皆様こんにちは。【薄桜鬼総合】担当、デザインファクトリーのいわたです。
今週は更新が遅れて申し訳ありませんでした……!
黎明録の発売記念記事は、もう見ていただいているでしょうか。
こちらにて、原画大集合や各スタッフのコメント、ワンポイント攻略情報などを載せて
おりますので、もしよろしかったらご覧ください。
今週のお知らせ関係は、下記にまとめてあります。
それぞれ詳細は、公式ページにてご確認くださいませ。
■「薄桜鬼 巡想録」公式サイト更新
ダウンロードコンテンツが更新されています。
11/4の配信予定は、千姫・君菊・天霧・不知火・南雲のカスタムテーマです。
■「薄桜鬼 黎明録」公式サイト更新
発売記念SS「黎明、来る月」が更新されています。
■「薄桜鬼 感謝祭」公式サイト更新
会場、イベント概要、チケットの販売方法などが更新されています。
今週はハロウィンウィークということで、各タイトルでもハロウィンにちなんだ企画を
ささやかながら掲載させていただいております。(他のタイトルもぜひ見てみてください♪)
というわけで、薄桜鬼は去年と同様、SSL設定でのハロウィンを少し書いてみました。
それでは、はじまりはじまり……!
* * *
今日はハロウィン。
私立薄桜学園の紅一点・雪村は手作りのお菓子を持って学校へと急いでいました。
「いつも皆さんにはお世話になっているから、お礼をしないとね。
でも、皆さんはどこにいるのかな……?」
お菓子をくれないとイタズラをするという、
ハロウィンの趣旨をすっぱり無視しているような気もしますが、
雪村にとっては今日は「皆さんにお礼をする日」になっているようです。
「だーーーもうおまえらにやる菓子はねえっつってんだろ!!」
突然、校門の方から叫び声が聞こえてきました。
慌てて駆けつけると、原田先生と永倉先生が生徒達に群がられていました。
……しかしよく見ると、ふたりはとても対照的でした。
「おいおい、今日は子供が菓子ねだる日だろ? 俺はいいから、おまえたちで食えよ」
「って何でおまえら左之にだけ菓子渡すんだよ! 不公平だろ!」
永倉先生は男子生徒達にお菓子をねだられていて、
原田先生はお隣の島原女子高の女の子達にお菓子を贈られていました。
かわいそうな永倉先生に蹴散らされて、生徒達が退散して行きます。
「原田さん、永倉さん。あの……
いつもお世話になっているおふたりに、お菓子を作ってきたんですけど……」
「何!? 女神だ……俺の目の前に今、女神がいるぞ……!」
「おまえの手作りか。
せっかく作ってもらったってのに、受け取らねえわけにはいかねえな」
永倉先生は飛び上がって喜び、
原田先生はお礼にと、雪村にお菓子をたくさんくれました。
昼休みには、大量のお菓子を抱えた沖田と藤堂に遭遇しました。
「ふたりとも、すごいお菓子の量……。これ、みんなもらいものなんですか?」
「今日は子供が、大人にお菓子をねだっていい日だからね」
「先生たちからがっつり巻き上げてきたぜ!」
ふたりは、一つひとつお菓子を差し出して説明してくれました。
「このチョコは、左之さんからもらったやつ! すげーたくさんくれたんだ」
「一つ十円の安物だけどね」
「こっちの赤いゼリーは、山南さんから! でもこれ、なんか変な匂いするんだよな」
「ああ、僕はそれいらないから。平助が一人で食べちゃっていいよ」
「そんで、このケーキが近藤さんから! すげえよな、奮発してくれたよな!」
「【今日は子供に菓子をあげる日だからな!】って、ねだる前にくれたんだよね。
本当、いつまでも僕のこと子供扱いするんだから」
「あの……そんなにたくさん食べきれるんですか?」
「大丈夫だよ。……だから、君が作ってくれたそのお菓子も、僕にくれる?」
「あ、ずりぃぞ総司! オレだって……!」
「ふふ、ちゃんと二人分あるから、大丈夫だよ」
手作りのカボチャ味カップケーキを渡すと、
沖田も藤堂もうれしそうに笑いました。
ふたりと別れて歩いていると、風紀委員のふたりを発見しました。
「おふたりも、たくさんお菓子をもらったんですね」
「いや、これはもらいものではない」
「校内の風紀が乱れているからね。
ハロウィンに浮かれる生徒たちから没収してきたんだ」
それを聞いて、雪村はしゅんと肩を落としました。
「す、すみません。私――」
「けど、没収したお菓子が多すぎて食べきれないんだよね。
悪いけど、処分を手伝ってもらうよ」
戸惑う雪村の手に、薫と斎藤はお菓子を乗せました。
「あ、あの……いいんですか?」
「ああ。このままでは腐らせてしまうだろう。
……食べ物を粗末にするわけにはいかぬ」
「わ、わかりました」
「……で、そのお菓子は、兄への贈り物かい?」
「ハロウィンなので、皆さんにお渡ししてたんですけど……」
「失点ポイントが付いていない生徒なら、行事に参加しても構わん」
「え? そうなんですか……?」
「そうだよ。かわいい妹は特別だ」
えこひいきされているような気がしないでもないですが、
何も言わず、雪村はふたりにお菓子をプレゼントしました。
さらに歩いていると、廊下の真ん中に堂々と立っている風間に声をかけられました。
「我が嫁よ、今日が何の日かわかっているな?
