オトメイトスタッフブログをご覧の皆様、こんばんわー。
【夏空のモノローグ】担当、デザインファクトリーの一(にのまえ)ジョーと申します。
第12回更新です。
いよいよっ!
発売まで10日をきりました!
今月 7月29日発売 【夏空のモノローグ】!!
皆様、宜しくお願いします!
しつこく言います!
7月29日発売 【夏空のモノローグ】!
7月29日発売 【夏空のモノローグ】!!
7月29日発売 【夏空のモノローグ】!!!
それでは更新いってみましょう!
本日の【夏空のモノローグ】blogスタートです~。
『夏空最新情報』
今回は新規&既存情報となります。
■B's-LOG様
皆様、今月号はGETしていただけましたか?
ろく丸、描きおろしイラスト & オリジナルss掲載、
更に1ページ目にも葵&木野瀬のイメージイラストが掲載されています!
今回のssは葵と綿森の意味深な会話。
ツリー広場にて綿森の語る言葉の意味とは、
そして葵の見せる反応の理由とは……?
更に今月号には編集部様による先行プレイメモが掲載。
【夏空のモノローグ】をもっと知りたい! という方にはオススメです!
そして、3号連続キャストインタビュー。
今回のインタビューは
浅浪皓 役 / 井上和彦 様
綿森楓 役 / 岡本信彦 様
のお二人の収録直後の生の感想が掲載中です!
【夏空のモノローグ】の魅力をしっかりと伝えてくれること間違い無しです!
■オトメイトSQUARE
インターネットラジオステーション<音泉> にて、
7月は≪夏空のモノローグ特集≫が行われています。
ゲストとして木野瀬一輝 役 / 阿部敦 様も出演されています!
【夏空のモノローグ】収録時秘話も話されているので、
チェックしてみてくださいね!
特集第1回はすでに放送中、
特集第2回は今週末、23日(金)に放送予定です!
■公式サイト
各店舗様の予約特典ドラマCDが公開されています。
限定版を予約すれば、更に限定版ドラマCD&予約特典、合計3本の
ドラマCDがゲットできます!
是非是非、各店舗様をチェックしてくださいね!
また、上記オトメイトSQUARE放送日でもある、23日。
公式サイトでは《夏空のモノローグ製作秘話》が公開されます。
今回はこちらでは大きく触れませんが、
次回こちらのスタッフブログでも紹介させていただくかと思います。
更に同じく23日、《スペシャル》項目内にて特製壁紙が公開されます!
今までのものとは一味違った魅力溢れる壁紙をご用意していますので、
この機会に是非手に入れてくださいね!
■オトメイトモバイル
夏空のオープニングムービーが、オトメイトモバイルで
何と無料で配信開始されています。(8/10まので期間限定)
キャラクターイラストの待受画像も配信しています。
これでゲーム発売日まで、いつでも夏空の雰囲気が味わえます!
あと、ゲーム発売日にはろく丸の描きおろしイラストの
待受配信もあるので、そちらもお楽しみに!
以上、『夏空最新情報』でした~。
さてお次は、毎週書き下ろしssです!
体験版をまずはぜひプレイしてみてください。
そうすることによって、よりこのssが楽しめるようになるハズです。
毎度毎度違ったテーマによって、
【夏空のモノローグ】の世界を紹介していく形となります。
ギャグもあればシリアスもあり……これらもまた、
紛れも無い【夏空のモノローグ】の一部ですので見逃すことなく、
毎回読んでいただければ幸いです!
今回のお話はみんなでわいわい勉強会。
まあ、定期試験でいわゆる『レッド』なんか取ってしまった日には、
『課題』とか『課題』とか『課題』とかありますとも!
ジョーにもありましたよ……そんな時代!(遠い目
それでは早速……夏空webss第8回、スタートです!
