夏空のモノローグ その5

オトメイトスタッフブログをご覧の皆様、こんにちはー。
【夏空のモノローグ】担当、デザインファクトリーの一(にのまえ)ジョーと申します。

第5回更新となります。
5回です、倍にすれば10回ですよ。(え)

さて、
今回は前置き短く、さくっと本文へ移行しようかと。
なにぶん、盛りだくさんな内容なもので~……。

ではでは、情報目白押し!
【夏空のモノローグ】blogスタートです~。



まず、ご報告をしようかと~。
【夏空のモノローグ】……開発が終わりました~!
ご期待していただいている皆様に、必ずや満足していただける出来かと……!
皆様それぞれ攻略したいキャラがいるかと思いますが、
ジョーは全てのキャラがオススメです。
この夏一番の涙腺崩壊を体験してください!

また、この場を借りて
超人的スケジュールについてきてくれたスタッフ一同に感謝です……!
みんな、ありがとうー!

そして、もう1つ。
前回の第4回ブログにて告知していましたが、
当【夏空のモノローグ】ブログは今回より、
毎週更新へと変わりました!
今後ともよろしくお願い致します~。



さあ、開発終了のお知らせが終わったところで、
【夏空のモノローグ】最新情報をお届けしたいと思います。
『夏空最新情報』へ~。

■B's-LOG様
5月20日発売号、皆様お買い上げいただけましたでしょうか?
今号にも描きおろしの見開きイラスト、そしてssが掲載されていますね~。
どちらも科学部での日常、その一辺が垣間見られるものとなっています。
LRCシステムなどのイベント情報も掲載していますよ。

更には、
木野瀬一輝 役 : 阿部敦  様
加賀陽   役 : 高橋直純 様
両名の収録直後のインタビューも掲載されています!

■公式サイト
公式サイト 6月4日更新の先行告知&既存情報です!
・『キャラクター』
・『土岐島観光案内』
・『システム』
・『ミュージック』
・『スペシャル』


・『キャラクター』
こちら先行告知です。
イベントCGが追加されますよ~。
今回は、木野瀬・篠原両名に追加されることになります。
ご覧になってくださいませ!


・『土岐島観光案内』
こちら先行告知です。
同じく、観光案内が追加されます。
今回紹介してくれるのは……おっと、ミステリアスな少年・綿森君です。
紹介してくれる場所についても、どうやらなにか知っているようですが……。
彼は物語中にどのようにして関わることになるのか。
ご自身の目でお確かめください。


・『システム』
LRCシステムの概要が追加されています。
こちらも要チェック!です。


・『ミュージック』
6月4日の更新内容の告知になりますが、BGMがさらに1曲追加されます。
日常の中の明るさを示した曲となっています。
とてもよい曲ですので、是非お聞きください。


・『スペシャル』
こちらは既存情報ですが、遂にスペシャルが公開となりました!!
ジョーが前々から企てていた≪体験版≫プレイしていただけたでしょうか?

web上での機能のため色々と制限がかかってはいますが、
少しでも夏空の雰囲気が伝わればと思っています。
是非是非、1度プレイしていただければと思います~。

同じく、スペシャル内にてOPムービーが配信されています。
こちらもジョーオススメです!
夏物の爽やかさが全開となっている、cocua 様の『ナツソラ』です。
ムービーも爽やかさを重点においた演出となっていますので、
どうぞご覧になってください!
 


と。
宣伝・紹介が一段落ついたところで、今週のスタッフ紹介へと移ります~。
今回ご紹介させていただきますのは、
【夏空のモノローグ】の『雰囲気主体』な世界感にあうように
システムグラフィックなどを一手に担うT.Sです!
タイトルロゴなども彼が作成してくれているんですよ~。
では――バトンタッチ。


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こんにちは、システムグラフィックを担当したT.Sです。

今回『夏空のモノローグ』では、システムグラフィックを極力シンプルにして、
反対にキャラクターや背景などのグラフィックを目立たせることをコンセプトにデザインしました。

カラーも夏空をイメージして青や白をメインに、作品の雰囲気にあった
すっきりとした爽やかな画面にしました。

こういったシステムグラフィックのイメージが、オープニングムービーや公式ホームページなどにそれとなく反映されているのを見ると、製作者としてとても嬉しく思います。
どちらも作品のイメージにピッタリな素晴らしいものになっているので
まだ見たことないよっという人は是非チェックして見て下さい!

