ARMEN NOIR No.06 August 10,2010

暑い日々が続いておりますが皆様如何お過ごしでしょうか。
【アーメン・ノワール】ディレクター、デザインファクトリーのサイトウです。

今日は8月10日ということでハット(帽子)の日かなぁ~なんて勝手に想像してたんですけど
全然、そんな日ではなかったみたいです。
……いや
ハットとは全くの無関係な日というワケじゃあないってコトをサイトウは知っているンだけど
ここで明かせないのは大人の事情なのでご勘弁を。

 

『夢限界楼』がなぜ『絶望』なのかは是非!! 本編をプレイしてください!!!
ってなコトを前回のブログで言ったンですけどね
まあ別に隠すコトでもないかなと思ったので今回はそのお話をしようと思います。

ANの物語の舞台となる『夢限界楼(メヴィウス)』ってゆう街っつーか都市はですね
ぶっちゃけ言うと『現代社会と通じる部分が結構あんじゃね?』と感じる街なんです。

するとね
現代社会も『絶望かい!』って意味かいっ!!ってなコトになるワケですけど――


――それを語る前にまず『夢限界楼』についてちょっと簡単に説明しときますね。
『夢限界楼』とは、超複合企業体の名称です。
平たく言えば会社名ですな。『株式会社 夢限界楼』みたいな。
で、且つ、街の名称でもある。『夢限界楼県』みたいな。
つまり、1つの都市っつーか県っつーか街が、丸々1つの企業なワケなのね。
で、超複合企業体だから、色々な企業が引っ付きあって1つの企業体、最近の言葉だとアレだ
ホールディングスとかいう体を成しているというワケ。
厳密に言うと違うんだけどこの際それは問題じゃないからスルー。
どんな企業がくっつきあってンのかっつーと、国家を形成する上で必要最低限の供給をもたらす企業。
ってゆーと難しいか。
うーんと
衣食住と金融と流通と消費を促す商品を提供する企業が相互のシナジー効果を持って成り立っている街。

――これもややこしいか?

うーんとアレだ
アメリカ合衆国ってあるでしょ?
なんちゃら州とかなんたら州とかいっぱいあるケド、それが全部合わさってアメリカって国なワケだよね。
『夢限界楼』がアメリカだとすると、そのアメリカを形成する各州が1つの業種に特化した企業だとして
それらがくっついて1つの国家規模的企業体の体を成しているのが『夢限界楼』というワケ。

でだ、上記を踏まえ解を求めていくと
つまり『アメリカ=企業』ってなワケで、するってーと『アメリカ人=社員』ってコトになるワケだね。
それをANに置き換えると『企業=夢限界楼』となり『社員=住人』となる。
従って
夢限界楼の人間は夢限界楼という名の企業の社員であり夢限界楼という街の住人でもある。
てーワケです。

なんかもっと簡単に説明できると思うンだけど、うーんすみません。

で、この夢限界楼ってゆう街っつーか、この場合は国家としておこうかな。
この国は、資本主義が国家の体を成しているだけの国なので何事にも『金』なワケですな。
(普通の国家もそーなんだけど!)
で、国っていうか企業なので、そして企業故に資本主義なので
ぶっちゃけ儲からないコトには一切手を出さないワケなんです。
企業として考えれば当たり前だよね。
ただ、一般的な企業には福利厚生とかゆーのもあるけどそんなモノ夢限界楼には無い無い!
そんな儲からないコトなんてやんない。
そもそも、企業と戦う労働組合的な組織なんてモンないからね。だから企業もやりたい放題。
社会保険の事業主負担なんてモンないし、そもそも国家じゃないから社会保障制度なんてモンもない。
故に『公務員』なんて公僕もいないから当然『警察』も無い。
そういった公の事業ってのは、全て夢限界楼の『いち民間企業』がその職を賄っているから、
だからね、夢限界楼にはね、『税金』ってモンも無いンですよ。
あたりまえだけど『消費税』ってモンもない。
『健康保険料』ってモンもないし。『年金保険』も無い。
病院だって『いち民間企業』だからね。病気とか怪我したときに金払って直してもらえばいいだけ。
ただ、怪我したり病気したりしたときに働けなくなって困るかも?ってな人には
これも『いち民間企業』である『銀行』とか『保険会社』が扱う金融商品で保険をかけておけばいい。

