神なる君と 巻ノ十六

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オトメイトスタッフブログをご覧の皆様、こんばんは。

【神なる君と】担当、
デザインファクトリーの一(にのまえ)ジョーと申します。


暑すぎて水中で仕事がしたいです。
まあPC壊れるので無理ですが。
ああ、息も出来ないか……。


とまあ、
暑さのせいで戯言を連ねてしまいましたが、
実は開発がもうラストフェーズなのです!!


全力でテンパッてます!
ブログ書きながら震えてます!


さて、本日【神なる君と】ブログは第16回目。
それでは、始まり始まり~。
 
 

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それではまず初めに、
恒例の最新情報に行きましょう。

【なると最新情報】です。

 

 

■B's-LOG様

 今月、8月20日発売号では
 【神なる君と】キャストインタビューが掲載!


 保志 総一朗 さん
 成田剣 さん
 羽多野渉 さん
 井口祐一 さん
 櫻井孝宏 さん


 メインキャラクターを演じていただいた皆様の、
 収録直後の生の感想をいただいております。
 【神なる君と】が気になっている貴女には必見です!


 また、今月号掲載SSは 『弓鶴と苓の物語』。
 そちらも楽しみにしていてくださいね。


 もちろん、
 ナガオカの美麗な描き下ろしも
 ありますので、そちらもお見逃し無く!

 

 

■公式サイト

 【神なる君と】公式サイト、公開中です。
 先週に引き続き、本日も更新があります!

 『キャラクター』項目にて、
 メインキャラ5人のサンプルボイスが更新されていますよー!

 是非聞いてみてくださいね!

 また、来週の更新では
 先日締め切らせていただきました
 バナーキャンペーンの結果発表を行います。
 皆様、お楽しみに。

 

と、今回は以上のご紹介となります。
皆様も忘れずにチェックしてくださいね。

本日の【なると最新情報】でした。




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さて続きましては、
隔週でお送りしています、この企画。


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【神なる君と】に登場する魅力的な人物たち。
その一人一人を【キャラクター紹介】として、
ご紹介させていただくといったコーナーになります。


今回も【神なる君と】、
シナリオ担当・西村悠に来てもらっています!

 

それでは早速、
【神なる君と人物帖】第五項、開帖です。

どうぞお楽しみ下さいませー。



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『神なる君と』 人物帖 - 天津国星縁尊編-

 
 皆様、お久しぶりす。
 『神なる君と』メインシナリオ担当西村です。


 隔週にて『神なる君と』のキャラクターの魅力に迫る
 『神なる君と』人物帖、今回でいよいよ最終回となりました。


 最後の紹介はもちろんこの人、というか神様!
 『天津国星縁尊』、通称ミコト、をクローズアップしていきます。


 彼はこのゲームのキーパーソンであり、
 彼なしでこの作品を語ることはできません。


 お時間に余裕のある方は、
 ぜひぜひお付き合いくださいませ。

 


 ▼天津国星縁尊ってどんな人?


  ミコトを一言で表すなら 『のんびりヘタレな元神様』 です。


  突如として主人公に神の座を譲ってしまった、
  何を考えているのか全くわからない元神様。
  かといって腹黒、というわけでもなく、
  本当に何も考えてないんじゃないかというくらい、
  適当な発言が目立ちます。


  普段は、縁側でぼんやりとひなたぼっこをしたり、
  狛犬である頼仁と散歩したりする毎日。
  悠々自適な毎日を送っている……ように見えます。



  冗談も好きだし、人をからかうのも大好きです。
  雲のようにふわふわしてつかみ所がない、
  というのが普段の彼の印象です。


  かと思えば、
  時折とても真面目な雰囲気を纏います。
  そのようなときの彼はとても神秘的で、
  元神様という言葉も頷けるような印象を主人公に与えます。

 

  彼の性格にははっきりとした二面性があります。

  人間らしく親しみやすい部分。
  人間では理解が及ばない部分。


  その2つの要素が、彼の中には同居しています。

 

