ワリコミ! CLOCK ZERO ~終焉の一秒~

みなさまこんにちは。
【CLOCK ZERO ~終焉の一秒~】担当、デザインファクトリーの島です。

久々のワリコミです。
いつの間にか年が明けていました。こんにちは2014年!
CZ的には、撫子たちが中等部を卒業する季節ですね。
つまりドラマCD「『それから』の記憶~ぼくらの中学生日記~」の年です。
まだ聴いたことないよ!って方はこの機会にぜひ。絶賛発売中です(宣伝)

さて、本日はCZ関連の情報をお伝えするべくワリコミにやって参りました。
よろしくお付き合いくださいー。
 


▼舞台「CLOCK ZERO ~終焉の一秒~ A Live Moment」再演決定!!

ヽ(´▽`)ノ わーい!!!

おめでとうありがとう!
再び舞台でCZが観られると思うと、個人的にも嬉しくて仕方ありません。

初演のときは、初日と千秋楽にお邪魔したのですが、
もう人目もはばからず号泣しまして。ええ。年甲斐もなく、号泣しまして。
舞台に感動したのも勿論なのですが、CZと一緒に歩んできたこれまでが
走馬灯のようにぐるぐる頭をまわって感極まってエグエグ泣いてました。

「今」、この瞬間は一度きり。
今という時間は二度と訪れないからこそ大切にしようという気持ちが伝わる舞台でした。
誰が欠けても成り立たない一瞬の舞台、みなさんに実現して頂けて本当に幸せでした。
そして、再演でさらにパワーアップする「CLOCK ZERO」をお楽しみに!

では、再演のお知らせといきましょう。

【概要】

公式サイトはこちら→http://clock-zero.otomelive.com/
公式ツイッターはこちら→@CZ_otomelive

日程:3月12日(水)~3月17日(月) 全8公演
劇場:星陵会館 ホール(永田町)

【チケット情報】

2/14(金)から一般販売が始まってます。
期間は2/14(金)~3/4(火)18:00まで!

お取扱いの媒体や、特典情報などの仔細は
公式サイトのこちらをご確認くださいませ!

【キャスト情報】

再演にあたって、「ビショップ」役と「反逆者」役で
新たなキャストさんがご出演されます。

■ビショップ役:野田一馬 様
 

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■反逆者役:松下雄一郎 様
 

alm_traitor.png



初演とはまた違ったビショップと反逆者にも注目です!


・「カラオケの鉄人」様とのコラボ決定!

初演に引き続き、今回もコラボ開催とのことです!

特設サイトはこちら↓
http://www.karatetsu.com/musical/clock-zero.shtml

【コラボ内容】キャラクターをイメージしたコラボドリンクの販売
        九楼撫子、神賀旭、放浪者、ビショップ、反逆者、哲学者、
        ルーク、情報屋、長、楓(全10種類)
【購入特典】舞台『CZ』キャスト&原画の缶バッチ
【開催期間】3/1(土)~31(月)
【開催場所】カラオケの鉄人 西新宿店(ドリンク&店舗装飾)
                  池袋二号店(ドリンクのみ)


さらに、ななななんと! 3/1(土)より初演の全楽曲の配信が決定!
「カラオケの鉄人」限定で配信されるとのことです!
う……歌いたい! 個人的にはルークの歌を熱唱したいです(笑)

奇跡ーを おーこーそーうー♪ 君ーしかーできーなーいー♪


・ビジュアル撮影レポ!

ビショップと反逆者の役者さんが初めての衣装撮影ということで
ビジュアル撮影に立ち会ってきました。

オフショットをご提供頂いたので、改めてキャスト紹介も含めてどうぞ!
 

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物語の中心となる九楼撫子役の井越さんと神賀旭役の猪野さん!

初演を終えてから久々に衣装に袖を通したとのことですが
おふたりを見た瞬間に「帰って来た!」と懐かしさを感じました。
皆さんの中でキャラが息づいているんだなあと。
止まっていた時間が動き出したような。
初演をご覧頂いた皆様には、そんな「再会」の感動も感じて頂けると思います。
 

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神賀旭役の猪野さんと、放浪者役の日和さん。

この2ショットは……! ザワザワしますね……!
舞台の内容についてはまだなにも言えないのですが
今回はこの2人の関係性にもぜひ注目して頂きたいです。
く……っ、言いたいけど言えない……! ぜひ舞台で!
 

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ビショップ役の野田さんと、反逆者役の松下さん。

今回初のおふたりです! 衣装を着こなしているだけでなく
現場の雰囲気にも馴染んでらして、さすが役者さん……!
2人とも「……強そう!」というのが第一印象でした。オーラが。威圧感が。
殺陣のシーンも、とっても楽しみです。
 

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哲学者役の植田慎一郎さん。

相変わらず立ち姿が美しい。絵になります……。
余談ですが、植田さんに「哲学者の裏設定ってありますか」と聞かれて
「苺大福が好物です」と即答した島は、おそらくテンパっていたのだと思います。
裏設定でもなんでもない。
 

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ルーク役の櫻井さん! カエルくんで隠れていますが!(笑)

お茶目なところも魅力的な櫻井さんのルーク。
初演を観劇していて、ルークの歌のところで島は「ヒィィ」と声を殺して感動していました。
歌いながら、歌詞にのせて鮮やかに変化する表情や仕草が素晴らしい。
そんな櫻井さんのお芝居へのこだわりにも注目です。

 

