「ミラクル・ノエル、ね。……どうもあのイベントは俺向きじゃない気がするなあ」
「そうですね。どこもかしこも浮かれ気分で見ていて恥ずかしいです」
「そう? エストくんはなんだかんだで楽しそうにしてると思うけど」
「どこがですか。僕からすればあなたの方がよっぽど毎日浮かれているように見えます」
「そりゃ、毎日葬式みたいな顔してるエストくんに比べれば、誰だってそう見えるよ」
「……ああ、そうですか。だったらもうそれでいいです。葬式顔ですみません」
「流されちゃった。……あ、それよりエストくん、そんな君に提案があるんだけど」
「お断りします」
「うん、早いね」
「あなたの提案に乗って得をしたことは今まで一度もありませんから」
「……わかったよ。エストくんは賢いからね。でも――」
「ルルを乗せようとしても無駄ですよ。あの人は今年も【ノエルの妖精姫】に選ばれて、
当日まで魔法の特訓があると忙しそうにしてましたから」
「…………」
「そう何度も同じパターンに引っかかると思わないでください。……では、失礼――」
「なるほどねー。ルルちゃんが忙しくて構ってもらえないから葬式顔してたんだー」
「…………」
「……まだまだだね、エストくん」
「……そちらも、悔し紛れの一言がワンパターン化していることに気づいてくださいね」
つまりどっちもどっち、ということだと思います。(笑) しかし葬式顔とはひどい。
それにしたって年齢的にまだ子供でも許されるエストはともかく、アルバロさんたら……
皆様こんにちは。【ワンド オブ フォーチュン総合】担当、デザインファクトリーのいわたです。
とりあえず先に言っておきます。まだ終わりじゃない!!(笑)
確かに先週年内いっぱいまででワンド総合の更新は終わりますと言ったけれども、まだ残ってる!
届いたメールがそれこそ今日のエスト並みのメールばかりでどうしようかと思いました。(笑)
最後にあの画像を入れておけばみんな安心するかと思ったんですけど、ダメだったか……!!
大丈夫です。ブログは12/30で一度区切りをつけさせていただきますが、まだもう少しワンドとは
縁が切れない雰囲気ですから、安心してくださいね!
さて、それじゃ今週もお知らせから行って参りましょうー!
▼関連情報まとめ
ブログの記事がすぐ流れてしまうので、ひとまず重要な情報が出ているものをまとめてみました。
見逃した方はぜひ参考にしてください。
▽12/24発売予定
「ワンド オブ フォーチュン2 ~時空に沈む黙示録~ 公式ビジュアルファンブック 希望の書」
表紙イラスト、内容紹介、店舗特典情報などはこちらをご覧ください。
▽11/30発売
「ワンド オブ フォーチュン2 ~時空に沈む黙示録~ 公式ビジュアルファンブック 運命の書」
表紙イラスト、内容紹介、店舗特典情報などはこちらをご覧ください。
▽11/16発売
「ワンド オブ フォーチュン2 ~時空に沈む黙示録~ドラマCD 巡り会えた奇跡」
製品情報などはこちらをご覧ください。台本一部抜粋など内容紹介はこちら、特典情報はこちらで。
▽デザスキン 「ワンド オブ フォーチュン2」 for PSP-3000/2000 発売中!
PSP-3000/2000用 ワンド オブ フォーチュン2 オリジナルスキンシールです。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。販売ページはこちらです。
▽デザスキン 「ワンド オブ フォーチュン2」 for iPhone 4 発売中!
iPhone 4用 ワンド オブ フォーチュン2 オリジナルスキンシールです。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。販売ページはこちらです。
▽ワンド オブ フォーチュン2~時空に沈む黙示録~ Memory Stick PRO DuoTM発売中!
ワンド2のプレイステーションポータブル専用メモリースティックです。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
▽オトメイトモバイルにてワンド関連物が続々配信中!
現在オトメイトモバイルでは、ワンドの「照れFlash時計」が配信されています。
また、薄葉カゲロー描き下ろしの待受画像、ワンド2のポスター・ジャケットイラストの配信もあり!
「B's-LOG」で連載していたイラスト&SSも配信中なので、ぜひチェックしてみてください!
以上です。今後も様々な情報が出てくると思いますので、ぜひチェックしてみてくださいね!