さて話は変わって、
ただ今『夏空のモノローグ』の公式ホームページでは、
本編を少しだけプレイできる体験版が公開されています!
みなさんプレイして頂けましたでしょうか?
自分も早速プレイしましたが、担当したシステムグラフィックはほとんど登場せず……あ、あれ?
ま、まあ体験版ですからね!
キャラクター達の賑やかな楽しい雰囲気を味わえただけで十分です!
まだプレイしていない人は是非この機会に【夏空のモノローグ】に触れてみて下さい。
よろしくお願いします!

では、最後に同じく体験版には出ることができなかったこのお方を
描いてみました!


wata_kao_blog.jpg
えっ!? 誰って…綿森君です!
綿森といえばこの含み笑い! ……と自分は勝手に思っているのですが。
彼のこの表情に一体何が隠されているのか?
気になります!

というわけで、
今回はこれにて、長々と失礼しました。
今後とも『夏空のモノローグ』をよろしくお願いします!
それでは。
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T.Sありがとう!

おおっ……。
綿森の唇、急接近。
いきなりのキスイベント?


さてスタッフ小ネタ――ああ、いえいえ、スタッフ紹介も終わり、
いつもならここでブログ終了なのですが、
今週からブログでのみ読むことの出来る、
書下ろしssが掲載されていきます!

体験版をまずはプレイしてみてください。
このssはループする7/29、その中のワンシーンとなっています。

毎週違ったテーマによって、
【夏空のモノローグ】の世界を紹介していく形となります。
ギャグもあればシリアスもあり……これらもまた、
紛れも無い【夏空のモノローグ】の一部ですので見逃すことなく、
毎回読んでいただければ幸いです!

それでは早速ですが~……夏空webss第一回、スタートです!


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【連載webss第1回 木野瀬一輝と笑顔の練習】

夏の午後。

強烈な日差しが降り注ぐ校舎の屋上へとやってきた。

このクソ暑い中、日陰ゼロの屋上にやってくる物好きはそういない。

ここなら人目を気にする必要もないだろう。

そう。これから行うことだけは……家族にさえ知られたくはない。

持ってきたブツを足下に置き、じっと見つめる。

『愛嬌 ―誤解を避けるために―』

『ハムスターに学ぶ 賢い愛され方』

『笑顔ひとつで人生は変わる 僕の笑顔入門』

そして手鏡。

「……完璧なラインナップだな……」

ものは試しだ。

俺は笑顔を浮かべて手鏡を覗いた。

「き、気持ちワル!」

思わず呟いた自分の言葉に心をえぐられ、思わずその場にくずおれた。

繰り返す7月29日。

夏期講習3時限目、古文の授業で俺はいつも自らのコンプレックスに直面する。

『木野瀬! なんだその目つきは! 内申点下げるぞ!』

お、俺はただ授業を聞いてただけだ。

それなのになぜか教師に誤解され……そんなに怖いのかよ、俺の顔。

授業中のことを思い出して、深くうなだれる。

そんなとき、ふと鏡に自分の顔が映った。

「コワ! 落ち武者の霊!?」

自分の声にまた深く傷つく……落ち武者って。

「いやいや! そんな現状を変えるために、今努力しようとしてんだよな。落ち込んでどうする」

拳を握り、俺はひとつうなずいた。

大きく深呼吸し、右手に手鏡を持ち、左手で本を開く。

こういうとき、ループする日々は好都合だ。時間ならいくらでもある。ここで俺は人生を変える!

