夏空のモノローグ その13

オトメイトスタッフブログをご覧の皆様、こんにちはー。
【夏空のモノローグ】担当、デザインファクトリーの一(にのまえ)ジョーと申します。

第13回更新です!

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【夏空のモノローグ】!!

明日 7月29日 土岐島高校科学部で
あなたの来訪をお待ちしています!
それでは更新いってみましょう!
本日の【夏空のモノローグ】blogスタート~。


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『夏空最新情報』
今回は新規&既存情報となります。

■カウントダウンイラスト企画
 現在、7/28(水)時点のこのページ上部でも表示されていますが、
 【夏空のモノローグ】発売カウントダウンイラストが掲載中です。
 本日のイラストは限定版同梱の設定資料集を眺める一輝と、
 ドラマCDの内容に思わず笑ってしまった涼太。
 二人の反応の理由が気になる方は、是非限定版のご購入を!

 明日、発売当日の記念イラストもお楽しみに!


■B's-LOG様
 今月発売号はろく丸、描きおろしイラスト & オリジナルss掲載、
 更には爽やかなイメージイラストも併せてお送りします。
 そして編集部様による先行プレイメモが掲載。
 【夏空のモノローグ】をもっと知りたい! という方にはオススメです!

 そして、3号連続キャストインタビュー。
 今回のインタビューは

 浅浪皓 役 / 井上和彦 様
 綿森楓 役 / 岡本信彦 様

 のお二人の収録直後の生の感想が掲載中です!
 【夏空のモノローグ】の魅力をしっかりと伝えてくれること間違い無しです!


■オトメイトSQUARE
 インターネットラジオステーション<音泉> にて、
 7月は≪夏空のモノローグ特集≫が行われています。
 ゲストとして木野瀬一輝 役 / 阿部敦 様も出演されています!
 【夏空のモノローグ】収録時秘話も話されているので、
 チェックしてみてくださいね!


■公式サイト
 各店舗様の予約特典ドラマCDが公開されています。
 限定版を予約すれば、更に限定版ドラマCD&予約特典、合計3本の
 ドラマCDがゲットできます!
 是非是非、各店舗様をチェックしてくださいね!
 また、【夏空のモノローグ】製作秘話なども掲載されています!


■オトメイトモバイル
 夏空のオープニングムービーが、オトメイトモバイルで
 何と無料で配信開始されています。(8/10まので期間限定)
 キャラクターイラストの待受画像も配信しています。
 これでゲーム発売日まで、いつでも夏空の雰囲気が味わえますね。

 あと、ゲーム発売日にはろく丸の描きおろしイラストの
 待受配信もあるので、そちらもお楽しみに!


以上、『夏空最新情報』でした~。


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そして、発売日前日ということで、
彼女がまたかけつけてくれました!
【夏空のモノローグ】 原画担当 ろく丸です!
それではコメント、どーぞっ!




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こんにちは、原画のろく丸です。
発売を明日に控えじんわりと盛り上がっている【夏空】へ、
応援のお便りありがとうございます!
期待の声や暖かいメッセージに心癒されてます。
一Dが多忙のため、頂いたメールをご紹介する機会が設けられるかどうかはわかりませんが、
今後も
こちらからお気軽に送ってくださいね。
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http://blog.otomate.jp/portal/contact.php
-----------------------------------------------------
ご意見、ご感想を心からお待ちしております!

さて、オトメイトモバイルの記事にもあったように、
発売記念用の待受画像の描き下ろしも用意しました。
今回はその一部をお見せいたします。


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大事そうに胸に抱えている本。
『彼』にとって、この本はちょっとしたキーアイテムになっています。
なぜ大事そうに抱えているのか。なぜそんな表情をしているのか……。
何か深い事情がありそうな一枚です。
というわけで、発売日にはもオトメイトモバイルも要チェックですよ!

それでは、また明日お会いしましょう。


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ろく丸、ありがとう!
さてお次は、毎週書き下ろしssです!