▼近日中のあれこれ
年末までにあれこれ出るものがあるので、その辺をおさらいしつつ、まとめてみますね。
●明日より開催!「薄桜鬼 冬の市 & オトメイトウィンターマーケット」
会場: 新宿マルイワン 7F
期間:2011/12/17(土)~12/30(金) 営業時間 平日・土曜11:00~21:00、日曜11:00~20:30
先週もグッズ関係については詳しくお知らせいたしましたが、新宿マルイワン会場にて、
明日より「薄桜鬼 冬の市 & オトメイトウィンターマーケット」が開催されます。
公式サイトにも当日の販売物、画像などが掲載されておりますので、ぜひチェックしてください。
また、重要なお知らせがございます。
ワンドなど複数タイトルの「トレンドグッズセット」ですが、
諸事情により新宿マルイワンへの入荷が少数となってしまいました。大変申し訳ございません。
それに伴い、エコバッグが付いてくる各タイトルのパック販売の内容を一部変更しております。
「トレンドグッズセット」に代わって、「Otomate Maniax Vol.3」 を加えさせていただきました。
ご購入予定の方は、必ずご確認くださいますよう、お願い申し上げます。
●今月の「B's-LOG」
ワンドのファンコーナーはもう終わってしまったのですが、クリチェキ総天然色コーナーにて、
薄葉カゲローのイラストコラムは継続して掲載されていきます。
ここ最近はずっとワンドの和服シリーズをやってたんですが、実は今月はちょっとお休み。
その代わりに、ソロ・モーンさんとルルさんと+αで迎えるアットホームクリスマス風景が!
すっごく可愛い雰囲気に仕上がっていたので、よかったら見てみてくださいね!
●公式VFB下巻「希望の書」は来週24日に発売!
「ワンド オブ フォーチュン2 ~時空に沈む黙示録~ 公式ビジュアルファンブック 希望の書」が
来週の24日、クリスマスイブに発売されます。大丈夫ですか、皆様もうご予約はお済みですか?
実は、上巻が予想以上の売れ行きだったようで、現在品切れになっているところもあるようです。
近場のお店にないという方は、もうしばらくお待ちくださいね。
下巻も設定関係など中身が相当充実していますから、絶対に発売日にゲットしたい!という方は、
ぜひご予約いただくようオススメいたします。これで年末年始もワンド漬けになってください(笑)
……いや、本当に、下巻は全部見るのも読むのもすごく時間かかると思いますので。
●「オトメイトモバイル」にて年賀メールの受付開始!
毎年恒例、オトメイトモバイルの年賀メールの受付が今年も始まります!
今回はワンド2での参加となりまして、参加キャラはユリウスからソロ・モーンまでの7人。
全員2のED後設定でのメールとなります。
ニューイヤーカードを贈る、という形ではありますが、キャラのED設定によって状況は異なり、
あの人はこうだったり、ああだったり……とネタバレなので詳しく説明できない感じ!(笑)
ただ、もちろん恋人関係になった後のメールですから、糖度に関しては多分大丈夫なはずです。
……糖度?と聞きたくなる人もいないわけではないですが。(笑) い、いや、大丈夫だ!!
そんなわけで、受付期間は以下の通り。
12月19日~12月27日18時まで!
メールは1月1日から3日までの間に届くようになっています。
必ず元旦に届くわけではないので、ご注意くださいね!
▼来週のお知らせ
さて、来週24日から、いよいよクリスマス企画が始まります!
以前にもお知らせしましたが、今年の参加タイトルは以下の通り!
・薄桜鬼総合
・ワンド オブ フォーチュン総合
・猛獣使いと王子様総合
・華鬼総合
・神なる君と
24日に、このオトメイトスタッフブログのトップページから企画特設サイトへのリンクを貼ります。
企画特設サイトへのリンクは、24日~26日までの期間限定となっております。
くれぐれもお見逃しのないよう、期間中はぜひブログに来てみてくださいね!
気になるワンドの内容は、薄葉カゲロー描き下ろしイラスト+書き下ろしSSとなります。
こちらはオトメイトモバイルでも企画開始日に配信される予定ですので、そちらでもご覧ください。
そしてもうひとつのお知らせ!
本当でしたら次のワンドブログは来週の金曜日更新ですが、
せっかくなら次のブログでもこのクリスマス企画に合わせた記事を書きたいので、
次回の更新は一日ずらして24日の更新とさせていただきます!
ブログの方でも何かしら楽しんでいただける内容がありそうなので(笑)、どうぞご期待ください!