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お次は情報屋役の花沢さんと、ビショップ役の野田さん。

この2人が並ぶと、キャラの関係性的に感慨深くなります。
身長とか体系的なバランスもあると思うのですが、雰囲気がとても「らしい」なと。
3/15(土)の昼は2人がコンビのアフターイベントもありますので
ご来場の方はぜひお楽しみに。

そうそう、公式サイトでは「情報屋の突撃レポート」というコンテンツもあります。
チェックしていると情報屋さんからの横流しが期待できるかも(笑)
 

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長役の横山さんと、楓役の鷲尾さん。
オフショットなのにこの完成度。なんですかこの安定っぷりは。
まるで長年連れ添った熟年夫婦のような……

キャラならではの威圧感で作品の空気を引き締めてくれる横山さんの長。
時には場を和ませ、軽快な動きで舞台を盛り上げる鷲尾さんの楓。
絶妙なスパイスであるおふたりも、初演からのさらなるパワーアップに期待大です♪
(例の日替わりネタも……笑)
 

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/せ! い! ふ!\  /せ! い! ふ!\ /せ! い! ふ!\


あれっ、有心会がない。

\ゆーしんかい!/  \ゆーしんかい!/ \ゆーしんかい!/



……やってみたかっただけです。

そんなわけで、大変眼福なビジュアル撮影でした。
島はちょっとした質問を頂きつつも、お菓子をもぐもぐしてました。
いえあの……脚本の打ち合わせとかもしてました……よ。

そう! 脚本! 今回再演にあたって「有心会エンド」なるものが追加されました!
どうなるのか気になりますよね? 私も大変気になりました。
そして実際に脚本を拝見して、「ふおお……!」と変な声がもれました。

初演から引き続き脚本をご担当頂いたChani様、ありがとうございます……!
原作ゲームを隅々まで研究してくださって、原作に散らばっている様々な情報を
舞台脚本としてここまで「ひとつ」にして頂けるなんて、本当に感動しました。

再演で進化した政府ルートはもちろん、
有心会ルートがどんなものになるのか、ぜひお楽しみに!

島も今から楽しみです!

また、近日中には舞台公式サイトにて一人ずつキャストのコメント動画も
アップされるとのことなので、ぜひサイトをチェックしてみてください。
(楓ちゃん.comも絶賛稼働中です♪)


▼Gift様より「CLOCK ZERO MUSEUM」開催決定!
 

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ヽ(´▽`)ノ わーい!!!(二回目)

3/15(土)にオープンするグッズ&イベントスペース「GalleryGift」にて
CZのミュージアムを開催して頂くことになりました!
開催期間は3/15(土)~3/23(日)です。

イラスト展示に加え、グッズも多数販売予定とのことです。
ミュージアム限定の夏目ウタ描きおろしイラストは必見ですよー!

特設サイトはこちら→http://www.gift-gift.jp/gallery/

お話を頂いたときには飛び上がって喜びました。
GiftさんにはこれまでもCZのグッズを多数出して頂いているのですが
毎回デザインの可愛さにゴロゴロしている身としては本当に嬉しいです。

そして今回、当ブログ先行で販売予定のグッズを一部、どーん!と公開させて頂きます。

■マグカップ
 

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ぐぉぉ…………思わず唸る可愛さ…


■缶キーホルダー
 

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Oh……KAWAII………思わず呼吸困難になる可愛さ……

特設サイトでも、続々公開予定とのことです!
これ以外にも、ものすごく可愛いグッズが多数予定されておりますので
ぜひぜひ足をお運びくださいね。

また、舞台『CLOCK ZERO~終焉の一秒~ A live moment』再演の
チケット若しくはその半券を『CLOCK ZERO MUSEUM』にお持ちいただくと、
オリジナル缶バッジを1枚につき1個プレゼント! とのことです!

詳細は公式サイトをチェックしてくださいね。


▼ステラワース様より、ラバーマスコット(壊れた世界ver)発売!

ヽ(´▽`)ノ わーい!!!(何度でもやる)

ステラワース様より、
CZのラバーマスコット「壊れた世界ver」の発売が決定しました!
以前の秋霖学園verも転げまわるほど可愛い仕上がりでしたが、
今回もぜひご期待ください……!

こちらも有難く許可を頂いたので、チラ見せ。
 

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発売時期は未定ですが、現在鋭意制作中とのことです。
続報をお楽しみに! 

ステラワース様のHPはこちら→http://www.stellaworth.co.jp/


▼オトメイトカフェがリニューアル! CZメニューも!

オトメイトカフェが3月初旬からリニューアルします!

そしてCZメニューは既存のものに含め、
一部リニューアル&追加があります!!ヽ(´▽`)ノ

既存メニューは

【キングの想い~今日も明日も、明後日も~】
【HANABUSAのビーフシチュー】


そして新メニューは……

DFスタッフが試食会の感想を送ってくれたので、
こちらもチラ見せさせて頂きますね。
 

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【理一郎のぷるぷる抹茶“プリン”ミルク】
⇒以前「ハニートーストカフェ」で販売した理一郎のドリンクが
 グラウンドメニューになりました!
 見た目よりも甘さ控えめでとても飲み易かったです。
 太めのストローで啜ってください。
 

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【HANABUSAのニューヨークチーズケーキ~焦げてしまったクッキー添え~】

⇒以前出したガトーショコラをNYチーズケーキにリニューアルされました。
 チーズの味が濃厚なのにもたつかないさっぱりめのチーズケーキに
 「鷹斗が焦がしたクッキー」はココアパウダーで焦げを表現してくれました!
 定番の紅茶のセットでどうぞ。
 

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otocafe04.jpg


【ルークのふんわりアセロラサワー】

⇒微炭酸のアセロラゼリーにオレンジを絞って投入。
 コラーゲンの入ったゼリーなので吸うとゼリーと微炭酸の不思議なのどごしでした。
 よく混ぜてどうぞ!