体験版をまずはぜひプレイしてみてください。
そうすることによって、よりこのssを楽しむことができるはずです。

毎度毎度違ったテーマによって、
【夏空のモノローグ】の世界を紹介していく形となります。
ギャグもあればシリアスもあり……これらもまた、
紛れも無い【夏空のモノローグ】の一部ですので見逃すことなく、
毎回読んでいただければ幸いです!

今回のお話は、本日【7月28日】のお話。
それでは早速……夏空webss第9回、スタートです!




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【連載webss 第9回 7月28日】

7月28日――。

私は、部会の始まる時間より1時間早く部室に来た。

まだ午後を少し回ったばかり。

いつもならお昼休みになる時間だ。

学校はもう夏休みに入ったし、自由参加の夏期講習も明日から。

学校は静まりかえっていて、まるで時間が止まっているようだった。

部室にはまだ、部長さんと私しかいない。

部長さんは、私が来たときにはもう、部室で本を読んでいた。

いつもは遅れてくることの方が多いのにどうしたのかと尋ねたら。

ここで少し考え事をしたかったのだと、そんな答えが返ってきた。

今は本を読むこともやめて、ただぼんやりと窓の外を見つめている。

普段はとても元気な部長さんが、なぜか今日に限ってずっと黙ったままだ。

静かなのは嫌だな。

暗い考えばかり頭に浮かんでしまう。

明後日、7月30日には科学部は廃部になって、この部室も使えなくなる。

みんなと会う機会も減ってしまうだろう。

世界で一番大切な、私の居場所がなくなってしまう。

「部長さん?」

憂鬱な気持ちを紛らわそうと、私は部長さんに声をかけた。

「ん?」

「今……何を考えていますか?」

「……とてもくだらないことを考えていたよ」

部長さんはそう言って微笑み、また窓の外に視線をやった。

 

それから少し時間が経って、みんなが集まってきた。

木野瀬くんに、カガハルくんに、部長さんに、篠原くん、それから先生。

科学部のフルメンバーだ。

いつもの部会では、部長さんが何かとんでもないアイディアを出して、
私たちはそれに振り回されているうちに1日が過ぎていくのだけど……。

けれど、今日はなんの提案もなかった。

部会とは名ばかりの、目的のない、ゆっくりとした時間。

ただみんなで雑談をしたり、ゲームをしたり。

笑ったり怒ったり忙しくて……。

なんだかいつもより、ずっとずっと楽しかった。

私もたくさん話して、たくさん笑った。

そして楽しければ楽しい分だけ、なぜか悲しくて仕方がなかった。

終わらないでほしいと思っていた。

この楽しい時間がずっと続いてほしいと思っていた。

 