【連載webss 第8回 7月21日】
旧校舎の教室を覗き込み、油断なく内部を確認する。
宙に浮いた埃が光を受けて輝いているばかり。
静かなものだ。
……よし、誰もいない。
「カガハルくん、大丈夫みたい」
私は廊下にいたカガハルくんを手招きして、教室に入り込んだ。
「ここなら静かに勉強できるね」
「先輩と無人の旧校舎に2人きり……これは神が与えたもうたチャンスなのか。いやまさか!
俺の愛を試そうというのか!! 神よ!!」
なぜかカガハルくんは手を組んで天井を見つめている。
「……あの、カガハルくん?」
「ああいや! な、なんでもありません! やりましょうか! 勉強!」
カガハルくんはいそいそと机を引っ張り出してくる。
優雅な仕草で白いハンカチを取り出すと、椅子に敷いてみせた。
「ええと、カガハルくん? これは?」
「埃の積もった椅子に先輩を座らせていいはずありません! どうぞ、この上に!」
……お心遣いは嬉しいけれど、さすがにそれは気が引ける。
私はハンカチを拾い上げると、丁寧に畳んでカガハルくんに返した。
「ありがとう。でも、人のハンカチをおしりに敷くのはちょっと……」
「……先輩、あなたって人はなんて……遠慮深く、思慮深く、おまけになんて麗しいんだ!!」
カガハルくんの言葉に、私は曖昧に笑ってみせる。
カガハルくんの冗談やからかいには、いい加減慣れている。
「さ、勉強しようか、カガハルくん」
「先輩……最近、スルースキルに磨きがかかってません?」
「うん。カガハルくんのおかげだよ」
カガハルくんががっくりと机に伏した。
「……違うんです。違うんですよー……先輩のそんなスキルを成長させたいわけじゃないんですよー。
でもそんな先輩が好きです……ラブ」
落ち込んでいるときでも冗談を忘れない彼のユーモアには、本当に頭が下がる思いだ。
おかげで、彼といると退屈しない。
それに……冗談でも褒められれば、やはり嬉しい。
「ほら、カガハルくん。勉強勉強。せっかく来たんだから」
「うえーい」
私の言葉に、カガハルくんは気の抜けた声で応えた。
私たちがなぜこんなところで人目を忍んで勉強しているのか。
それを説明するのは中々難しい。
複雑でドラマチックな展開を乗り越えた末に私たちはここにいるのだけど。
ここまでの流れをむりやり一言で表すなら、【期末テストで赤点を取ったから】だ。
来週には2次テストが行われる。
その結果によっては、なんともう一度同じ学年をやり直さなければいけないらしい。
科学部の頭の悪い方(篠原くん命名)という座右の銘を独占している私とカガハルくんが、
互いを励まし合いながら勉強することにしたのは、極めて自然な流れと言える。
勉強なら部室で、とも考えたのだけれど、そうもいかない事情があった。
浅浪先生の存在である。
記憶を取り戻して間もない頃、
教室になじむことができなかった私は保健室に登校していた。
その私の勉強を見てくれていたのが、先生だ。
科学部を紹介してくれたのも先生。
先生は私の恩師とも言うべき人だから、
赤点を取ってしまったなどというみっともない事実を知らせたくなかったのだ。
だから――。
「先輩……? せんぱーい!」
「え? あ、あの、なに?」
「ぼうっとしてちゃダメですよ。勉強しなきゃ、勉強」
「あ……うん、そうだね」
お互いにうなずきあい、教科書を開く。
しばらく、互いに無言でノートに向き合い。
ふと顔を上げると、カガハルくんと目が合った。
カガハルくんは驚いたように目を丸くして、それからすぐに視線をそらした。
「ぼうっとしたらダメだよ。勉強しなきゃ、勉強」
さっきまでの仕返しにとそんなことを言ってみる。
カガハルくんは笑って、そうですよね、なんて答えた。
けれど結局手は動かず、ノートを見つめたまま、何かを考え込んでいるようだった。
「カガハルくん、わからないところでもある? 教えようか?」
「ああいえ、そういうわけじゃ……」
「遠慮しなくてもいいよ。これでも2年生だし、1年生の科目なら少しはわかるんだから」
まあ赤点取っちゃうくらいだから、あんまり信用はないかもしれないけど。
そう言って少し笑った。