販売詳細については、後日更新されるオトメイトカフェ公式サイトをチェック!
サイトはこちら→http://www.paselabo.tv/collabotown/otomate/


うう……島もHANABUSA充したいです……。

すっごくどうでもいいんですが、先日ふと無意味に

「カフェ『HANABUSA』のロゴとか作りたい。楽しそう」

とひとり妄想してる時に
舞台で情報屋役の花沢さんが、キャストさんから「花さん」と呼ばれていることを知り

「カフェ『HANAZAWA』……いける……デザインのバランス的にもいい……」

とか意味不明なこと呟いていた島がいました。

……疲れてるのかなあ……。


さて、告知情報はこんなところで!
各コンテンツ、今後の続報もお楽しみに。


▼2/14は…………

全国の乙女の皆様。2/14はバレンタインでしたね。
島は身内の手作りチョコの試食を頼まれて胃がもたれました。

しかしCZではそんな行事以外にも、ひとつイベントがあるのです。

そう、2/14は…………


2/14は……


長こと芳宗さんの誕生日でもあるのです!!!! 
ハピバ!!!
ぱちぱちぱち!

えっと……プレゼントは……しぐれさん人形とか……?
新しい杖とか……着物とかもいいかもしれません。

というわけで、せっかく久々に出てきたので、
小話でも置いていこうかなと思いまして。
そしてCZファンの乙女にプレゼントということで、
長誕生日とはべつのものも置いていきますね。

長誕生日はこちら
2014年バレンタインはこちら
2020年バレンタインはこちら

※本編とは切り離したパラレルとしてお楽しみください。
※主人公名は撫子表記とさせて頂いています。
※本編のネタバレを多く含みます。
※一部ドラマCD「『それから』の記憶 ~ぼくらの中学生日記~」のネタバレを含みます。

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■Happy Birthday Dear……?


――2020年某日、有心会内部


@楓
「どーしたんすか、殿先生。
いきなり大事な話があるとかって……。
あ、明日の夕飯、ちゃんと殿先生の好きな豆乳鍋にしましたよ!」

@哲学者
「む、それはありがたい。
しかし事態は明日の夕餉よりも深刻だ」

@反逆者
「そりゃ、大事件だな。
で? 珍しく真剣な顔してどうしたってんだ」

@哲学者
「……うむ。実はな。
我らは重大な点を見過ごしていた」

@反逆者
「……ターゲットに関わることか?」

@哲学者
「……いや、違う。
芳宗の誕生会の準備をしておらぬことに気付いたのだ」

@反逆者
さーって、そろそろ寝るか。
てめえらも夜更かしすんなよー。
明日は居住区のほうに偵察だからな」

@哲学者
「待つのだ。
そなた、この重要性がわからぬと言うのか?」

@反逆者
「わかりたくもねえよ。なんだ、芳宗の誕生会って。
いまだかつてない違和感のある響きだぞ。
いっそ豆乳鍋のほうが大事だろふざけんな

@楓
「そうっすねえ……長も祝われる年じゃないし。
むしろそんなことで浮かれるなってオレら殴られますよ」

@哲学者
「まったく……そなたらは、あやつのことをわかっておらぬ。
あやつは寂しい男だ。手負いの獣のようでいて……
吟遊詩人のように愛を求め彷徨っておる――」

@反逆者
「楓、明日の朝飯は魚が食いてえ」

@楓
「あ、了解っす」

@哲学者
「聞け。――組織内の士気にも関わることだ。
近頃、派閥が出来つつあることは分かっておるだろう」

@反逆者
「…………」

@楓
「長派と、若派っすね」

@哲学者
「うむ。方針の違いは致し方ない。
いつかは袂を分かつ時が来るであろう。
……しかし、今ではない。
今は政府に対し、確固たる結束力を持たねば
内部から脆く瓦解する」

@反逆者
「それらしいこと言ってっけど、
べつに芳宗の誕生会とかふざけた名目じゃなくても
解消できることだろ?」

@哲学者
「タイミングとしては最良であろう。
なにより芳宗はこの組織の統率者。
その権威を構成員に知らしめるのはそれほど愚策か?」

@楓
「なるほど……やっぱ殿先生って頭いいっすね!」

@反逆者
「いや、こいつは絶対楽しもうとしてるだけだ」

@哲学者
「まあ、要約すればそうだが」

@反逆者
「否定しろよ!」

@楓
「まあ、いいんじゃないっすか?
オレら下っ端はみんな、無礼講で騒げりゃ
それだけでテンション上がるし」

@反逆者
「能天気でうらやましい限りだな。
はあ……条件は3つ。仕事に支障は出すな。
ハメはずしすぎんな。オレを巻き込むな。
これが守れんなら勝手にしろ」

@哲学者
「む。最後のは承服しかねるな。
そなたを巻き込まないで誰を巻き込めと」

@反逆者
「どっかの誰かと違って、オレは忙しいんでな。
じゃ、ほどほどにしとけよ」

@楓
「え、若! ホントにいいんすか?
って……行っちまった」

@哲学者
「あやつは仕方ない。
素直には祝えない事情もあるのだろう。
では……正式に明日の戦略を練るとするか。
楓、これは有心会の未来に関わる。心してかかるのだぞ」

