「とうとうこの日が来てしまったようじゃな……」
「ええ、あたくしも覚悟を決めねばならないと思っていたところですわ」
「? 覚悟? 何の覚悟じゃ」
「愚兄ときたらまるでわかっておりませんのね! 決まってますわ!
最終回といえば、とっておきの蔵出し大放出ですのよ?
そんなときにあたくしたちがこの場に出てきた理由なんてひとつですわ!」
「な、何をする気じゃ……」
「これまでずっと封印してきたとっておきのものを、皆様にお見せしますのよ。
これ以上焦らすのはあまりに酷ですもの!」
「……よくわからんが、何やら嫌な予感がするぞ。やめておくことじゃ」
「残念ですがもう準備は完了ですの。後はこのタクトを一振りすれば……」
「よ、よすのじゃ愚妹! ええい、愚かなる我が血族の行いよ、霧と消えよ!!」
「じゃーん!ですわ!! 蔵出しミルス・クレア制服姿のあたくし!!……って、
何をしますのこの愚兄! さっさとこの忌々しい魔法を解いてちょうだいな!」
「……ふう、なんとか間に合ったか……。
そのような視覚の暴力を晒すわけにはいくまいて……」
……怖いもの見たさでちょっと見てみたい気はしなくもないのですが……、
やっぱり年相応というものもあると思いますので、ヴァニア先生には自重を求めたく……。
皆様こんにちは。【ワンド オブ フォーチュン総合】担当、デザインファクトリーのいわたです。
先週お伝えしました通り、今回の更新でワンド総合の記事は終了となります。
つまり最終回ということですね!
私的には、なんだかクリスマスから年末年始までの気忙しさのせいか、あまりしんみりした
気持ちにはならないんですが、メールなどでも寂しがってくださる方が多くて申し訳ないです。
でも、暗くなってもそれはそれでやりにくいのでブログのテンションは通常営業で参ります(笑)
それでは、本日もお知らせからまいりましょう!
▼関連情報まとめ
ブログの記事がすぐ流れてしまうので、ひとまず重要な情報が出ているものをまとめてみました。
見逃した方はぜひ参考にしてください。
▽1月発売予定 DEZAJACKET 「ワンド オブ フォーチュン2」 for iPhone 4/4S
iPhone 4/4S用 ワンド オブ フォーチュン2 オリジナルケースと液晶保護シートセットです。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。販売ページはこちらです。
▽12/24発売
「ワンド オブ フォーチュン2 ~時空に沈む黙示録~ 公式ビジュアルファンブック 希望の書」
表紙イラスト、内容紹介、店舗特典情報などはこちらをご覧ください。
▽11/30発売
「ワンド オブ フォーチュン2 ~時空に沈む黙示録~ 公式ビジュアルファンブック 運命の書」
表紙イラスト、内容紹介、店舗特典情報などはこちらをご覧ください。
▽11/16発売
「ワンド オブ フォーチュン2 ~時空に沈む黙示録~ドラマCD 巡り会えた奇跡」
製品情報などはこちらをご覧ください。台本一部抜粋など内容紹介はこちら、特典情報はこちらで。
▽デザスキン 「ワンド オブ フォーチュン2」 for PSP-3000/2000 発売中!
PSP-3000/2000用 ワンド オブ フォーチュン2 オリジナルスキンシールです。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。販売ページはこちらです。
▽デザスキン 「ワンド オブ フォーチュン2」 for iPhone 4 発売中!
iPhone 4用 ワンド オブ フォーチュン2 オリジナルスキンシールです。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。販売ページはこちらです。
▽ワンド オブ フォーチュン2~時空に沈む黙示録~ Memory Stick PRO DuoTM発売中!
ワンド2のプレイステーションポータブル専用メモリースティックです。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
以上です。今後も様々な情報が出てくると思いますので、ぜひチェックしてみてくださいね!
▼ワンド公式ツイッターからのお知らせ
現在ワンド関連のお知らせをさせていただいております、ワンド公式ツイッターですが、
このブログ記事の終了をもちまして、こちらも休止ということになります。
ただ、アカウントの削除はいたしません。
何かしらご連絡のあったときなどには、すぐに皆様にお知らせできるようにしておきますので、
もしよろしければ、そのままフォローを続行しておいてくださいませ。
たまに、気が向いたときに、季節ごとの呟きなどもするかもしれません(笑)
というわけで、今後ともよろしくお願いいたします。
▼Sさんと羽虫と心強さと
ひょんなことから誕生し、気づけばこのワンドブログに欠かせないマスコットキャラクターになった
マジカルフェアリー・羽虫ちゃん。予想外にもほどがありました。(笑)
毎週届くSさんの4コマも、いよいよ今週で最後です。ぜひお楽しみください! ではどうぞー!!
