神なる君と 巻ノ十二

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オトメイトスタッフブログをご覧の皆様、こんばんは。

【神なる君と】担当、
デザインファクトリーの一(にのまえ)ジョーと申します。

 

いやあ、昨日の夜は台風が……
1時くらいに自宅のある駅についたのですが、
暴風&豪雨で100円の傘を飛ばされ、自宅に帰った際は
一度水槽にでも浸かったんじゃないか、という濡れ具合でしたよ……


朝までに靴乾かなかったから、今日サンダル出社ですし。

皆さんは大丈夫でしたか?


さてさて、そんな荒れ模様な天気の中、
本日の【神なる君と】ブログは第12回目です。


それでは
本日の【神なる君と】ブログ、
始まり、始まり~。


 

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それではまず初めに、
恒例の最新情報に行きましょう。

【なると最新情報】です。

 

 

■メインキャスト発表!

榊鳴海    役  保志総一朗 さん

二ノ神弓鶴  役  成田剣   さん

竹清八雲   役  羽多野渉  さん

水庭苓    役  井口祐一  さん

天津国星縁尊 役  櫻井孝宏  さん


引き続きの告知となります。

以上、豪華メインキャストにて
【神なる君と】の世界が綴られていきますので、
皆様もより一層のご期待とご声援、宜しくお願いします!

 


■B's-LOG様

 本日発売号でも同じく、
 キャスト様のお名前が掲載されていますので、
 是非お確かめくださいませ!

 また、今月号より毎号書き下ろしSSが掲載されます!
 そちらも楽しみにしていてくださいね。

 当然、ナガオカによる見開きイラストも
 ありますので、そちらも期待してくださいね!

 


■公式サイト

 【神なる君と】公式サイト、公開中です。
 前回の更新から、『キャラクター』項目にて
 サンプルボイスを試聴することができます!

 それぞれ、キャラクターの一面を
 窺い知ることができますので、
 聞いてみてくださいね。


 また、同サイトでは
 トレーラームービーが引き続き公開中です!
 作品の雰囲気が満載ですので、
 是非この機会にご覧になってください。


 また、同じく公式サイトでは
 引き続き『バナーキャンペーン』が開催中。

 終了は8/3(水) 18:00予定です。

 皆様のご参加、まだまだお待ちしていますので、
 是非ご参加くださいね。

 


と、今回は以上のご紹介となります。
皆様も忘れずにチェックしてくださいね。

本日の【なると最新情報】でした。





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さて続きましては、
隔週でお送りしていこうぜ! な、新コーナー。


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【神なる君と】に登場する魅力的な人物たち。
その一人一人を【キャラクター紹介】として、
ご紹介させていただくといったコーナーになります。


今回も【神なる君と】の我らがライター・西村悠に来てもらっています。

 

それでは早速、
【神なる君と人物帖】第三項、開帖です。

どうぞお楽しみ下さい。


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『神なる君と』 人物帖 -竹清八雲 編-

 皆様、お久しぶりでございます。
 『神なる君と』メインシナリオ担当西村です。


 隔週にて『神なる君と』のキャラクターの魅力に迫る
 『神なる君と』人物帖、今回は『竹清八雲』を取り上げます!

 お時間に余裕のある方は、
 ぜひお付き合いいただければ幸いです。

 
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 ▼竹清八雲ってどんな人?

  【暴走する幼馴染】それ以外の言葉が思いつかないほどの、
  猪突猛進を絵に描いたようなキャラクターです。



  彼が一度暴走し始めると、
  ゲームの世界観そのものが引っ張られるほどの影響力があります。
  前半に発生する彼がらみのイベントの大部分では、
  主人公が全力でツッコミ続けています。
  そして大体追いついてません。



  分類で言えば、天然ボケタイプということになりそうですが
  あまりに全力でボケるので、全く天然に見えないという
  稀有なキャラクターでもあります。



  そんな彼の内面についてですが……。
  主人公にとって【幼なじみのお兄さん】である彼は、
  肝心な時に主人公を支えられる、頼りになる存在であり、
  本人もそうであろうと、努力しているフシがあります。



  とても優しくて、自分の大切な誰かを守るためなら、
  自分が傷つくことをいとわない人でもあります。



  彼は必要以上に自分を強くみせようとしていて、
  それは、彼のある秘密と関わりがあります。



  物語を進めていくにつれ、彼の内面は
  少しずつ明らかになっていきますので、
  楽しみにしていただければと思います。



  あまり語るとネタバレになってしまいますね。
  とりあえずここまでにしておきます。

 
 

 ▼竹清八雲の物語

  彼の物語は、ゲーム中で、少し特殊な位置にあります。
  彼の物語の本質は【共に踏み出す1歩】ではなく、
  【その後】にあります。



  【いつまでもあなたを待っている】
  【この恋は永遠だ】



  そういう恋愛物語ならではの言葉に対して、
  実際それはどういうことなのか、という形で物語は展開していきます。



  【希望を持ち続けることの難しさ】こそがこの物語の中心となる障害です。


  人の想いの強さだけではなく、
  どちらかと言えば、弱さを描こうと考えて作りました。



  きっかけはファンタジーですが、
  出来る限り、現実的な心情変化を心がけたつもりです。



  この物語で、主人公が戦うのは【時の流れ】です。
  その行く末はもちろん、皆様に直接、確かめていただきたく思います。

 
 

 ▼勝手に抜粋!! 本編シナリオ!!