いつものカガハルくんだったら、何か冗談を返してくれると思っていたんだけど……。
カガハルくんは硬い表情のまま黙り込んでいる。
今日のカガハルくんは全体的に、どこかおかしいような気がする。
「ねえ、どうしたの? 具合でも悪いの」
「あの……先輩。俺……実は……」
カガハルくんは真っ直ぐに私を見つめる。
「実は、俺……」
「じ、実は?」
彼の真剣な声に思わず姿勢を正したとき。
「ゴホン! ゴホンゴホン!」
「うぉおおお!!」
突然割り込んだ咳払いに、カガハルくんは思い切り椅子を引いて立ち上がる。
私も少し驚いた。
「木野瀬くん……どうしてここに?」
「ああ、部室に行ったら、お前たちがテスト勉強してるって言うから。
手伝おうかと……邪魔だったか?」
「帰れー! 邪魔だー!」
「カガハルくん、人の厚意に対してそんな言い方はないよ」
「い、いや……それはそうですけど……」
「ぜひお願いします。今ね、ちょうどわからないところが出てきて」
「ふーん。古文か」
「うん、ちょっと難しくて……この問題なんだけど」
「どれどれ」
「うぉおん……せっかくの機会だったのに……」
カガハルくんが土気色の顔で、机に伏した。
さらに20分後――。
「……部室に誰もいないと思ったら、こんなところで何をしてるんですか」
「し、篠原くん? どうしてここに?」
「必死でテスト勉強をしていると聞いたので、どれだけ無駄なあがきをしてるのか見に来ました」
「ウソつけてめー。部室に人がいなくて寂しくなっただけだろー」
「……黙れカガハル」
そして40分後――。
「カガハル、なんで同じ問題で間違えるんだ。ここはさっきの応用で解けるだろ」
「畜生……なんで俺は篠原に勉強見てもらってんだ……屈辱だ……」
「ふーん。留年したいなら、ひとりであがけば?」
「あ、あ、ウソです! よろしくお願いします!」
「わかればいいんだ」
そんな2人のやりとりを見て、私も頑張ろうと決意を新たに問題に取り組むのだけど……。
「いきなり難問が……」
「どれ……ん? あれ? どう……解くんだ」
「ね、難しいよね」
「……どうしたんですか? 木野瀬先輩」
「いや……この数学の問題がわからないんだ」
その言葉に篠原くんはしばらくノートを睨みつけていたけれど、やがてため息と共に顔を上げた。
「……これは、確かに僕にもわかりませんね」
「部長さんならわかるかな」
「わかるだろうけど、俺たちにわかるレベルの説明はしない気がする」
なるほど、とうなずきかけたとき――。
「科学部部長、沢野井宗介参上!! 僕の名前を呼んだかね!!」
「いえ……呼んでないです……」
木野瀬くんのかたい声を無視して、部長さんは私のノートを覗き込む。
「ふむ! 先ほどから悩んでいるのは、この数学の問題かね!」
「……盗み聞きしてたんすか?」
カガハルくんの言葉に、部長さんはわざとらしく口笛を吹いてみせた。
「出てくるタイミングをずっとうかがってたんですか? 部長」
篠原くんの言葉にギクリと身体を固まらせる。
「……だって、部室に行ったらみんないないしだな……ここにいるって言うから来てみてたら、
僕がいなくても楽しそうだったりしてだな……」
子供みたいなことをとても悲しそうに言った。
「あ、あの! 部長さん、ここの問題を教えてくれませんか!」
慌てて言うと、落ち込んでいた部長さんが途端に胸を張る。
「ふむ! この僕に教えを乞うか! いいだろう! 求めるならば与えよう!」
部長さんは問題を一瞥した瞬間、ノートに答えを書き記していく。
いつの間にか、みんなが部長さんの周りに集まってくる。
みんな一様に苦笑いだ。
「君の求める真実がここにある!」
そう言って、力強くノートを指さした。
「……あの……答えではなく、できれば過程を教えていただければと……」
「このよくばりさんめ! だがその向学心は気に入った! 特別に教えよう、過程はこうだー!!」
部長さんはノートにものすごい勢いで殴り書きしていく。
けれど……。
「どうだ! これが過程だ!」
「……部長、読めねえっす」
カガハルくんの言葉に、みんながうなずいた。
「勢いよく書きすぎなんですよ」
「えぇい! 篠原涼太くんまで何を言っている!