@楓
「は、はい!」


◇    ◇    ◇   ◇    ◇    ◇


――――翌日。


@構成員1
「あ、長……っ!
お……おはようございます!」

@長
「ああ」

@構成員1
「あ、あの……っ」

@長
「……? なんだ」

@構成員1
「お、お誕生日おめでとうございます!」

@長
「…………ああ?」

@構成員1
「ひいいい! 失礼します!」

@長
「…………?」

@構成員2
「長! お誕生日おめでとうございやす!!」

@長
「…………」

@構成員3
「おめでとうございます!」

@長
「…………………」

@構成員4
「長、ここにいたんですかー!
誕生日おめで――ぐはぁっ! いたっ痛い!
なにするんですか、長ああああ」


@長
「てめえら、なんのつもりだ。
俺に対する嫌がらせか? 答えろ」

@構成員4
「いだだだだだ!
ち、違いますって! その、楓が――」

@哲学者
「おお、ここにおったのか。探したぞ」

@長
「…………なるほど。お前の仕業か」

@楓
「あ、あの。殿先生。
長がマジギレ5秒前っていうか既にキレてんですけど

@哲学者
「そなたの生誕を祝おうと思ってな。
準備しておった。ああ、仕事に支障は出しておらぬ。
若頭からきつく言い含められたのでな」

@長
「……相変わらず面白い奴だな、お前は。
俺が喜ぶとでも思ったのか?」

@哲学者
「いや、そなたは喜ばぬかもしれぬが。
近頃、組織内に広がる不和をいかにして
和らげられるかを考えたところ、こう帰結した」

@長
「つまり、名目か。
……そうだな。最近たるんでるのは確かだ。
ここらでバカ騒ぎでもして引き締めるのはいいだろう」

@楓
「い、いいんっすか?」

@長
「酒盛りは許可する。ハメをはずしすぎるな。
仕事に支障を出さないことが条件だ。
それから、俺はいい。今日は……気が乗らん」

@哲学者
「感謝する。では、そなたの誕生会を名目に
おおいに騒がせてもらうとしよう。
それから、これは私からの贈り物だ」

@長
「…………呪いの絵か?」

@哲学者
「失礼な。私が描いた掛け軸だ。
そなたの部屋に飾るといい」

@長
「……まあ、受け取ってやろう。
楓、後で俺の部屋にも酒持ってこい」

@楓
「へ、へい!」

………………。

@哲学者
「うむ、成功と呼べるだろう。
これで心置きなく……楓、どうしたのだ?」

@楓
「いや、これ確実にオレが説教されますよね?
長の部屋に酒持ってったらそれがオレの最後の姿っすよね?」

@哲学者
「? なぜだ? 芳宗は理解してくれたではないか」

@楓
「長は殿先生に甘いんですよ!
組織に必要な人材だし、滅多に怒らねえじゃないっすか!
オレ絶対後で殴られますよおおおお」



◇    ◇    ◇   ◇    ◇    ◇


@長
「……珍しい。今宵は月が見えるな。
酒の肴にはちょうど良いか」

@反逆者
「芳宗。ちょっといいか」

@長
「……入れ。何かあったか」

@反逆者
「今日の偵察の報告書だ。
あと中立団体のやつとコンタクト取ってみたが
懐まで入るのは時間かかりそーだな」

@長
「そうか。ご苦労。
政府に関わる情報は増えたか」

@反逆者
「いや? 今日のは一般市民の勧誘と
中立団体の動向探るのが目的だからな」

@長
「なら報告書は持って帰れ。
組織の人材についてはお前に任せる」

@反逆者
「……いつにも増して、やる気ねえな。
感傷にでも浸ってやがんのか?」

@長
「なんの話だ」

@反逆者
「……相変わらず、政府しか見えてねえって話」

@長
「……なに?」

@反逆者
「あんたが……少しもこの組織のこと考えねえんなら
しぐれは取り戻せねえよ」

@長
「しぐれを取り戻せない、だと?
てめえこそ、なにふぬけたこと言ってやがる」

@反逆者
「事実だろ。
政府内部にいくらスパイ送り込んだところで
人海戦術じゃ限界があるんだよ。
有心会の構成員として信念もなにもねえやつを
頭数だけ合わせて政府と対抗させたって意味ねえ」

@長
「…………」

@反逆者
「一般市民の情報集めんのも、他の組織と交渉すんのも、
有心会の維持と拡大に必要なことだろうが。
オレらは最終的に自由を取り戻すのが目的だ。
しぐれが目的じゃねえんだよ」

@長
「表向きはそうだ。だが、俺は違う。
お前にはわかっているだろう」

@反逆者
「あんたにだってわかってんだろ。
有心会を組織として確固たるものにしたほうが
しぐれ奪還への近道になるってな。
結局、あんたのしてることは遠回りだ」

@長
「…………」

@反逆者
「今日だってな、誕生日とかふざけたのに付き合えねえのはわかるが
まだあんたを慕ってる奴は、あんたが顔出しゃ嬉しいんだよ。
あんたを怖がる奴は多いが、それだけ力を認めてるってことだろ」

@長
「今日は口数が多いな。珍しいこともあるものだ」

@反逆者
「……茶化してんじゃねえよ」

@長
「感傷に浸るのも無理はないか。
お前は、あいつへの情は忘れていないようだからな。
今日は……しぐれの生まれた日でもある。
……あいつは今、どうしているだろうな」