……何か、もっとこう、最終回っぽいものが来るのかなと思ったら全然そんなことはなかった。
さすが羽虫だと思いました。(笑) いや、むしろさすがSさんと言うべきか。
気づけば4コマ含めたくさんの羽虫がブログ上にウヨウヨしており、感想などでもファンコールを
いただくようにまで上り詰めましたが、多分羽虫のことですからまたひょっこり出てきます。
YEAAAAH!って感じに。ほら、目に見えるようでしょ……ビシャアアア!(殺虫剤噴射)
あ、そうそう。ついさっきSさんが「年賀状代わりだ、受け取れい!!」という感じで
大変破壊力の高いシロモノを送りつけてきましたので(笑)、それもさらしてしまいましょう。
ものすごくいろいろ間違えている気がしますが、もうツッコミ疲れてるのでサラッと流してやる(笑)
Sさんどうもありがとう!! 来年もいろいろとよろしくな!!
▼薄葉カゲローがちょっと本気出して頑張ってみた
最終回なんだよ!何かほしいよ!たまには普段できないことをやってみるのもいいよ!!……と
プレッシャーをかけておいたら、今回は本当に頑張ってくれました薄葉カゲロー。
なんと、コメントの類が大の苦手な彼女たちが、各キャラについて長々と語っているのです!!
頑張って書くよ……と言ってはいましたが、こんなに書いてくるとは思いませんでした。(笑)
まず滅多にないことだと思うので、よかったら読んでみてください。意外な本音もあるかも!?
描きやすくもあり難産でもあるヒロインでした。
様々な要素を統合してみると、私の中に全く存在していなかったジャンルの女の子になり、
あらゆる意味で新鮮で、そしてワンドで一番描くのが難しいキャラクターでもあります。
お仕事で頂かなければ描くことはまず無かったタイプだと思うので、
本当に沢山の事を勉強させてもらいました。
最初に「とにかく今回は小柄なヒロインにしてほしい」と言われて
男性とのバランス調整にとても苦労したのを覚えています。
とにかく魔法少女!と言われて、個人的にリリカルだと思う髪型を考え、
帽子や髪飾りもつけて10パターン以上は出しました。
結果、アイドルをイメージして描いた横毛を細く垂らした前髪が採用され、
それをさらに魔法少女っぽくバランス調整したのが今のルルです。
描き始めたばかりの頃は
「元気いっぱいの女の子うんうん楽しい楽しい」と気楽に描いていたのですが、
途中で「この子で恋する少女らしいほんのりとした色気も表現せねばならない」という所に来た時、
自分の表現の引き出しの中にそのための素材が無かった事に愕然とし、必死で勉強したり、
「何でこの指定でこうなるの」と細かいチェックやリテイク、アドバイスなどを頂いたりと
本当に苦労させられましたが、おかげさまで1からおしめをかえて育てたような気分になってしまい
すっかり田舎のおばあちゃん目線です。
同時にシリーズとなった事もあり、成長するヒロインを描くという事も体験させてもらいました。
姿が変わったり表情がおとなびたり。
2ラストのあの姿を描ききった後は娘を嫁に出した気分だったような。
ともあれ彼女に関してはここに描ききれないくらい盛りだくさんの経験や衝撃を頂きました。
* * *
そうなんです、実は薄葉さん、ルル描くのが一番苦手だったんですよ……(笑)
彼女たちは女体大好き原画ではありますが、いわゆる「少女」というカテゴリーは別枠なんです。
特にルルについては、最初から「とにかく小さい子で!」と最も苦手な分野を強いていたので、
かなり苦労していましたね。これはかなり皆さん予想外だったんじゃないでしょうか(笑)
発端は何だったか、とにかく彼は「スタンダートすぎる外見に変な中身」が命だったので、
デザインを煮詰める際に出したラフの数々を改めて見直してみると、
「誰が見ても美形だと思うけれどそれでいてスタンダートな外見とは何か」と足掻いています。
すべて「ルルとセットにしたときメインヒーローとヒロイン!」というバランスで決定したので、
ここだけの話、そのせいでフロントに持ってきてもルルとセットでないと華が出しづらく、
とても苦労したのを覚えています。
2の白いマントをはためかせた王子様衣装はその打開策でもありました(笑)
ぼんやりしていると遠くを見つめて物思いに耽っているようで、微笑むと眩しそうで、
不満そうにすると子供のような顔になる。何をするにしても得な男です。