大体みんな、少し注文が多いぞ! 請われて教授しているというのに、なんだその態度は!」
部長さんの言葉に、みんなが色々言い出した。
いつもの風景だなあと思っていたとき、ふと思い出した。
「あのう……みんな誰に聞いて、ここに来たの?」
木野瀬くん・部長さん・篠原くんが顔を見合わせる。
「「「そっちの人から」」」
指さしたのは私の背後。
「そう、俺からだ」
振り向けばそこには……浅浪先生がにこにこと笑いながら立っていた。
「せ……先生!」
「よう、真面目に勉強やってるか?」
「バレバレだったんすね……最初から」
「ああそうだカガハル。お前をこいつと2人きりにすると、
教師として見過ごせねえ事態が起きそうな気がしたんでな。
部員連中に居場所を教えたんだよ」
「なんで俺、そんなに信用ないの……?」
カガハルくんは先生の言葉にがっくりとうなだれる。
「……先生、す、すみません。今回はその……
た、たまたま身体の調子が悪くて、成績が……」
私が慌てて言うと、先生は小さくため息をついた。
「言い訳は聞かねーよ。結果は結果だ」
先生はそう言ってにやりと笑ってみせた。
「俺も手伝ってやるから、2次テストで先生方をびっくりさせてやれ」
「は、はい!」
「はーん。相変わらず先輩には優しいんですね。セクハラ教師」
「うるせえ。てめえの勉強も見てやるから、きりきり勉強しやがれ」
「俺も引き続き手伝うよ」
木野瀬くんがそう言った。
「……まあ、先輩が同学年になるのも微妙なんで、僕も見てあげます。
カガハルが後輩になるのは愉快そうですけどね」
篠原くんが視線を合わせずにそんなことを言う。
「うん。ありがとう」
「篠原、なんだてめえケンカ売ってんのかこのやろう!」
「おい、カガハル。お前はその無駄な元気を勉強にぶつけろっつーんだよ」
「ふはははははは!! この僕が、君たち2人を天才に仕立て上げてやろう!
そう! この僕のようにな!!」
「「それは遠慮しておきます」」
「なんでだぁああ!!」
まあ、全体的にこんな風に。
賑やかな時間は続いた。
楽しいやりとりに気を取られて、勉強の効率が上がったかどうかは微妙なところだけど。
でもやっぱり、みんなと一緒にいられるのは嬉しいし、楽しい。
こんな毎日がこれからもずっと続いていけばいい。
そう思って、ふと我に返る。
科学部は7月30日をもって廃部になる。
胸のあたりが苦しくなった。
部活がなくなってもみんなが消えてしまうわけじゃない。
そんななことはわかりきっているのに……。
廃部になってしまえば、
楽しくて明るい毎日がもう二度とやってこないような、そんな気がした。
「……先輩? どうしたんですか?」
カガハルくんが心配そうに私を見て言った。
私は笑みを作って、なんでもないよ、と答えた。
科学部廃部まで、あと8日。
これから先、彼女たちの絆はいったいどうなっていくのか。
その未来をあなたの目で確かめてください。
……いよいよ発売間近!
皆様、【夏空のモノローグ】をお楽しみに!
さて、今週のブログはここまで!
それではまた次回、皆様とお会いできることを願いまして――。
―ジョーでした。