@反逆者
「…………どうせ、人の分まで飯奪い取って
腹膨れたらぐーすか寝てるとかだろ」

@長
「ふ……そうかもしれん」

@反逆者
「芳宗。
オレは……いつかここを離れるぜ」

@長
「…………しぐれを取り戻せ。
俺とお前の望みが一致するのはそこだけだ。
そして、それを成すのは俺じゃない。お前だ」

@反逆者
「……ああ。そうだな。あんたには無理だ。
しぐれに執着してるあんたじゃ……
臆病で行動に出られねえ」

@長
「………………」

@反逆者
「は……殴らねえんだ?
あんたこそ、今日はやけに素直じゃねえか」

@長
「月見酒が美味いからな。全て戯言にしてやる」

@反逆者
「……報告書は置いとくぜ。
表向きでもいい、今はあんたが頭なんだ」

@長
「酒には付き合わないのか」

@反逆者
「はっ、誰が。
悪いがオレは、あんたの誕生日を祝ってやるような
優しい心を持ち合わせてないんでね。
しぐれを祝うなら、ひとりのがマシだ」

@長
「……同意見だな」


………………。


@長
(臆病、か。
……あいつの言う通りだ。俺は変わらねえな。
しぐれ、結局お前を迎えに行ってやれない。
昔からお前に追いつけず、捕まえられずに見失う)

@長
(……俺はまた、待つことしか出来ねえでいる。
この手にあいつを取り戻す日を、こんなにも焦がれてるというのに)

@長
(だが俺は……お前を失う瞬間を、この目で見るくらいなら……)



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……ということで。長誕でした………。
あれ……? 誕生日とは思えない暗さ……なぜだろう……(笑)
最初はぶっとんだギャグでお贈りしようと思っていたのですが。
なぜだろう……(笑)