そののくせに服に頓着がなさすぎて、しっかりものでお洒落な妹のエルゼに
「清潔な白シャツを着て髪の毛はとにかくちゃんと切ってなでつけておいたらいいから!」と
アドバイスされて、それを忠実に守った(つもり)にもかかわらず、
本を読みながらの居眠り対策もかねてカーディガンを巻き付けるなどをやらかし
結果的に酷い事になってしまっているというのが私服のイメージなので、
あの姿を見たらエルゼが卒倒しそうです。
ユリウスのキャラをはっきりと掴んだのは初期の表情イメージの時に描いた覚醒顔ですね。
あのいきなり目をかっぴらいてマシンガントークをはじめる時の顔を描いたあたりで
ユリウスのイメージが私達の中でがっつり固まった気がします。
あとメロンパンが好物だというのを聞いた時ですね。「なんで好きなの?」と聞いて
「メロンが入ってないのにメロンパンというのが意味がわからないから」と言われたとき、
ああそうかそういうやつか、と謎の説得力を感じました。
彼の基本イメージは私たちの中では最初からあまり変わっていないのですが、
作を追うごとにぼんやりクールからりりしい系に、集合絵等でのメイン表情がシフトしていきました。
これは本当にごく自然な事で、ただの魔法オタクだった彼がルルを通して物の認識の仕方を
だんだん成長させていっているなあという印象を、頂いたシナリオ等から受け取ったせいでして、
その意味でもおもしろいメインヒーローになったなあと思います。
ただマシューといる絵を描くとしたら、やっぱり最初期のぬぼーっとした顔を描くと思いますね。
彼の前ではいつまでたっても成長しない魔法オタクのままなんじゃないかと思ってます(笑)
* * *
最初にルルのデザインが決まって、メインヒーローはこの子に一番似合うデザインだと思って
作ってください、という指定を出した覚えはありますね。
何か私たちの中でも「メインヒーローなんだからスタンダードにかっこいいデザイン」とだけは
意識していたんですが、そのすぐ後に「でも絶対変人にしようね」と当時から言っていたので、
「残念美形」は多分ユリウスが発祥だったんだと思います……。
格闘ゲームでいう所の同じ系統の技を使うライバルキャラ的といいますか、
とにかくユリウスにつっかかっていく役的なイメージからデザインを始めました。
メインキャラクターですし、きちんと良い意味でのギャップを盛り込んでくるだろうと思って
どんどんキツそうなツリ目で黒目の小さい美形に仕上げていったのですが、
あそこまで誠実かつ紳士的な面を持つ描き方をされるとは思いませんでした。
やはり最初に頂いていたのはパルーとケンカしているようなああいうイメージでしたので、
いい子だというのはわかっていたのですが告白シーンのテキストを見て感動しましたね。
ノエルは髪型のバランスがとても難しいです。変な所に髪の毛が降りているのと
左右のボリュームバランスがシビアなのもあるのですが、
フワッフワのようで実はシャープさも必要なので、描き慣れて来た頃には
特徴を自覚しておくために「金色ひじき」呼ばわりが始まりました。
あ、でも本当にゴージャスで美しい貴族的なブロンドのイメージなんです。
ただの黄色じゃなくてちゃんとゴールドに見えればいいなという思いを込めて塗っています。
あと彼といえばアンバーですよね。あのデザインはワンドの魔法具屈指のお気に入りです。
わりと新しめのデザインであるユリウスの杖と、アンバーのデザインを同居させたいがために、
いわたさんに「ワンドの世界ではユリウスの杖みたいな最新鋭の魔法具と、すごく昔に作られた
アンティークのものがあって、アンティークのものは威力は高いけど、昔の技術で作られてるので
制御が凄く難しいとかどうですか!」等と設定を提案しに行ったのを覚えています。
だからノエルの魔法は本当にしっかりしていて努力家なんです。
あとノエルといえばルエノですね…
最初に指定を頂いた時、どうしていいかわからず笑いをこらえながら色の塗り替えをしました。
結果的にできあがったものを見て「あれ…ノエルよりかっこよくない?」と皆で言った記憶があります。
元々、素材は本当に美形という設定なので、常にやる気を出し、キリッとしつづけているノエルって
凄く格好いいだろうとは思うんです。
でもノエルの優しい(ヘタレな)顔を描くのも、またきつい顔とのギャップの一つとして好きなので、
それはルエノに任せておきたいと思います。
