オトメイトブログをご覧の皆さん、こんにちは。
【二世の契り】担当、アイディアファクトリーの黒須です。
さて皆さんも、そろそろ年末の大掃除にとりかかっている頃なのではないでしょうか?
早く終わらせて気持ちよく新年を迎えたいものですが、部屋を片付けていると妙に懐かしい物が出てきて、掃除の手が止まってしまうことってありますよね?
私もついつい、昔の本を読み返して…………いかんいかん!!
皆さんも『思い出の品』という魔物にはくれぐれもご注意ください。
では続きをどうぞ
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◇【二世の契り番外物語8】
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ご注意:本物語は本編とは全く関係のないパロディです。
第八話「弥太郎の文」
秋夜の家
秋夜が部屋の掃除をしていると書物の中から一通の文が現れる。
秋夜「この文はいったい……」
秋夜は文に見覚えがなかった。
また宛先だけではなく、差出人の名前さえ書かれていなかった。
秋夜「仕方がない、中身を見て確認するとしよう……」
弥太郎「秋夜―!」
突然、外から弥太郎の声が聞こえてきた。
そして、弥太郎が家に駆けこんできた。
秋夜「小島様……どうなされましたか?」
弥太郎「この間、お前に返した書物の中に何か挟まっていなかったか?」
秋夜「書物の中……もしかしてそれはこれの事でしょうか?」
秋夜は持っていた文を見せる。
弥太郎「そ、それだ! いやぁ、見つかってよかったぜ。一時はどうなることかと……」
秋夜「そのように取り乱されるとは……さぞかし重要な文なのですね」
弥太郎「いや、そういう訳でもないんだが……書いた後に失くしちまってな……」
秋夜「そうでしたか。もしよろしければ俺が今からお届けしてまいりましょう」
弥太郎「大丈夫だ! なんだ……その……そうだ! その文は綾に渡そうと思っていたものなんだ!」
秋夜「綾姫様にですか?」
弥太郎「ああそうだ、だからわざわざお前に届けてもらう必要もない。俺が直接渡すからな」
秋夜「そうですか……でも、同じ家にお住まいの綾姫様にわざわざ文などを送られるのですか?」
弥太郎「そ、それはだな……ま、まぁ、そんなこと気にするな」
弥太郎に疑問を感じる秋夜。
弥太郎「とにかく、その文を返してくれんか?」
秋夜「はい……あっ」
秋夜は返そうとした文を誤って落とす、そしてその拍子に文が開いてしまった。
弥太郎「あぁっ!!」
秋夜「申し訳ありませ…………ん?」
秋夜は文を拾おうとして、つい文の一部を読んでしまう。
『……大切に思っている……いつまでも傍に居てくれると嬉しい……』
文面を見て驚く秋夜と、罰が悪そうな顔をする弥太郎。
秋夜「小島様……この文はもしかして……」
弥太郎「ち、違う、勘違いをするな!」
秋夜「そんなふうに考えておられるとは……」
弥太郎「これには深い訳があってだな」
秋夜「小島様はやはり綾姫様を大切に思われていたのですね」
弥太郎「別に嬢ちゃんに出そうと……って、なんだって?」
秋夜「いつまでも傍にいて欲しいとは……綾姫様もきっとお喜びになることでしょう」
弥太郎「お、おい秋夜、お前はこの文をなんだと思ってるんだ?」
秋夜「はい、『綾姫様への感謝の文』かと……」
弥太郎「感謝の……文……?」
秋夜「違うのですか?」
弥太郎「い、いや、まさしくその通りだ!」
秋夜「やはりそうですか」
弥太郎の綾姫に対する思いに感動する秋夜。
秋夜「綾姫様が喜ばれる姿が目に浮かびます。すぐにお渡しするべきかと」
弥太郎「それは駄目だ! いやほら、実際に渡すとなると恥ずかしくてな、しばらく様子を見て────」
秋夜「そこまで恥ずかしいのでしたら、やはりこの文は俺が届けましょう」
弥太郎「いや、その心遣いはありがたいのだが…………って、ちょっと待て秋夜!」
文を持って小島邸へと走り出す秋夜。弥太郎も慌てて秋夜の後を追いかける。
弥太郎「待て、行くな秋夜!」
秋夜「お任せください小島様」
弥太郎「自分で渡すから平気だと────」
秋夜「文は必ずお届けいたします」
弥太郎「だから、それが駄目なんだって!」
弥太郎の制止も聞かず小島邸へと走っていく秋夜。
弥太郎「すまん、俺が悪かった! 後生だから許してくれ!」
秋夜「綾姫様、今お届けに参ります!」
弥太郎「やめてくれ――!!」
─終─
以上、【二世の契り番外物語】第8弾でした。
さて来週のブログ更新につきましては一旦お休みさせて頂きますが、
引き続き来年も当ブログは継続してまいります。
そして、年始早々とはさすがにいきませんが、皆さんのご期待にお応えして【二世の契り】の新しい発表がいよいよ出来るかもしれません。
それではまた来年、良いお年を!!
黒須