  神であり、人ではないミコトにどうして人間らしさが?
  と言われれば、それはやはり彼が神として、
  人に祀られて過ごしてきた長い時が
  形成してきたのでしょう。


  彼の性格、考え方、その内側にある葛藤は、
  このゲームの根底にあるテーマと同様のものです。


  もし、神様がこの世に本当にいるのだとしたら、
  何を考えて人々を見つめているのだろうか。
  人々が神に祈り、願うとき、彼はそれを、
  何を思って聞いているのだろうか。


  ……といったようなことを、
  考えながら書いたキャラクターです。


  自分との距離がかけ離れているので、
  一番慎重になったキャラでもありますね。

 


 ▼天津国星縁尊の物語


  彼の物語は、それまでに見てきた他の物語の
  裏側を語るような構成になっています。


  なぜ、主人公は神様にならなければいけなかったのか。
  なぜ、天津国星縁尊は星祭りの夜に天に帰らなければいけないのか。
  この地で語られるある伝承と、主人公にはどのような関連性があるのか。


  他にも、ゲーム中に現れたいくつもの謎が解かれていきます。

  また、1000年の長きにわたり、彼が抱え続けてきた
  苦悩との対峙が行われるルートでもあります。


  主人公はミコトに寄り添うことで、
  彼が見つめてきた『運命』を、
  叶えられなかった『願い』を、
  そして彼の誓った『約束』を
  目の当たりにすることでしょう。

 

  と、これ以上はネタバレになってしまうので、
  この場でお話しすることはできませんが……


  彼の話す『運命』や『願い』を、
  主人公である貴女がどう判断するかで、
  物語の結末は変わっていきます。


  【神ではなくなった神】と
  【神の役割を託された少女】の『運命』を巡る物語を、
   ぜひ見届けていただきたく思います。

 


 ▼勝手に抜粋!! 本編シナリオ!!


  捜し疲れて、
  夜の土手を歩く。

  すでに1時間近く捜し回っている。

  そろそろ戻った方がいいだろうか。

  そんなことを考えて歩いているとき。

  誰かの声が聞こえた。

  ミコトさーん。

  とその声の主は叫んでいた。

  聞き覚えがあるようで、
  全く聞き覚えがないようで、
  不思議と印象に残る。

  声の主を捜して、周囲に目をやった。

  すると……。

  薄い月明かりの中を少女が走っているのが見えた。

  時々立ち止まっては、ミコトさん、と叫んでいる。

  少女は、泣いているように思えた。

  こちらに向かってくる。

  ある予感がして、慌てて草むらに隠れた。

  そして、はっきりとその顔を見て、
  息を呑んだ。

  咲耶
  「……私だ……」

  ――このまま……お別れなんて嫌だよ。

  彼女はそう、しぼり出すような声で言っていた。

  私は、
  私の姿をじっと見つめた。

  叫ぶのに疲れたのだろうか。

  彼女はとても悲しそうにうつむいて、拳を握り締める。

  自分の泣いている姿を自分で見つめる。

  これではまるで、本当に夢だ。

  よすがとする現実感を失っていくのが、
  自分でも感じられた。

  彼女はしばらくの間立ち止まっていた。

  眉をひそめ、じっと重苦しい何かに
  耐えているように思えた。

  けれど、
  その重荷に耐えかねたのだろうか。
  やがて彼女は涙を流し始める。

  ミコトさん、ミコトさん、と呟きながら、
  彼女は泣いていた。

  何があったのだろう。

  私の未来に、何があるのだろう。

  悲しそうに泣いている自分自身に声をかけて
  あげたくて、私はつい、草むらから出ようとした。

 


 本編シナリオより、ライターが勝手に抜粋するワンシーン。


 今回はミコトの依頼によって、
 少し先の未来にやってきた主人公の
 1シーンを抜粋してみました。


 このシーン自体には、ミコトは出て来ないのですが、
 彼の物語を進める上での、キーシーンとなります。


 未来の主人公がなぜ泣いていたのか、
 彼の身に何があったのか。

 それらは、ぜひ実際にゲームの中で触れていただければと思います。

 