パルーとケンカしているCGがある意味全ての始まりなのですが、
パルーといいアウィス三姉妹といい予約特典での鶏小屋といい彼は鳥難の相があるので
私たちもつい落書きだと鳥にたかられたりする姿を描こうとしてしまって
「そのネタ前描いたよ」と言われた事がありました。気づきませんでした。
* * *
私はよく薄葉さんたちが衣装やアイテムについてのこだわりを語る姿を「ユリウスみたい」と
表現するんですが、アンバーの辺りの記述を見ると納得していただけるのではないでしょうか(笑)
それにしたって金色ひじきはひどいよねー。私も一時期、頭黄色くて白くて細いからもやしー!とか
呼んでたことあるけど金色ひじきには負けますよねー。……公式はノエルを愛しています。本当です。
最初はもっとソロ系のイメージだったんです。今のようにごっつくもなくて。
眠そうユリウスとはまた別の意味ででぼんやりした感じで、魔法媒介として蛇を腕に巻き付けてて。
でもアラビアン風味と「大丈夫、大丈夫。」って言いそうな雰囲気は最初からずっと変わっていません。
最初に表情をいくつか描いた時に、王者の微笑みをイメージしたものを描いたら妙に評判が良く、
それがイメージの基盤になってしまい、そこから練り直していくうちに、見事に今のような
包容力があり、たくましくて獅子の笑みをも併せ持つ、戦士の国の王子様になりました。
そんな経緯もあって、ビラールの表情を描くときは、獅子のような獰猛なイメージと、
理想的なお父さんのイメージを双方持つように心がけています。
そういえばビラールはよく筋肉罪というか露出罪に問われていますが、本当に他意は無いんです(笑)
基本的に私たちの中では上半身裸で剣を振り回していてもおかしくないイメージが脳内にあるのと、
白髪・褐色肌・虎目石色のタレ目という、裸でもキャラが立つビジュアル設計になっているせいです。
そのため、描き下ろしのコスプレ系や、自由に描ける企画ものの衣装等は、体のアタリをとった段階で
「うんこれがビラールだ」と満足してしまい、ついつい上半身の服がおざなりになっているときもあり、
よく慌てて付け足しています。
あとは水魔法ですね。水魔法は本来無重力でなければ宙に浮くことのないものを表現しようとして、
水しぶきの写真を参考にしたり、ガラス細工を参考にしたり、色々なものを試して今に至っています。
水そのものが場の明るさに非常に左右されやすいので、シチュエーションの時間帯が変わる度に
表現手法も変わるので大変ですが、ワンドの魔法表現屈指の見栄えを誇るのでやりがいがあります。
ラギとの組み合わせをよく描きますが、成人と少年という厳然たる歳の差があるので、
「ラギの知らないことを知ってる殿下」という距離感が、年の少し離れた兄弟のようで好きです。
FDのCGでもありましたが、ラギが気兼ねなくワイワイやるなら同年の友達、というカテゴリがあって、
負けたくない相手(ビラールとか)にはちょっと大人ぶりたいのが男の子だなーと。
この二人は対比することでおのおのの表情も描きやすくなります。
* * *
イメージがそうだからって言えばなんでも許されるわけじゃないんだぞ、と言っておきます(笑)
殿下が何かしらやらかしてる絵のときは、いつも決まってドヤ!って感じに提出されるんですが、
若干頭を抱えながらもそのままOKしてしまうのは、私にも殿下ならいいかーというイメージが
あるからなのかもしれない……と、ちょっと洗脳のようなことを思ってしまいました……。
昔からドラゴンが好きですドラゴンが好きなんですドラゴンが好きですと騒ぎ倒していた我々に
いわたさんがせっかくファンタジーだしドラゴンの子いれようかとご褒美をくれました。
小柄でも手足はでっかくて筋肉質。顔は童顔でも表情は兄貴!を常に意識しています。
描きやすさというか手へのなじみ具合は、ワンドの中では相当上位に位置するキャラです。
このタイプは本当に描きやすいです。
ラギといえばやはりあの竜目ですね。火竜としか聞いていなかったのに妄想をたくましく働かせて
目の中に炎が燃えてるようなイメージなんです!と、ああいう特徴的な色合いを提案しました。
暗いシーン等でもラギの目に入っている光だけぎらぎらしているのは仕様です。
目の中で炎とはいわないまでも竜の力的ななにがしかが燃えてるみたいなイメージです。
あの巨大な魔法剣もお気に入りなのですが、
1だとシナリオの都合上あまり使われていなかったので