……今すぐ菓子を寄こせ。さもなくば、悪戯をする」
「あ、はい。これ、生徒会の皆さんでどうぞ」
「ハロウィンだと言うのに、これで終わりでは味気ないだろう。
……せっかくだ、悪戯も受けていけ」
「え……ええっ!?」
「風間。……もうガキじゃねえんだ。くだらねえことしてんじゃねえ」
伸ばされた風間の手は雪村に届くことはなく、
背後から現れた土方先生によって、ぺしんと打ち落とされました。
「ったく、どいつもこいつもハロウィンで浮かれやがって……。
……校長の近藤さんが率先してやってんだから、一概に駄目とも言えねえし……」
「お、お疲れ様です。土方先生……」
雪村は、自分もハロウィンに参加していたので申し訳なく思いましたが、
それでも、土方にお菓子を手渡しました。
「ご迷惑かもしれませんけど……
お世話になっている皆さんにお渡ししようと思って、作ってきたんです」
「……教師が生徒の世話焼くのは、当然だろうが」
そう言いつつも、土方先生は笑顔でお菓子を受け取ろうと手を伸ばし――
「……おい風間。なんだその手は」
「当然、俺の分もあるのだろう。受け取ってやらんでもない」
さりげなく土方の隣で手を伸ばしている風間に、土方は呆れています。
雪村はそんな二人のやり取りにくすっと笑いながら、お菓子を渡しました。
「ありがとよ」
「仕返しに期待しておけ」
「……それを言うなら【お返し】だろうが、ったく」
皆にお菓子を渡せて、雪村は満足です。
薄桜学園のハロウィンは、こうして過ぎていったのでした。
おわり
* * *
2人分の画像しか用意できませんでしたが、同じ画像を
オトメイトモバイルでは待ち受け画像として無料配信していますので合わせてお楽しみください。
とりあえずハロウィン的にはギリギリ間に合いましたかね…
そうそう、先日「黎明録の主人公・龍之介と、芹沢さんはSSLにはいないんですか?」という
お問い合わせをいただきました。ちょっと悪戯で作ってもらったものがありましたので、
それとあわせて設定を公開しますね。
井吹龍之介
いつもアンパンと牛乳ばかり食べている苦学生。PTA会長の芹沢鴨の養子。
金にがめつく、校内で御用聞きをして小銭を稼いでいる。
「いつか絶対こんな学校やめてやる……!」が口癖の1年生。
芹沢鴨
泣く子も黙るPTA会長。薄桜学園創立の際、資金面で協力してくれた恩人のため、
近藤は彼に頭が上がらない。……が、いろいろと黒い噂の目立つ人物なので、土方らは
あまりいい印象を持っていない様子。龍之介の養い親。
こんな感じでしょうか(笑) 芹沢さんがどう見ても危ない人に見えます……。
龍之介がアンパンと牛乳ばかり食べているのは、購買で一番安いのがアンパンだからです。
たまに奮発してカツサンドなんかを食べると、こっそりテンションが上がるようです。
それでは、今週はこの辺で!
バタバタしていて申し訳ありませんが、また来週もよろしくお願いいたします!