しぐれさんも長と同じ誕生日、という設定です。
特に深い意味はなく、偶然です。長は「運命だな」と素で思ってます。

長としぐれが同じ誕生日……しかもバレンタイン。
ギャグじゃないんです。決してギャグじゃないんです。






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■2014 St. Valentine's day


――2月14日。秋霖学園中等部 教室


@女子生徒1
「あの……加納先輩!!」

@理一郎
「……なに」

@女子生徒1
「これ、あの、バレンタインのチョコレートです。
よかったら受け取ってください。本命です……!」

@理一郎
「…………」


@女子生徒1
「ダメ、ですか……?
やっぱり九楼先輩と付き合ってるからダメなんですか!?」

@理一郎
「は? いや、付き合ってないけど」


@女子生徒1
「! だ、だったら……」

@理一郎
「付き合ってない、けど。
受け取れない。受け取っても、応えてやれないし」


@女子生徒1
「……いいんです!
受け取ってもらえればそれでいいです!
夢に出るほど大好きです! それじゃ!」

@理一郎
「ちょっ……おい、待て、これ……っ」


@理一郎
「……まったく、なんでこう強引なんだ」

@央
「罪な男だねえ」


@理一郎
「ああ。……ってうわっ!
いつからいたんだよ、央」


@央
「『受け取っても、応えてやれないし。キリッ』
のところあたりから」

@理一郎
「声かけろよ……」


@央
「みんなで一緒にどっか寄って帰ろうって話だったのに
いつまでも来ないからさ。呼びに来たんだよ。
そしたら絶賛青春タイムだったから、空気読まなきゃでしょ」

@理一郎
「なんでこういうときだけ空気読むんだよ。むしろ読むな」


@央
「にしても、すっごいなあ。
ただでさえチョコ獲得数1位なのに、また増えてるじゃない。
あの子なんて夢に出るほど好き、だって」


@理一郎
「勝手に夢に出演させられても困るだけだ」

@央
「なら断ってあげればいいのに」


@理一郎
「断っただろ」


@央
「全っ然ダメ。あれじゃ受け取り拒否になってません。
なんか隙があるんだよねー、りったんは」


@円
「そうですね。
押し倒せばいけるんじゃないかって
噂している女子はよく見かけます」

@央
「怖いよねー女の子って」


@理一郎
「円まで、いつの間に……」


@円
「夜道に気をつけたほうがいいですよ。
りったんさん」


@理一郎
「怖いこと言うなよ……」

@撫子
「みんな、まだここにいたの?
遅くなっちゃうわよ。帰りましょう」

@央
「ごめんごめん。
りったんがまたチョコもらっててさ」

@理一郎
「おい……っ、余計なこと言うな」

@撫子
「……本当にすごい量ね。
持って帰れるの? 理一郎」

@理一郎
「置いていくわけにはいかないだろ」


@円
「……そういうところが
隙なのだと思いますが」

@撫子
「そういえば、C組の千賀さんにも
理一郎がどこにいるか聞かれたけど」


@理一郎
「……帰るぞ。今すぐ」

@撫子
「……いいの?
それにしても、この量だと
食べるのが大変そうね……」

@理一郎
「こんな量、食べきれるわけないだろ。
……家族で分けるか……。
自分で食べるのはひとつだけにしとく」


@撫子
「ええ? こんなにあるのに
ひとつだけって――」


@理一郎
「おまえのだよ。わかれバカ」

@撫子
「え」


@円
「……おや」


@央
「おお~。逆本命宣言?」


@理一郎
「……行くぞ」


@撫子
「ちょ、ちょっと理一郎! 待ってよ!」




――同日。秋霖学園中等部 中庭


@鷹斗
「ごめん、遅くなって。
俺に用事って、なにかな」


@女子生徒2
「……これ、チョコレート。
もらって欲しいの」

@鷹斗
「……ありがとう。
でも、ごめん。受け取れないんだ。
俺、好きな子がいるから」

@女子生徒2
「知ってるわ。
でも、付き合ってるわけじゃないんでしょ?
私は海棠くんのこと……好きなの」

@鷹斗
「……君が俺のこと好きって言ってくれるように
俺も、その子のことが本当に好きなんだ。
君の気持ちがわかるから……期待させるようなこと、できないよ」

@女子生徒2
「そんな言い方、ずるい……」

@鷹斗
「好きになってくれてありがとう。
でも俺は、ずっと変わらないから。
……もう行かなくちゃ。ごめんね」

@女子生徒2
「…………っ」

……………。

@寅之助
「あーあ、泣かせてやがんの。
悪い男だなー、海棠」


@鷹斗
「……悲しませちゃったよね。
はあ……。断るのって、すごく苦しいんだ。
自分もこう言われるかもしれないって思っちゃうし」


@寅之助
「期待させらんねえからって断ってるんだろ。
中途半端よりは優しいんじゃねえ?」

@鷹斗
「違うよ。
俺は、撫子に誤解されたくないから断ったんだ。
……自分のためだよ」

@寅之助
「……おまえって、性格悪いよな」

@鷹斗
「やっぱり、そう思う?」


@寅之助
「ま、オレは嫌いじゃねえけどな、そういうの」


@鷹斗
「西園寺くんは?
もらえるものはもらっておこうってタイプかな」


@寅之助
「オレは直接渡されたことねえし。
捨てるわけにもいかねえから、もらってるけど。
おまえも机の中に入ってたりしただろ。
そういうのはどうすんだよ」

@鷹斗
「名前は書いてあるからね。
ちゃんとその子のところに行って返したよ」

@寅之助
「マジかよ……女子達の好感度ダダ下がりなんじゃね」


@鷹斗
「かまわないよ。
俺が欲しいのは、ひとつだけだから」


@寅之助
「ふーん。やっと本気出すんか」


@鷹斗
「うん。君にも負けられないし」


@寅之助
「は? なんでオレが出てくるんだよ」

@鷹斗
「このまえ、撫子から聞いたんだ。
イルミネーションを観に行ったんだってね。
夜に、2人っきりで」


@寅之助
「……男の嫉妬は見苦しいぜ?」


@鷹斗
「あはは。彼女に嫌われない程度にしとくよ」


@寅之助
「はっ、誰がおまえ相手に勝負しようとか思うかよ。
……アイツとは出かけたんじゃねえ。
たまたま会ったから成り行きで付き合っただけだ」


@鷹斗
「そっか」

@寅之助
「安心しろよ。
今のとこアイツを奪おうとか思ってねえから」


@鷹斗
「今のところは、なんだね」


@寅之助
「……そうだな。今のとこは、な」




――同日。秋霖学園中等部 エントランス


@女子生徒3
「ね、ねえ、来たよ……!
どうしよう、せーので目瞑って渡そ!」

@女子生徒4
「う、うん……!!」

@???
「ん? なんだ?」

@女子生徒3&4
「「あの……っ!
これ受け取ってください!」」

@楓
「えっ、オレに!? くれんの!?」

@女子生徒3
「え!? って、篠宮?
なんでこんなところにいるの?」

@楓
「なんでって。帰ろうとしてただけだよ」


@女子生徒4
「なによもー、びっくりさせないでよ。
間違えちゃったじゃない」

@楓
「あー、はいはい。人違い、ね……。
だよなー。超知ってた。
はあ……今年もゼロか……」

@女子生徒3