つまり
会社が社員を守ってくれるような保障なんて一切ないケド
この会社(国家)における社員(国民)は、真の意味で『自由』なんですよ。
金を稼ぐのも自由だし、金を使うのも自由。(当たり前だ)
公な社会保障は無いかわりに強制的に搾取される金もない。
納税義務もない。確定申告の必要もない。
義務教育なんてモンもないから試験もない!(学校も事業ですからね)

ああ、すばらしきかなキャピタリズム!

――って思うかい?
まあ、今の日本みたいにさ、上っ面だけのデモクラシーなんかよりかはマシな気がするかもね。

でもね
結局は同じコトなんだよ。
資本主義も民主主義もその構造に違いはないのよね。
食物連鎖の頂点と底辺。
そのヒエラルキーの構造からは逃れられないのよ。
基本的人権がどんだけ平等を謳っても平民は王様にはなれないし
王様に基本的人権は適用されない。だって王様だもん。
ってまあ、王様はこの場合問題外なのでいいとして、そうそうヒエラルキーね。

民主主義におけるヒエラルキーも
資本主義におけるヒエラルキーも
何れも一番上の奴等が一番儲かる仕組みになっている。

ああ……

こっから先を突っ込みすぎて書くと色々と引っかかりそうなので止めよう。
いいかい皆。
表現の自由なんて、紙切れ一枚でいくらでも抑制可能なんだぞう?

でーそうそう『夢限界楼』のお話でしたな。
まーつまり
『夢限界楼』もそのヒエラルキー構造をもって下層から利益を搾取するシステムになっているんだよん!
ってコトを言いたかったワケですわ。
自由だなんだって言ったところで、金が無ければ自由をマンキツすることなんてできないもんな!
だから金を稼ぐ為に働く。
労働者は労働した内訳の約50%が自分の懐に入り
残りの50%はヒエラルキーの頂点に向かって分配されていく。
雇用が安定していればお互いに何も問題は無いだろうけど
ひょんなキッカケで首切られる可能性もある。
背後から肩を『ポンポン』ってされて
「今、自主退職してくれたら100万あげるっ」っとかなんとか言われてさ
別に辞めたくなんてないのに辞めさせられる。
上手く別の会社に就職できればいいけど、夢限界楼の企業は全部繋がっているからきっと無理。
リストラされたその人間は社員ではなくなるから行き着く先は『最下層』ってワケ。

そう
『最下層』は、夢限界楼の輪から外れた人たちの行き着く場所。
『住人=社員』ではない人たちの掃溜め……


さて
『最下層』というワードが出てきたので、ここで『夢限界楼』という街の構造を説明しましょう。
『最下層』という名があるとおり、この街は5つの階層によって成り立っています。
一番上から下まで言っていくと以下の通り。

1番上『特権階級層』 通称「ヘヴン」と呼ばれています。

2番目『上流階級層』 通称「ソサエティ」と呼ばれています。

真ん中『中流階級層』 通称「コミューン」と呼ばれています。

4番目『労働者階級層』通称「C層」と呼ばれています。

1番下『最下層』 通称とか無いです。


 

kaisou0000.jpg


はい。まさにヒエラルキィー。
ちなみに、ナスカちゃんがお勤めしているバウンティアは『中流階級層』にあって
町医者のクリムソン先生の診療所があるのが『最下層』です。