  ……。

  …………。

  かすかな風に吹かれて目を覚ます。

  八雲兄さんは
  私の横でぼんやりと空を見上げていた。

  先ほどまで、幼い頃の八雲兄さんを
  夢に見ていたせいか。

  今も夢の中にいるような気がする。

  八雲
  「……いつまで、こうしてられるのかな」

  八雲兄さんがぼんやりと空を見たまま呟く。

  その声は誰に向けられたものでもなく、
  私が目を覚ましていることにも
  気づいていないようだった。

  八雲
  「あとどれくらい、時間があるんだろう」

  空を見上げる八雲兄さんの横顔は、
  夕暮れの光に照らされて、どこかはかなげに
  見えた。

  そばにいるはずなのに、八雲兄さんがとても
  遠くにいるような気がした。

  咲耶
  「……八雲兄さん?」

  思わずそう呟いていた。

 

屋上でのワンシーン。
どうやら2人で眠っていたようですね。



強いだけの人間がどこにもいないように、
彼にも弱さはあり、その弱さに
主人公が触れた瞬間のシーンです。



八雲が隠している秘密……
それが2人の恋愛にどのような影響を与えていくのかは
彼の物語の大きな流れのひとつになります。

 

と、今週の人物帖はここまでに。


八雲のキャラクターについては、なかなか語れない部分もあり、
そこはぜひ、本編をやっていただければと思います。
進めば進むほど、彼の意外な一面や、主人公との、
幼い頃からの結びつきを見つけることができるはずです。


次回は、あなただけの守護霊、
『水庭 苓』(みずにわ れい)にスポットを当てます!
それでは皆様、また二週間後にお会いしましょう。

 

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ということで、
【神なる君と人物帖】第三項でした。
西村、ありがとう!


いかがでしたでしょうか?
少しでも【神なる君と】のキャラクターたちの魅力を、
皆様へと伝えることができれば幸いです。


八雲の呟きが意味するものとは、
幼馴染であり、『兄』でもある彼が抱えるものとは一体なんなのか。


――黄昏の先に、彼が見るものとは。


皆様、是非お楽しみに。





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さてさて、続きましてはSSコーナー。


今週は
【神なる君と人物帖】に続き、
竹清八雲が主軸になったお話です。


それでは、どうぞご覧下さいませ。



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【神なる君と 挿話ノ三 月夜散策】

 