「ここで待っててくださいって手紙書いたのに
来てくれないのかな……」

@楓
「……誰待ってんの」


@女子生徒4
「……2年の時田先輩」

@楓
「あー、あのモデルのセンパイな。
びっくりするほどキレ―な顔してるやつ」


@女子生徒3
「ねっ! だよね! 王子様みたい!」

@楓
「でもあの人、中身がなんつーか、変っつうか……」


@終夜
「私を呼び出したのは、そなたか? 楓」

@女子生徒3&4
「「時田先輩!!」」


@楓
「いや、違いますけど。こっちです」

@女子生徒3&4
「「あの、これ、受け取ってください!」」


@終夜
「む。良いのか? ありがたく頂こう。
そなたらの気持ち、しかと受け取った」


@女子生徒3&4
「「きゃーーーーーっ!」」


@楓
「行っちまった。足はえーな。
……罪な男っスねー、時田センパイ」

@終夜
「罪……そうだな。
確かに私は罪を背負っておる。
やはり……そなたには、わかるのか……」

@楓
「いや、そんな深刻なノリじゃないっすけど」

@終夜
「それにしても、そなたは元気そうだな。なによりだ」

@楓
「人違いで無駄な期待させられてわりと傷心っすけどね。
っつーか、あんたさ。なんでオレに構うの?
オレ、あんたと親しくねえのに。なんでか名前で呼んでるし」

@終夜
「…………うむ、そうだな……。
そなたの心意気を買っておるのだ。見どころがある」

@楓
「はあ。そりゃどーも。変な人だなあんた。
あの西園寺……センパイとダチとか信じらんねえ。
学年も違うのに」


@終夜
「友情を育むのに歳の差は関係ないぞ。 
して、そなたは何故、寅之助に突っかかるのだ?」

@楓
「あの人がこの学園で一番強いから。
この学園っつーか、このへんの地域じゃ負けなしだろ。
あの人に勝ったらオレがいちばんじゃん」


@終夜
「ふ……」

@楓
「?」


@終夜
「ふふ、ははは。そうか、確かにそうだな」

@楓
「なんで笑ってんの。よくわかんねえ」

@終夜
「すまぬ。……嬉しくて、ついな。
そうだ。このあとに寅之助たちと集まるのだが、
そなたも来るといい。紹介したい女子がおるのだ」

@楓
「は? なに、女子紹介してくれんの?
さ、さすが芸能人……そんな、さらっと」

@終夜
「うむ、九楼撫子と言ってな。
きっとそなたと気が合うだろう」

@楓
「それって……噂のお嬢様だよな。
元生徒会長とか西園寺センパイとかとつるんでるっていう。
なんで? どう考えてもオレが手出せるタイプじゃ――」

@終夜
「それではゆくとしよう。
ふ、今日はきっと良き日になるぞ……!」

@楓
「は!? ちょ、待てって……!」


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秋霖学園中等部のバレンタインでした。罪な男シリーズ。
ドラマCDでバレンタインのシーンがちょこっとあるんですが
それの裏話的な位置づけになっています。

ちょっと色々冒険してみましたが、ブログでの小話ということで
あくまで「もしも」とお考えくださいませ!

いやあ、あまずっぱいですね。
ちょっと大人になった彼らのバレンタイン。
高校時代はもっと甘酸っぱそうだなあ(笑)




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2020 St. Valentine's day



※「壊れた世界」の、わりとEND後設定です。ご注意ください。

※最後のだけEND後設定ではないです。

【case.King】

@撫子
「はい、どうぞ」

@キング
「……ありがとう……!
その、開けてもいいかな」

@撫子
「当たり前じゃない。
一緒に作ったんだから中身は想像通りよ」

@キング
「それでも、俺にとっては特別だから。
君からバレンタインチョコをもらえるなんて夢みたいで……」

@撫子
「ふふ、相変わらず大げさね」

@キング
「……すごく美味しそう。
君のおかげで、俺が手伝っても失敗しなかったし。
食べちゃうのがもったいないな」

@撫子
「ダメよ。溶けちゃうから早く食べましょう?」」

@キング
「うん。あ……そうだ、我侭言ってもいい?」

@撫子
「なに?」

@キング
「……これ、君に食べさせて欲しいな。……なんて」

@撫子
「…………」

@キング
「あ、えっと、君の分は俺が食べさせてあげるから……!
……じゃなくて、ごめん恥ずかしい話なんだけど、
俺ほんとにバレンタインに憧れてて……」

@撫子
「あなたなら、子供の頃にもたくさんもらってそうだけど……」

@キング
「ううん。そうじゃなくて、君と過ごせるバレンタインをね。

君がこうして俺の傍で笑ってくれて、一緒に料理をして、
俺だけにってチョコレートを贈ってくれる。
そんなの、都合のいい幻想だって思ってたから」


@撫子
「……こっちに来て。一緒に食べましょう。
その、食べさせてあげる、から」

@キング
「……どうしよう。本当に夢みたいだ」


【case.Wanderer】


@撫子
「はい、どうぞ」

@放浪者
「どうも」

@撫子
「……それだけ?」

@放浪者
「なにが」

@撫子
「なにかもっとこう……ないの?」

@放浪者
「ここでオレがハイテンションでもおかしいだろ」

@撫子
「それにしたって……
……『私』からもらうのは、久しぶりでしょう?」

@放浪者
「……そうだな。
正直、自分でも引くぐらい浮かれてるし喜んでる」

@撫子
「……そうは見えないんだけど」

@放浪者
「嬉しすぎて、素直に喜べないんだよ。
実感ないっていうか……やっと実感したっていうか」

@撫子
「……じゃあ、私が素直になるわ。
あのね。ものすごく頑張って作ったのよ。
子供の頃に私が作ったお菓子なんてたかが知れてるでしょう?
それに、あなた子供の頃からたくさんもらってたから、他の子には負けたくなくて……。
世界で一番美味しいって思ってもらいたくて、頑張ったの」

@放浪者
「おまえな……」

@撫子
「……呆れた?」

@放浪者
「呆れた。
そんな気負わなくたって、世界一に決まってるだろ。バカ」


【case.Bishop】

@撫子
「はい、どうぞ」

@情報屋
「わ、ありがとう!
大事に食べるね、撫子ちゃん」

@撫子
「無難に美味しくできてると思うんだけど……。
材料調達してもらえて助かったわ」

@情報屋
「そりゃ、君からバレンタインチョコがもらえるなら
世界の果てでも探しに行くよ?」

@撫子
「ふふ、なに言ってるのよ」

@ビショップ
「ちょっと」

@撫子&情報屋
「え?」

@ビショップ
「え? じゃないですよ。いや、意味がわかりません。
なにイチャイチャしてるんですか意味わかりません。
人の彼女を取らないでください」

@情報屋
「取ってないよ。
おまえだって、ちゃんともらったじゃない」

@ビショップ
「……もういいです。
撫子さん、ちょっと来てください」

@撫子
「なあに? また怒ってるの?」

@ビショップ
「怒ってません。でも八つ当たりさせてください。
今日はバレンタインなんでしょ。
あなたが作ったチョコ、たっぷり味わわせてもらいますから。
――あなたも一緒に、ね」