そう、最下層には町医者がいるくらいだからね
最下層だからって決して生活できないワケじゃあないンです。

先にリストラされたおっちゃんだって、なんとかすれば、なんとか生きていくことはできるのよ。
きっと100万貰ったンだろうしさ、多少は蓄えもアンだろうからさ。
ぶっちゃけ最下層じゃなくても生きるコトはできるだろうけど仕事がない。
でも最下層なら、夢限界楼の手の届かない場所っつーか、放置地帯っつーか
夢限界楼にしてみれば最下層の役割なんて『ゴミ捨て場』みたいなモンだから
その『ゴミ捨て場』で社員じゃない人間がナニをしようが知ったこっちゃない。
だからね
おっちゃんもさ、自分にできるコトでなんか商売始めればいいのさ。
成功する保障なんてないけどそれはおっちゃんに限らずさ。みんな同じ。
あと、命の保障もないケドね。賞金首がいっぱいいるから。でもそれも条件はみんな同じさ。
で、色々ジタバタともがいてみて、それで結局どうにもなんなかったら
そうなったらもう覚悟を決めるしかない。

そっとこの世に背を向けるのか。
生きる為に犯罪に手を染めるのか。
あるいはハンターとして生きるか。


クリミナルが生まれる土壌が『最下層』にはあって
同じようにハンターが生まれる可能性も『最下層』にはある。
夢限界楼の社員として生きていけない人たちは
『狩る』か『狩られる』かの選択を迫られる。
クリミナルとして生き、ハンターに怯えながら犯罪を繰り返すのか。
ハンターとして生き、死と隣り合わせの『駆除』をしのぎとするのか。
あるいはなにもせずに死ぬのか。

どの選択肢を選んでも
決して『死』からは逃れられない。

行き着くところまで行ってしまった人たちに残された選択肢ってのは
現代社会においても、結局はこんな究極の選択しか残されていないのかなって思うンですよ。
現代において『ハンター』ってのはないだろうケドね。

あ、そうそう
ハンターになるには条件があってですね
その1つが『無職であること』なんですよ。
ちなみにもう1つは『CAと契約できること』

――まあそれはいいとしてだ。

で、ねえ
サイトウだったらねえ
現実にこんな選択肢しか残されてなかったらねえ
そりゃあ『絶望』しちゃいますわ。

きっと死にますね。
ハンターになってもクリミナルになっても絶対死ぬね。
うまく最下層で職が見つかったとしても犯罪に巻き込まれて死ぬね。

っつっても
クリミナルがいっぱいいるからって、即殺されるほど怖い場所でもないケドね。最下層は。
ただ『弱い人間には生きていくのがつらい場所』だってのは言える。

でも

そんな最下層でもね
立派に生きている人たちがいるンです。
それなりの生活と、それなりの幸せもゲットしてね。

クリムソンや助手のシャンタオは決して不幸せじゃあない。
レインやナイヴスだってそう。
最下層に生きることがイコール不幸じゃないってコトを彼らが体現している街。
それが最下層ってトコです。

そ、住めば都ってやつだ。違うか?

――ま
平民のサイトウには厳しいと思うケドねぇ……

ってなワケで気が付けば結構なヴォリュームですな。
今週の取れ高としては問題ないでしょうから皆様お待ちかねのこのコーナーに行ってみましょう。


★今週の壁紙★

皆様、こんにちは。
グラフィック担当の諫山(イサヤマ)です。
早速ですが、今週の壁紙です!

an06_kabe01.jpg



an06_kabe02.jpg



今週はヒロイン+攻略対象の壁紙・ナイヴスver.と、
リクエストはゼクスの壁紙です。
このリクエストを下さった方はゼクスが一番好みだそうで、
ゼクスは上司という役柄、主人公に厳しい命令を下したりする用なシーンがあるので、
近寄りがたいイメージがありますが、中身はお茶目なおっさんだったりします。
部下とどうすれば仲良くなれるのか、と日々悩むお茶目なゼクスの応援をよろしくお願いします!

壁紙のリクエスト、まだまだ募集しております!
詳しくは前々回のブログ記事をご覧ください。




はい。諌山さん、いつもいつもありがとね。
っというワケで今週はここまで。また来週!
 

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