「まずはよい笑顔を作るために顔の筋肉をほぐす……か」

かすかに聞こえるセミの声をBGMに、俺は笑顔の特訓に取り掛かった。


30分後――。

「木野瀬先輩! 隣町の高校に討ち入りってマジっすか――うわ! 極悪!」

騒々しい声に振り向けば、そこには科学部の後輩、カガハルが恐怖の表情を浮かべていた。

「なんすかその……悪魔が悪だくみしてるような顔は……」

「ほっとけよ!!」

何をしにきたのかと聞いてみれば――。

俺が犯罪的な何かをしでかそうとしている。

思いつめた表情で校舎を歩く俺の様子から、そんなデマが広まっているらしい。

カガハルは俺を止めようと、校舎中を走り回っていたようだ。

「俺は……俺はただ、悩みながら歩いてただけなんだ……」

「き、木野瀬先輩? そんなに落ち込まないで……」


40分後。

「木野瀬! 殺人だけはやめるんだ! 俺の教師人生が終わっちま――気色ワリい表情だな!!」

「……先生……教育者としてそれは……」

「な……なんだその顔……まさかもう殺っちまった?」

「殺ってねーし、殺る予定もねーっすよ!!」


1時間後――。

「き、木野瀬くん!! 傭兵になって戦争に行くってほんとなの!?」

「今度はお前かよ! というかその話を信じたのかお前は!!」

屋上の出入り口には、我が部唯一の女子部員の姿が……。

彼女は俺の顔を見るなり、真っ青になった。

「木野瀬くん……なんておそろ……ユニークな表情をしてるの……」

言い直された……。

悪気がない分、こっちの傷も深い……。

「木野瀬先輩、泣かないでください! 先輩の顔が怖いのは昔から!
 今さらどうにかしようとする方が無理なんですよ!」

「そ、それでフォローのつもりなのか」

震える声でそう言った。

ああ、視界が曇る。

「まあよ、人間、顔じゃねえから。
 あーなんだ、ちょっとくらいその……顔が怖くても……人生捨てたもんじゃねえよ?」

とかなんとか言う先生の視線は、ありえないくらいあちこちをさ迷っている。

とりあえず慰めておこうという魂胆が透けて見えます、先生……。

そして――。

「あーんしんしたまえ! 木野瀬一輝くん!!」

今この瞬間、最も聞きたくない声が午後の屋上に響き渡った。

幻聴ならよかったのだが、残念なことに声の主は出入り口の上にいる。

夏の空を背負い意味もなく仁王立ちの、よく見知った男がひとり。

バカは高いところが好きという言葉が、これほど似合う男はいないだろう。

「部長……」

「他の何者でもないこの僕が! かわいい部員の悩みを聞いてあげようではないかっ!」

全身から力が抜ける。

科学部部長、沢野井宗介。

彼が関わって、解決した問題はひとつもない。

総じて事態は悪化する。

それも想像の限界を超えて……。

泣きっ面に蜂とはまさにこのことだ。

「とうっ!!」

部長はそう叫んで昇降口の屋根から飛び降り――。

たりはせずに雨どいを伝ってゆっくりと屋上に降り立った。

「木野瀬一輝くん! 僕に名案がある!」

「……部長の名案ですか?」

部員+先生の不安そうな視線を全く気にしていないかのように、
部長はゴソゴソとポケットから小瓶を取り出した。

「『さわやか笑顔獲得錠剤』!!」

「な……なんすか、その都合のいいネーミングは」

引き気味の一同を代表してカガハルが尋ねると、部長はますます得意げに胸を張った。

「思い知ったか科学の力を!!」

「……もう魔法の領域だな……」

先生の言葉など聞こえないかのように、部長は小瓶を高々と持ち上げる。

「ふふふふ! これは僕がさる筋から手に入れたクスリ!
 某大国の最先端宇宙技術が使われているのだそうだ!!」

「某大国の最先端宇宙技術……途端にうさんくさく……あ! そう言えば!」

何かに気付いたように、先生が突然白衣の内ポケットから
いかがわしい感じの雑誌を取り出した。

「そ、それは……男性向け青年誌! いきなり何を取り出しやがるんですか!」

「……先生、そういうのに興味があるんですか……」

カガハルが驚き、彼女は真っ赤な顔で目をそむけた。