何事もリズムが大切だ。

タイミングと言い換えてもいい。

リズムがあえば、大抵のことはうまくいく。

合わなければ、満足のいく結果には、
大体ならない。

生活のリズム。

食事のリズム。

会話のリズム。

勉強のリズム。

走るときのリズム。

夜の御神楽山は、驚くほど静かだ。

自分の足音の刻むリズムが、
夜の闇に溶けて消えていく。

呼吸音も、身体が発する熱も、
明確に自分の存在を伝えてくる。

月の明るい夜だった。

今夜はいい調子で走れているなと、
八雲はひとり思う。

土手の土を踏む音、流れる水の音、虫の音、
全てが心地よく感じられる。

見上げれば月は金色に輝き、まばらな雲を青白く照らしている。

どこか偽物のような夜だった。

どこまでも走っていけるような気が少しした。

実際には、そんなことはできないと知っているはずなのに、
目を背けたくなるような真実からも、逃れられるような気がしていた。

気休めでもよかった。
現実逃避であることもわかっている。
ただ、逃げられると思い込みたいだけだ。

解決できないとわかっていることを、
悩み続けるのは苦しい。

振り切るように、
走るリズムを少し上げる。

土を蹴る音、呼吸音、胸の鼓動。

全てが早くなる。

どこかに行きたい、というのはウソだな。

そう、八雲は考えた。

ずっと留まっていたい。

きっとそれが本音なのだろう。

土手を下りてしばらく走り、
公園の前で足を止める。

咲耶の姿を見かけたからだ。

咲耶はベンチに座って、
ぼんやりと月を見上げていた。

月の光は冷ややかに、
咲耶を青白く照らしている。

どこか物憂げな表情だった。

日頃賑やかである分だけ、
ものも言わずただ月を眺める彼女の姿は、
印象的だった。

大人になったなと思う。

目を閉じればあの、
小さな頃の咲耶が鮮明に思い出せるのに。

今の咲耶を、少し遠くに感じる。

時は流れている。

自分の気持ちとは無関係に、
これからも無慈悲に、
明日は来るだろう。

そんなことを寂しく考えているうちに、
ふと、咲耶がこちらに向き直る。

「八雲兄さん」

いつもの明るい笑顔が彼女に戻ってくる。

「おう、なんだなんだ! こんな夜に、こんなところで」

八雲は務めていつも通りに声を張った。

咲耶は立ち上がって、八雲のそばに歩いていく。

「色々考え事をしてたんだよ」

「こんなところで?」

「月がきれいだったからね」

「そりゃあ風情なことだな!」

「兄さんは……ジョギング?」

「おう! 健全な精神は健全な肉体に宿るからなっ!
 3時間ほど走ってる」

「そ、それは健全すぎるような気もするけどな……」

「考え事もいいけど、こんなところでぼんやりしてるな。
 危ないぞ」

「大丈夫大丈夫。この辺の人たち、みんな顔なじみじゃない」

「そう言うことじゃないだろ。
 お前、かわいいんだしさ。結構心配するって」

「またまたー冗談ばっかり」

咲耶は笑みを浮かべて、こちらを見上げる。

瞳は月明かりに濡れてきれいに光っていた。

冗談じゃないんだけどな、と八雲は思うが、
それ以上は踏み込まないでおこうと考えた。

「よし、今夜は特別だ!
 俺がお前んちまでエスコートしてやろう!」

「え、悪いよ」

「そう言うなって、どうせジョギングの途中だしな」

咲耶は少し迷うような素振りを見せたのち、
じゃあ、よろしくと笑って言った。

さっきまでひとりで走っていた土手を、
今度は2人で歩いていく。

「今日はさ、神のお役目の帰りだったんだよ」

「はっはっは。神さまかー。
 いまだにちょっと驚くな」

「あ、ひょっとしてまだ信じてない?
 ほんとなんだってば」

「俺はお前の言葉を疑ったことなんて
 ただの一度もないぞ」

「……そうだね。そうかもしれない」

川の水音を背景に、
咲耶の声が耳をくすぐる。

「それでさ……やっぱり鳴海は、神社の仕事を
 しっかりやってて偉いなって思った」

「ん、鳴海は偉いな。あいつは大したヤツだ」

「……うん」

咲耶がかすかにうつむく。

八雲はかすかに笑みを浮かべて、彼女を見つめた。

八雲にはなんとなく、彼女の気持ちがわかる気がした。

きっと将来のことについてだろう。

咲耶は昔から、この土地が大好きだったから。

大学への進学を選んでここを離れるのは苦痛だろうし、
かといって、地元で就職する道にも、
きっと迷いがあるのだろう。

何かアドバイスできれば、と思う一方で、
やはりそれは、咲耶が悩んで悩み抜いて、
決めていかなければいけないもののようにも思える。

今は何も言わないでおこう。

それに、未来のない俺が何を言ったところで……。

「兄さん? どうしたの?」

我に返り、小さく首を横に振る。

「なんでもない。俺も少し、考え事だ」

咲耶は納得したようにうなずいて、
それから再び歩き出す。

月明かりに影が2つ。

白い土手に長く伸びた。

足音も2つ。

揃わない足音が、むしろ心地いいリズムのように
思えた。

ひとつより2つがいいと、八雲は思う。

そちらの方が寂しくない。

いずれひとりになることがわかっているからだろうか。

昔は当たり前に思えた
ひとつ年下の幼なじみとの会話が、
今さらのように大切なもののように思える。

「……どうしたの? ぼんやりして」

彼女の言葉に、八雲は笑みを浮かべた。

「なんでもない。大丈夫」

「八雲兄さん、今日は『なんでもない』ばっかりだね」

上機嫌に言って咲耶は笑った。

なぜだか急に、彼女をたまらなくいとおしいと思う。

引き寄せて、何もかもを話してしまいたくなる。

けれど、そんな行動に、意味がないことはわかっていた。

代わりに彼は小さく笑って、なんでもないんだ、ともう一度呟いた。

咲耶を家まで送った後、彼はまた、ひとりで走り出す。

不意に叫び出したい衝動にかられた。

彼はその衝動の全てを土を蹴る足の力に変えて駆け続けた。

リズミカルな足音が、身体の内側に響いて耳に直接届いた。

孤独だなと思う。

やはり、
ひとつより2つがいい。

そちらの方が寂しくない。

月の光の明るさに、彼はふと泣きたくなった。

 
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

不意にこぼれる、八雲の言葉。
その言葉の中には、なにが隠れているのか。


そして、その不穏を
更に包み隠す『なんでもない』という彼の言葉。
八雲が心の内に抱くものとは……





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さて、今週のブログもそろそろ終了です。


そうそう。
先日、ドラマCDの収録がありましてー……
やはりキャストの皆様が揃って収録されると
臨場感も違ってきますね。


特典のドラマCDもキャスト様の熱演により、
とても良いものになりましたので、
皆さんも是非お聞きくださいね。



それではまた次回、
皆様とお会いできることを願いまして――。

 

―ジョーでした。



 




 

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