@撫子
「な……っ」

@ビショップ
「ということで、しばらくこの部屋には近づかないでくださいね」

@撫子
「ちょっと待っ……」

SE:バタン、と扉が閉じる音

@情報屋
「……撫子ちゃん、グッドラック」



【case.Traitor】


@撫子
「はい、どうぞ」

@反逆者
「あ? なんだこれ」

@撫子
「バレンタインのチョコレートよ。
今日あたりその季節なんでしょう?」

@反逆者
「ふーん。
で? あいつらにも渡したんだろ」

@撫子
「ま、まあ……。
お世話になってるし、楓とかも、欲しがってたし」

@反逆者
「ま、あんたがしそうなことだな」

@撫子
「……珍しいのね。怒らないの?」

@反逆者
「怒って欲しいのか?」

@撫子
「べつに、そういうわけじゃないわ」

@反逆者
「他の構成員の奴らにやれば、
オレがいい気はしねえってわかってて、
あえて配って回ったわけだ。
……オレの気を引きたかったってことか?」

@撫子
「ちっ、違うわ! なんでそんな――」

@反逆者
「そう考えたら悪くねえか。
焦ってももう遅いってわかってるよな、お嬢」

@撫子
「ちょ、ちょっと。近い……っ!」

@反逆者
「チョコはありがたくもらっとくぜ。
けどな、他の奴らと『同じ』で済むわけねえよな?
オレだけの特別なもん、くれるんだろ?」



【case.Philosopher】

@撫子
「はい、どうぞ」

@哲学者
「おお、なんだ。……びっくり箱か?
私は驚くのはあまり得意ではないのだが……」

@撫子
「バレンタインのチョコレートよ。
今日は体調もいいみたいだし、
せっかくだから作ったの」

@哲学者
「……! そうか……。ありがとう、撫子。
生涯の宝として大事に頂くとしよう」

@撫子
「痛むの早いと思うから、
できれば今日食べてね」

@哲学者
「うむ……食べてしまうのは惜しいが、仕方ない。
……撫子、近くに来てくれぬか」

@撫子
「? どうしたの?」

@哲学者
「もっと、近くだ」

@撫子
「…………っ、あの」

@哲学者
「……御礼に、愛の数だけキスを贈ろう。
3倍返しが通説と聞くからな。一ヶ月も待てぬ。
そなたへの愛を今すぐに伝えられぬなど、拷問だ」

@撫子
「…………っ」

@哲学者
「今日がバレンタインであろうと、七夕であろうと
私はそなたを瞳に映せているうちに、愛を伝えたい。
……我侭だろうか」

@撫子
「……ううん。
私も……今すぐ、お返しが欲しいわ」



【case.Rook】

※政府内にて。

@撫子
「はい、どうぞ」

@ルーク
「ありがとうございますー。
チョコレートですか。嬉しいですねー」

@撫子
「材料が揃ってよかったわ。
少ないけど……甘い物、好きだったわよね」

@ルーク
「はいー。大好物ですよー。
糖分足りなくなると頭働かないんで
助かりますー。……で、撫子くん」

@撫子
「なに?」

@ルーク
「キングにも、あげたんですよねー?」

@撫子
「……あげてないわ」

@ルーク
「なるほど。そうですよねー。
って……ええ? あげてないんですかー?
それまたどうして」

@撫子
「……どうしてだと思う?」

@ルーク
「……? またキングが変なことでもしましたー?
じゃあ、あなたのチョコレートを堪能できるのは
ビショップくんとボクだけですか。
キングに内緒にしないと後が面倒ですねー」

@撫子
「……あげてないわ」

@ルーク
「え?」

@撫子
「今回は、あなた限定よ」

@ルーク
「ええー……?」

@撫子
「……どうしてだと思う?」

@ルーク
「あのー、ちょっと待ってください。困りますー」

@撫子
「……ごめんなさい。困るわよね。
その……あなたが疲れてるって聞いて
ちょっと思いついただけで……気にしないで」

@ルーク
「違いますよー。
困ったことに、嬉しいんです。
あなたのチョコレートを独占できて、ね」

@撫子
「え……?」

@ルーク
「……ほんと、困りました。
ホワイトデーのお返し、楽しみにしててくださいねー?」

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ということで、壊れた世界verのバレンタインでした。
設定が設定なので……気を付けることが多すぎる……(汗)あえて短めに。
本当は昔クリスマスでやったようなオールキャラでやろうと思ったんですが
長ったらしくなる上に某キャラが暴走しかしなかったのであきらめました。

――その名も、バレンタイン大作戦。
2/14、バレンタイン当日。キングがある人物達を集めた。
その場には、政府の大幹部だけでなく、有心会の中心人物、
そして中立の立場である者までも一堂に会していた。

キングは告げた。
『もうすぐバレンタインが終わってしまう。早急に時を止めなければならない』
どうしたら、撫子からチョコレートをもらえるのか。
それを全員で話し合うために――。


反逆者「頼むから終わってくれ」

という。やらなくてよかった。反逆者の喉が嗄れるところだった。

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……長い!
なかなかワリコミに来れないので、
来れたときは盛大にやってしまおうがモットーです。

……やりすぎた気もする。
すみません。とりあえず謝っとこう。


発売から3年以上が経ちましたが、
最近また色々と盛り上げて頂けて嬉しい限りです。
末永く愛して頂ける作品であることを祈って。

舞台やミュージアムを始め、期間限定のものも多いので
ぜひ心ゆくまでお楽しみ頂けたら幸いです。

それでは、また!



 

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