 ▼最後に……

  本作に少しでも興味を覚えていただければと思い、
  始まった『神なる君と』人物帖も、今回で最終回となります。


  攻略対象となる5人に絞って紹介してきましたが、
  『神なる君と』には、愉快なサブキャラもたくさん登場します。


  そして、そのひとりひとりにも物語があります。

  キャラクターそれぞれが持つ背景・設定が、意外なところで繋がったり、
  相互に補完しあいながら語られていく、その全体が、
  『神なる君と』の物語となります。


  ご紹介できたキャラクターの魅力はごく一部。
  やはりゲームを遊んでいただかないことには始まりません。


  ゲームを盛り上げる音楽や、
  キャラクターの魅力的なビジュアルも相まって、
  きっと皆様にご満足していただける作品になったと信じています。


  皆様に楽しんでいただけることを、心から祈りつつ。

  またいつか。
  西村でした。



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ということで、
【神なる君と人物帖】第五項でした。
西村、ありがとう!


いかがでしたでしょうか?
少しでも【神なる君と】のキャラクターたちの魅力を、
皆様へと伝えることができれば幸いです。


人物帖の最後の紹介は、
主人公へと神の座を譲り渡した【天津国星縁尊】です。
なぜ彼は主人公である咲耶を神にしたのか?


その真意を、意味を知ることで咲耶の前に見えてくる『運命』とは――。


皆様、是非お楽しみに。





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さてさて、続きましてはSSコーナー。

今週は
【神なる君と人物帖】に続き、
天津国星縁尊が主軸になったお話です。

それでは、どうぞご覧下さいませ。



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【神なる君と 挿話ノ五 神がゆえに】

 

「そうだねえ」

 のんびりとした口調で呟くと、
 ミコトさんはしばらくの間、ぼんやりと空を見上げていた。

「それは大変、難しい問題だなあ」

「神様でも難しい問題ですか……」

「いやー、どうかなぁ。神だからこそかもねえ」

 それはまだ、私が神様になりたての頃の話。

 ある秋晴れの平日。

 学校の帰りに神社に立ち寄った私は、
 のんびりとひなたぼっこに興じる神様、
 ミコトさんを見かけた。

 その頃の私はまだ、神様というものが
 具体的に何をすればいいのかよくわからず、
 とにかく神様らしくしなければ、などと思っていた。

「神様ならどんな願いでも叶えられるのか……か。
 難しいことを聞くなぁ」

 ミコトさんは考え考え言う。

 日は高く、かすかに吹く風が、
 境内に落ち葉を散らしていた。

「やっぱり、自分のできること、
 できないことは知っておきたいかなって。
 なんでもできるんじゃないんですか?」

 彼は眉を下げて、困ったように笑った。

「どんな願いでも叶えられたら、
 この世に悲しいことはなにもないはずだけど……
 実際はそうでもないよね。
 この事実ひとつとってみても、
 私達にできることは限られているとわかるだろう?」

 ミコトさんの言葉に、私は思わず黙り込む。
 それは私が常々考えていたことだ。

「じゃあ……神様って、
 何をすればいいんでしょうか」

「そうだなあ……」

 彼は遠くを見るように目を細めて、
 何か昔のことを思い出しているようだった。

「実はね、私もよくわからないんだよ」

 頭をかいて彼は言った。

「昔は、わかっていたような気がするんだけど、
 けれどそれは、多分間違っていたんだと思う。
 間違いだと気付いて、新しい答えを求め続けて……
 結局、見つからないまま、
 あやふやなまま、ここまで来てしまった」

 

 気のせいだろうか。

 いつもはぼんやりしているミコトさんの横顔が、
 どこか悲しそうに見える。

 ふと思う。

 ミコトさんは多分、
 今まで多くの願いを託されてきたのだと思う。

 この神社に参拝して、
 どうか、これだけは叶えてくださいという願いを、
 何度も何度も、たくさん聞いてきたのだと思う。

 もし、
 神様に叶えられる願いと、
 叶えられない願いがあるなら。

 叶えられない願いを聞いているとき、
 ミコトさんはどんな気持ちになったのだろう。

 願いを叶えることができず、
 恨まれたこともあったのだろうか。

 私だって、
 つらいことや悲しいことがあると、
 神様のせいにしたくなるときがある。

 全部、神様に責任を押しつけたくなる。

 勝手に祀られて、
 勝手に頼られて、
 勝手に恨まれて……。

 本当にそんな日々をずっと生きてきたなら、
 ミコトさんは、神様を引退できて、
 せいせいしているかもしれない。

 