その夜のこと――。

全く眠ることができなかった私は、ひとりで家を出た。

行き先は決まっている。

学校の部室だ。

私が落ち着ける場所なんて、そこしかない。

夜、学校に向かう道は暗く静かだった。

夜空は美しく、虫の声が大きく聞こえた。

ひと気のない夜の道は、怖くないと言えばウソになる。

でも、自分の部屋でじっとしているよりは気が紛れるのも事実だ。

なにより――。

もうすぐ消えてしまう大切な場所を、少しでも長く感じていたかった。

坂道を上り、学校にたどり着く。

誰もいないことを確認して、校内に入り込んだ。

月明かりに照らされたグラウンドは、昼間とは全く違う場所のようだ。

部室棟の階段を上り、科学部のドアの前へ。

鍵を開けようとして、異変に気付いた。

「……鍵、開いてる」

誰か鍵を閉め忘れたんだろうか。

そう思って中に入ると――。

男の人が驚いたようにこちらを見ていた。

こんな迫力のある顔の人を、私はひとりしか知らない。

「き、木野瀬くん?」

「……なんだ……お前か……」

木野瀬くんは深く息をついて、警戒を解いた。

「驚かせるなよ。泥棒かと思った」

「ご……ごめん」

「まあ別に、謝ることはないけどな……でも、どうしたんだ、夜遅くに」

「眠れなくて……落ち着ける場所はないかなって思って、
 そこが部室だったんだ……ごめん、どう説明していいのか、
 自分でもよくわからないんだけど……」

「……いや、なんとなくわかるな」

「木野瀬くんは?」

「うまく説明できないけど……多分、お前と同じだと思う」

木野瀬くんはそう言って笑った。

木野瀬君の笑顔はとても優しい。思わず微笑み返して、私は小さくうなずいた。

「……コーヒーでも入れるか?」

「ううん、いいよ。そこまでしてもらうの、悪いし」

「そうか」

「うん」

窓から月明かりが差し込んで、部室を青白く照らしている。

木野瀬くんの横顔も月明かりのせいか、いつもとは違う印象を抱かせた。

物思いに沈んでいるのか、どこか憂いをおびた表情。

彼を少し遠くに感じて、なぜか胸の奥が痛むような気がした。

「なあ……」

「え?」

木野瀬くんの言葉に我に返る。

「あのさ、もしよかったらでいいんだけど」

木野瀬くんは視線を逸らして、少し照れくさそうに、頬を掻いた。

「これから、ツリーを見に行かないか?」

「……どうして?」

彼は窓の外を見つめる。しばらく、何かを考えるような間があった。

「深い意味はないんだ。ただの思いつき」

木野瀬くんは私とは目を合わせずにそう言った。

拒む理由は特になかったし、なんとなく、木野瀬くんと一緒にいたかった。

いや……本当は、ひとりになりたくなかっただけなのかもしれない。

「……いいよ。行こう」

木野瀬くんは少しほっとしたようにうなずいた。

 

夜の森を2人で歩く。

月は道を白く照らし、目に映るもの全てがどこか冷たく、作り物めいていた。

ぽつりぽつりと話すのは、出会った頃の互いの印象や、科学部での出来事のひとつひとつ。

「ねえ、木野瀬くん」

歩きながら、私は尋ねる。

「これから、どうなっていくんだろうね」

「何が?」

「……わからないけど……」

「なんだよ、それ」

「……色々なことが、これからどうなっていくのかなって」

「うん……」

そう言ったきり、何も言わない。

変なことを聞いてしまったのかもしれない。

そんなことを考えながら歩いていると――。

ふと、木野瀬くんが立ち止まった。

顔を上げれば、目の前にはツリーがそびえている。

数え切れないほどの星を背景に、ツリーは天上に向かって伸びていた。

いつの間にか、ツリー広場についていたんだ。

下を向いていたから、気付かなかった。

私たちは無言でツリーを見上げた。

「……きれいだな」

「……うん」

「さっきの話だけどさ」

木野瀬くんはツリーを見つめながら言った。

「大丈夫だよ」

それはとても優しくて、同時に悲しい声だ。

私を慰めているというより、自分に言い聞かせているようだった。

「きっと大丈夫だから」

木野瀬くんの言葉をしばらく考えてから、私はうなずいた。

「……そうだね。きっと大丈夫」

本当は何ひとつ、大丈夫なことなんてなかった。

でも、私たちにはそう言うしか方法がない。

私たちの気持ちに関わらず明日はやってくる。

変わらないものなんて、この世界には存在しない。

それが嫌というほどわかってるから、私たちは大丈夫だと、自分に言い聞かせるのだろう。

涼しげな虫の声が私たちを包んでいた。

夜の紺色に星は瞬いていた。

月は青くツリーを照らしていて、世界は泣きたくなるほど美しかった。

7月28日の出来事。

この世界から明日が失われる、1日前の出来事だった。


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――科学部最後の日はいよいよ、明日。
その物語の行く末、どうぞあなた自身で確かめてください!
【夏空のモノローグ】、お楽しみに!

明日、29日には発売記念更新も行います!
是非見にきてくださいね!!



それでは、今回はここまで。
―ジョーでした。

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