▼Sさんと羽虫と心強さと
今週は4コマではないのですが、Sさんがこんなカットを描いてくれました。
先週もお伝えした新宿マルイワン会場で販売される「Patisserie Swallowtail」のチーズケーキ。
私もSさんも試食させていただいてたんですが、どうやらこっそり羽虫も試食していたようです。
……ほんと意地汚ねえな!!(笑)
まあでも、これだけバタバタとねだられたら、一口くらい分けてやらんでもない、という気分に
させられてしまいそうですね。……絶対一口じゃ済まなそうだけど(笑)
▼ワンド2未公開シナリオ
何か載せられるものないかなー、ないかなーとフォルダを漁っておりましたら出てきました。
「未公開シナリオ」というと、本来ゲームに入れる予定だったナントカ、になりそうですが、
そういうことではありません。
実は、まだ本格的にシナリオ作業に入る前、スタッフにキャラをつかんでもらうために書いた
サンプルテキストなのですよ。そういえばこんなの書いた!と私も見て思い出しました。(笑)
とはいえ、今回新規だったのはソロだけなので、ソロのお話です。
エストとルートを組むのは確定していたので、エストとソロ、そしてルルが組み合わさると
こんな感じのやりとりになりますよ、という指針として作りました。
細かいストーリーラインを作る前のものなので、シーンの状況はいろいろ曖昧なんですが(笑)、
イメージとしては三人で探索的なものに行っていたとしたら……という感じで読んでみてね!
それでは、始まり始まりー。
* * *
「…………おなか、すいたね」
ぽつり、とソロが呟く。
「そういえば、お昼ごはん食べてから結構時間が経ってる気がする……」
「おやつもなかったしね」
「うん……」
私とソロは顔を見合わせて、今度は同時に呟いた。
「……おなかすいたね」
「どうしてこう、緊張感がないんですかあなたたちは……」
ひどく頭が痛そうな顔でエストがため息をつく。
「でも、エスト。……おなか、すかない?」
「すきません」
「そ、そう……」
「僕はすいたな」
「それはもう聞きました」
「うん。確かに言ったね」
ソロはにこにこ笑っているけれど、エストはそれが余計気に障ったのか更に不機嫌そうな顔をする。
「え、えーと……。うん! もうちょっとで帰れるし、やっぱりここは我慢すべきよね!」
「当たり前です。いつ何が起きるかわからないというのに、呑気に食事休憩なんて――」
……ぐう。
「…………」
「…………」
「わ、私じゃないから!!」
物言いたげなエストにあわてて首を横に振る私。
けれど、エストが何か言う前に、のんびりとした声が言った。
「ああ、今ぐうって鳴った。聞こえた? すごい音だったよ」
「ソロ……」
「…………」
ああ、どうしよう! エストがものすごく怒ってる!!
「おなかが、すいたな」
「だから何だって言うんですか」
「え? 何もないよ。ただ、おなかがすいたって言っただけ」
「……それはもう何度も聞きました。繰り返して言う必要はないと思います」
「で、でもね、エスト。おなかがすくって辛いことだわ!
それはもう情けなくって、辛くって、切ないことなのよ!」
「そうですか。…………で、それが何か?」
「…………。な、なんでもないかも……」
「ルル。あなたが食い意地が張った人なのは僕もよく知っていますし――
どうやらそこの変人もそうらしいとわかりましたが、今はそんな場合じゃないんです」
「……うん。わかってる」
「我慢してください」
「……はい」
エストの言うことは正しい。何も意地悪で言ってるわけじゃない。
ちょっと我慢すればいいだけだもの、大丈夫よね!