「……あの」

「ん?」

「ミコトさんは……人間のこと、好きですか?」

「おや、どうしたんだい? 急に」

 彼は驚いたように私を見つめた。

「だって……今までずっと……
 勝手に願い事を押しつけられてきて、
 そういうのはきっと迷惑だったんじゃないかって……」

「私は君のことが好きだよ」

 私の言葉を遮って、
 ミコトさんは小さな声で言った。

 冗談かと思い、聞き直そうとして、
 彼の優しいまなざしに気がつく。

 彼は私の頬に触れて、
 愛おしそうにそっと撫でた。
 私はただ、彼のまなざしを見つめていた。

 初めて会ったときのことを思い出していた。

 約束を果たそうと言っていたときのこと。
 ミコトさんが私を神様にしたときのこと。

 あのときと同じまなざしで、彼は私を見つめている。

 ミコトさんが微笑むと、
 途端にいつも通りの優しくて穏やかな雰囲気が戻ってきた。

「私はね。
 君も、鳴海も、頼仁も、八雲も、弓鶴も苓も、
 この土地に生きる全ての人が大好きだよ」

 彼の優しく諭すような声は、耳に心地よかった。

「だから、人間が嫌いなんてことはないさ」

 ミコトさんの言葉に納得して、
 私は小さくうなずいた。

 彼の言葉に、とても安心している自分を発見して、
 少し不思議な気持ちになる。

 それからしばらくの間、ミコトさんと話をした。

 

 今日は、神様としてのお役目も特にないということなので、
 日が暮れる前に境内を後にする。

 その頃にはもう、すっかり夕暮れ時だ。

 田も町も山もまるで赤いセロファンを通して見るように、
 一様に朱色に染まっていた。

 町を見下ろすことのできる階段を、
 一段一段下りていく。

 ふと、視線を感じて振り返る。

 階段の一番上にはミコトさんが立っていて、
 いつものようにのんびりとした調子で手を振っていた。

 私も笑って手を振り返し、
 また正面を向いて歩き始める。

 先程までの会話を、
 ぼんやりと頭の中で繰り返していた。

 階段を下りきったところで、立ち止まる。

 あることに気がついた。

 ミコトさんは、人間が好きだと言っていた。

 

 それならなおさら――。

 

 好きな人の願いを叶えられず、
 ただ、その人が嘆き悲しむのを、
 見守ることしかできないのだとしたら。

 それは本当につらいことではないだろうか。

 耐えられないほど、
 悲しい出来事ではなかったのだろうか。

 反射的に、その疑問を口にしたくなって、階段を振り返る。

 ミコトさんは、相変わらず手を振っていた。
 その表情までは見えないけれど、きっといつものように、
 穏やかな笑みを浮かべているのだろう。

 ……まあ、いいや。

 そんなことを聞いても、
 ミコトさんに嫌な思いをさせるだけかもしれない。

 そんなことを考えて、再び歩き出す。

 

 ミコトさんは星祭りの夜には、天に帰ってしまう。

 あの笑顔を見ることができる日も、
 あの優しい声を聞くことができる日も、
 そう遠くないうちに終わりが来てしまう。

 星祭りまでに、せめてもう少しだけでも、
 彼の気持ちがわかるようになりたいな。

 そのためには――。

「神様のお役目……頑張ろう」

 私はひとり決意し、グッと拳を作った。


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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



人と神。

何もかもが違う世界に生きる二人。

その二人に待ち受ける【運命】をがもたらす結末とは――。





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と、いったところで今週のブログは終了。

それではまた次回、
皆様とお会いできることを願いまして――。

 

―ジョーでした。




 

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