「学校に持ってきた生徒から取り上げたヤツだ。
 誤解すんじゃねえよ。確かこの235ページの広告に……」

「熟読してやがる……」

「こんなのが教師って、世も末だな……」

「いやだから本題はそこじゃねえんだよ。見ろこの広告を!」

先生の開いたページを男子2名がのぞき込み、
女子1名は背を向けつつもちらちら様子を窺っている。

「ああ、こ、これは! 『さわやか笑顔獲得錠剤』!!」

「な? どこかで見たことがあると思ったんだ」

「部長……そのクスリをどこで手に入れたんですか?」

「ふむ! ネットを調べているときにたまたまな! いやー! 高い買い物だった!」

「お前、完全に騙されてるぞ……」

呆れ果てたような先生の声に部長は首を振り、その手から雑誌を奪い取った。

「しかしここに証拠がある! 見よ! このビフォアーとアフターを!」

部長が差し出したページには……。

凶悪な顔をしたビフォアーの男が、アフターの写真ではさわやかな笑顔を見せていた。

「な……なんという説得力……まるで別人だ……」

「いや、本当に別人っすよ」

カガハルのツッコミも最早大したことには思えなかった。

まさか、本物なのか?

俺はふらふらと部長の持つ小瓶に吸い寄せられていく。

本物だとしたら……これでようやく忌まわしいこの顔とも別れることができる。

ただ歩いているだけで警察に声をかけられたりしない……。

電車でお年寄りに席を譲るとき、怯えられたりしない……
そんな生活が俺を待っている!

「さあ、試してみるがいい、木野瀬一輝くん!」

部長の声に誘われるまま手を伸ばそうとして……。

その手を引き留めたのは、彼女だった。

「ぜ、絶対やめた方がいいよ、木野瀬くん!」

彼女は真剣な顔で言った。

「な、なんでだよ、お前だってこんな、おそろ……ユニークな顔の男がそばにいたら嫌だろ?」

彼女は慌てて首を横に振った。

「さ……さわやかな笑顔になったら、木野瀬くんじゃない気がして」

「おう、若干傷つくぞ」

「ご、ごめん! でも、なんて言うか……
 そんなに無理矢理変わらなくてもって思ったから……」

彼女は弱々しく笑って、それから腕を放した。

「わかったよ。そこまで言うなら」

彼女を見ているうちに、クスリなんかどうでもよくなっていた。

いや、ほんとは多少の未練はあるけれど――。

「木野瀬くんの顔は確かに怖いけど、私はとても木野瀬くんらしいと思うんだ」

こいつがそう言うなら、やめておこう。

「あ、あれ? クスリはもういいのかね?」

「そんな怪しげなもん捨てちまえ」

そんなことを言いながら、先生は部長を引っ張って校舎へと戻っていく。

「さすが俺の先輩ですね!
 俺も木野瀬先輩のさわやかな笑顔なんてアリエナイと思ってたんだ!」

「うるせえよ!」

俺の返しに、カガハルは楽しそうに笑う。

ヤツは歩きだそうとして、ふと立ち止まり俺を見る。

「2人とも、これから部会ですからねー。遅れないでくださいよ!」

そう言ってカガハルも去っていった。

残された俺と彼女は互いに目を合わせる。

「行こう。木野瀬くん」

彼女は俺を見て笑顔で言った。

懐かしい笑顔だと、俺はどこかで考えている。

「……どうしたの? 木野瀬くん」

「いや、なんでもない」

誤魔化すように少し笑う。

結局、いつもと変わらない1日になりそうだ。

「……まあいいか。別に、それでも」

俺は彼女に促されるまま、屋上を後にした。
 natsuss01.jpg

natu_line01.jpg


いかがでしたでしょうか?
木野瀬のような悩み――コンプレックスというのは
誰しも持っているものかと思います。

それを気兼ねなく話し、相談できるような仲間がいるということは、
とても幸せなことだとジョーは思います。


さて、今週のブログはここまで!
また、お土産もいつも通り置いてゆきますので、
ご自由にお持ち帰り下さいませ。
それではまた次回、皆様とお会いできることを願いまして――。


―ジョーでした。



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