「ね、ソロ。もう少し頑張って歩いて、ちゃんとあったかいごはん食べよう?」
「そうだね。それがいい。女の子は身体を冷やしてはいけないと聞いたことがあるし」
「うんうんっ。だから――」
「だけどルル。僕はもう、歩けない気がするよ」
「え……?」
「おなかがすいたな、と思ってから、なんとなく動く気がしなくなったんだ」
それはとても爽やかな笑顔だった。
「食べ物は身体を動かすための燃料だから、足りなくなると身体も動かなくなる。
これはとても自然なことだけど……
同じようにおなかがすいてるのに、君はまだ頑張れるんだね。ルルはすごいなあ」
「そ、そう、かな……?」
呆然と見守る私の前で、なんとソロはよいしょ、とその場に座り込んでしまった。
「あ、あの……、ソロ? 座ってどうするの……?」
「どうもしないよ。動けないから座ってみただけ。僕のことは気にしないで、君は頑張っておいで」
「そ、そんなこと言われても……」
どうしたものか、と思ってエストを見ると――
「…………」
……それはそれはもう、筆舌に尽くしがたいほど、怒りに顔を引きつらせていた。
「ソロ・モーン。それは一種の抗議活動のつもりですか」
「抗議? 何故?」
「とぼけないでください! これ見よがしに座り込んだりして、どういうつもりなんですか」
「エスト。僕は動けないだけだよ。そしてそれは、おなかがすいているせいで、君のせいじゃない」
「そんなことわかってます。先ほども言いましたが、今は呑気に休憩をしている場合じゃありません。
先を急ごうと言ったでしょう。さあ立って、さっさと進みますよ」
「困ったな。それは無理なんだ」
「何故です!」
……ぐう。
「……あ、また鳴った」
「…………」
どこかうれしそうに言うソロ。無言のまま動きを止めるエスト。
……どうしたら。
冷や汗がたらりと流れ落ちたところで、エストがくるりと私を振り返った。
「置いていきましょう」
「え!?」
「付き合いきれません。面倒も見きれません。何より関わりたくありません」
「え、エスト?」
「ルル。僕は常々あなたを人の迷惑を顧みず感情のまま突進する迷惑な人だと思ってきましたが、
上には上がいるものですね。あの変人に比べたら、あなたはとても聞き分けの良い人だったようです」
「…………」
絶対褒められてはいないしむしろすごく複雑なんだけど、エストが怖くて何も言えない。
困り果てた私は、どうしたものかとソロを見やり――
にっこりと笑顔を向けられて、やっぱり何も言えなくなってしまった。
……どうしよう。
「ええと……、ソロ? ちょっと聞いてもいい?」
「何かな?」
「エストはソロを置いて先に行こうって言うんだけど……、ソロはどうするの?
ここで少し休んで、後で来るの?」
「少し休んでもおなかはすいたままだよ。それじゃ動けないし、追いかけられない」
「…………。じゃ、じゃあ……、どうするの?」
「どうもしないよ。僕はただ、おなかがすいたなと思いながらここに座ってると思う」
「ええっ!? それじゃいつまで経っても帰れないじゃない!」
「そうだね。でも仕方ないよ。動けないし、食べるものもないんだから」
「……ちょっと頑張って、歩こうよ。そうしたら――」
「ルル。僕は頑張るってことができないんだ」
「それじゃ、何も食べられなかったらずっとここで座り込んだままなの?」
「そうなるね。何しろ、動けないんだから」
「そんなことしてたら死んじゃうじゃない!」
「そうなるね。だとしても、きっとそれは僕の運命なんじゃないかな」
「…………」
まるで他人事のようにそう言って、ソロはにこにこと笑っている。
さすがに唖然としている私に、エストがため息混じりに言った。
「……彼と行動を共にするなら、最低限従者の彼とセットにしておくべきだったんでしょうね」
そう言って、エストは困惑したままの私にちらりと視線を投げた。
「……どうせあなたは、このまま彼を放置して行けないんでしょう?」
「……うん」
「わかりましたよ。……ひとまず、あなたたちの空腹を満たしておきましょう」
「エスト……!」
「ただし。……その後は強行軍になりますよ。覚悟していてください」
「うんうん、私、頑張るから! ねっ、ソロも!」
「うん? 僕は頑張れないと思うけど」
「…………。い、いざとなったらソロは私が引っ張っていくから大丈夫!!」
「……よろしくお願いします」
こうして私とエストは、まったく動こうとしないソロのため、ささやかな食事を用意したのだった。
それにしても……。
のんびりしていて危機感がないのは、単にソロの性格なのかなって思ってたけど、
なんだか少し違うような気がする。
……【頑張らない】って、とても怖いことのように思えた。
* * *
これを書いたのって本当に初期の初期なんですけど、自分で見てもブレてないなと思います(笑)
ソロがソロだわー。よっぽどソロを行き倒れキャラにしたかったのね私……。
こういうサンプルテキストは書く場合もあれば、書かない場合もあります。
書いてももっと短かったり、こんな感じのセリフを言うよ、というセリフ集だったり。
多分このときは、何か書きたくて仕方なかったんでしょうね、きっと。長いもん。(笑)
というわけで、今週はここまでといたします!
来週は上の方にも書きましたように、1日更新をずらして24日に更新いたします。
間違えて23日に来ても何もありませんので、ご注意くださいね!
それでは、また来週、クリスマスイブに!!