薄葉:
肉の薄い貧相で硬い足のアウトラインが、大きめのズボンの下から見えてるのが良いみたいです。

いわた:
また変態くさいこと言ってますね......(笑)

薄葉:
男性キャラに関しては骨格とかが絡むとフェチになりますね。(笑)

いわた:
どうでもいいけど、あの髪についてるエビフライってどこからきたの?(笑)

薄葉:
ああ、コーンロウっていう髪型が好きなんですけど、頭皮見えてるのはさすがにどうかと思って上の方だけちょいちょいと結ったような感じにしてみたら、ちょっと寂しかったんです。なのでビーズを編みこみながら結ったらこんな感じかな?と思ってなんとなーくつけてましたね。

いわた:
......あれですよね。私たちお互いに、「なんか降りてきた」とか「手癖」とか「なんとなく」とか多すぎる気がしますよねほんと。(笑)

薄葉:
深い事考えながら作るとだいたいボツになるんですよね。

いわた:
それはそうだ。なんかピンと来ないんですよ、何故か(笑) いいからもう好きに作ってよって言って作ってもらうと大抵一発ですよね

薄葉:
何となくで作ったもののほうが、その他との兼ね合いを自然にとってるから良いに決まってるんですけど、一度目はだいたい失敗しますね。そのかわり深く考えたせいでそのキャラを作るのに必要な要素がだいたいわかるので、それを元にして次は何となくで考えてみるっていうパターンが多いです

いわた:
あ、そうなんだ。私もっと本能的な問題なのかと思ってました。薄葉さんたちは塗りにしても絵の方法論にしても、とにかく論理的に考える人たちですよね。たまに本能が丸出しになってるときもあるんですけど(笑)、基本的には論理から入る感じ。だから、論理が発想を邪魔するときがあるのかなって。

薄葉:
デザインに関して3ステップくらいあるとすると、全部自由だとなんか駄目なんです。1・2ステップ目がある程度ルールで縛られてると、3ステップ目でものすごくフリーダムになれるんですが、最初から自由にしていいっていわれると駄目(笑

いわた:
そうなんだ。

薄葉:
放逐されるとなんでもしようとするので、ディレクターさんとかライターさんから「これはしないで。これはOK」って言われてある程度ルールを学ぶとどんどん進むんです。

いわた:
あー、私のラインはそこすごいわかりやすいかもしれないですね。

薄葉:
そうですね、ワンドに関してはユリウスの制服が決まるまでが長くて、そこから早かったじゃないですか

いわた:
うん。マッハでしたね。基準ができればあとはどこまで遊べるかですからね。

薄葉:
そうですね、ルールで縛ってもらった上で、その中で好き放題するというのが向いているみたいです。

いわた:
そっかー。ある意味すごくありがたい原画さんだなあと思います(笑)

薄葉:
たとえばバンドの衣装とかで、みんな同じコンセプトと生地を使って、メンバーに合わせたアレンジとかをする、ってあるじゃないですか。あと、全員バラバラでも世界観を合わせるとか。ああいうのは大好きなんですけど、「とりあえず全員かっこよく素敵な感じにしてね」って言われると駄目なので、その場合は自分でルール作るしかないです。

いわた:
あ、でもそれは少しわかります。自由に遊ぶのはいいけど、必ず統一感ってのはなきゃいけないし。あくまで同じ世界に生きてる人として成立してなきゃならない。そこいくと、すごい面白いですよワンド。だってユリウスとかとエルバート先生並べても、ちゃんと馴染んでますもん(笑)

薄葉:
魔法に関わりの薄い人は現代服っぽいといっても、ある程度そこにもルールがあるんですよねワンド。正装とかスーツとかそういうの以外は正直ちょっともっさいんじゃないかと思います。私服とかはルームウェアなので、もさっとしてるのは当たり前なんですけど、あれ以上かっこよくなることも、たぶん礼装方面にいかないとないんじゃないかと思いますよ。現代は現代でもどちらかというと近代なので

いわた:
うん。あんまりエッジの効いたかっこよすぎる服装はなさそう。

薄葉:
アルバロだけはちょっとルール無視してますけど。

いわた:
アルバロはキャラがああだから許されるんですよね。本人の設定ごと無軌道だから。

薄葉:
路地裏とかにある、その世界観の中ではちょっと痛めのはっちゃけた服を売ってる個人ブランドの店とかで買ってきてるイメージです。本当はノエルが着てるみたいな「小奇麗な服」が正解とされる程度の世界なので。

いわた:
うんうん。ノエルは絶対枠から外れないですからね。小心者だし、なんだかんだで育ちがいいから。

薄葉:
そうですね。だから私服をばーっと並べてみて奥様たちに反応をうかがったら、一番人気なのはノエルだと思いますよ。

いわた:
おばちゃんにモテモテか。果たしてそれをうれしいと思うかどうかはわからないですけど、よかったねノエル!!(笑)

薄葉:
アルバロとか「何この子」って見られると思います(笑)

いわた:
アルバロはそれが快感なんだからいいでしょ(笑)

薄葉:
そうそう。だからきっと変な服いっぱい持ってますよ。

いわた:
なんか服のことだけで何時間でも語れそうな勢いだなあ......(笑) でもまあそろそろ作業に戻らなきゃいけないんで、この辺でまとめましょうか。えーと、この限定版を敢えて買ってくださった皆様へ!みたいな。

薄葉:
ドラマCDが面白いので楽しんでください。

いわた:
言うと思ったんだそれ......(笑) まあ、ドラマCDはいつものことながらカオスですからね。ノエル殺人事件(笑)

薄葉:
殺されてないのに殺人と銘打たれてる理由は、本編聞いていただくと解りますよね。製作側がノエルの生存を無視したように、キャラクターたちが無視しているので。

いわた:
あれノエルは心を殺されてるからあながち間違いじゃないですよ。性格には【ノエル殺心事件】です。(笑)

薄葉:
ノエルの心は108つあるので大丈夫だと思ってます。ユリウスに既に半分くらい砕かれてるので後がないかもしれませんが。

いわた:
知らなかった! あと半分は私が砕いたような気もしなくはないけど!

薄葉:
じゃあ一万個くらいにしておきます

いわた:
まああいつは死にませんよね。

薄葉:
ユリウスにデイリーでケンカ売り続けられるあたりで強い子なんです

いわた:
うん。あんな疲れる子にね。......やばいやばいですよこの流れまたノエルいじりで終わりますよ!(笑)
そんなわけで、えーと、えーと、皆さんゲームもドラマCDも資料集も楽しんでください......みたいな......(笑)

薄葉:
そんな感じです。。

いわた:
以上、お疲れ様でした!!(笑)

薄葉:
おつかれさまでした。


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本当に、お疲れ様でした!!
今度こそ本当に以上です。





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