2を作ると聞いたとき「次は剣で戦ってるシーン描けますか!!」と叫んだような。
ドラゴン体を描いているときの笑顔は気持ち悪いくらいだと思いますが、
同時にアニメ塗りに近い塗りでドラゴンの塗りをするという経験がそれまでなかったので
最初の一枚は相当難産でした。勉強させてもらいました。
ちびドラか成体か、どちらを先に設定したのか忘れてしまっていますごめんラギ。
大きい手足と丸いお腹!感情豊かなしっぽ!そしてたまに描き忘れる羽根…、と
ラギからすると非常に失礼なファンシー魂を込めております。
ラギについては私服を考えるのも楽でした。
山のほうの田舎の子で、ビラールと同じく異文化なので特徴がつけやすかったですね。
薄葉カゲロー的に兄弟にしたいキャラナンバー1です。
じっちゃとばっちゃは以前に落書きイメージを描いていたのですが(未発表)、
イメージとしてはものすごい凹凸夫婦です。じっちゃはでかくて、ばっちゃは小さい。
両親不在で更に村八分状態の中、よくあれだけラギをまっすぐに育てたものだと
感心せずにはいられません。秘訣は拳骨と美味しい晩ご飯でしょうか。
* * *
ドラゴン出そうか、と言ったときの薄葉さんたちの舞い上がり方は本当にすごかったです。
あまりに盛り上がっていたので、逆に「この人たちの理想のドラゴンに反したキャラになったら
もうウチで仕事してくれなくなるんじゃないだろうか」と思ったくらいでした。(笑)
チビドラ姿にも熱心なファンがついていますが、あれは本当に可愛かったと私も思います!
トリックスター的役割のキャラという事がまず決まっていました。
そこからとにかく変な髪型・変なアクセサリー・変な髪色で、全然違うデザインのキャラを
四人くらい顔だけ描いて出した覚えがあります。
オシャレメガネをかけていたのや、ド紫色の髪なんかもありましたが、
いわたさん的にピンときたらしく今の変形ツインテール頭になりました。
また、髪型についての質問が一番多いキャラでもあります。すいません。
(ツインテールと言ってますが正しくはポニーテールの横にちっこいテールがある感じのバランスです)
最初から殆ど変わっていないのですが、初期の設定画だと髪の毛はもうちょっとフワフワしています。
後に「魔法とはいえ人工的に色を薬で弄りまくっているので痛んで乾いてぱさぱさな質感」を
イメージするようになったので、ヘアアイロンで無理矢理のばしたような感じを心がけています。
あまりにも髪の毛の線数が多すぎて毎回毎回大変で、ペン入れで指が痛くなってきたあたりで
よく「禿げろ!」と叫んでいますが、あの毛量からすると多分一生禿げそうにないのがとても悔しいです。
髪色は最初からグリーンで塗ってあって、その後カラーバリエも出してみたのですが、
ドピンクだのスカイブルーだのと強烈な蛍光気味カラーがそろっており、
それは後々のアルバロの「一年ごとに髪の毛の色がかわる」設定につながっています(笑)
今考えると、ピエロのイメージでつけた顔の魔法埋め込み護符がそのまんま媒介になったりと、
アルバロはビジュアルから出来た設定が多かったような…
また、目についてもこだわりが強いですね。あの毒々しいピンク色の瞳は、髪色に似合う色から
決めていったのですが、実は相当黒目がちな顔をしているにもかかわらず、あの色のせいで
キツさのほうが際立つ感じを意識しています。
表情のさじ加減も相当難しく、特に立ち絵は顕著なのですが「目を笑わせてはいけない」という
ルールがありまして、どんな顔をしても彼は目が笑いません。
あと髪型も、ヘアメイクしている男性と女の子になるボーダーラインがわりと微妙な所にありまして、
たまに「何か女の子だなー」と思って修正を繰り返す事もあります。
色んな意味で面倒でまた色んな意味で本当に楽しいキャラでした。
作画の思い出といえばやっぱりワンド2エピローグでの「してやったり!」なシーンですね。
ちくしょうお幸せにな!と思いながらも「ざまあみろ!」とにこにこしながら描いていました。
さんざん苦労させられたので(笑)
* * *
禿げろの元祖・薄葉さんも、まさか何の気なしに言ったこの言葉が、その後の彼への代名詞にまで
発展してしまうとは思いもよらなかったことでしょう(笑) アルバロといえば禿げろ、ですからね……。
アルバロはとにかくビジュアルを意識して作ったキャラですが、中身がアレだからこそ、ですね。
かっこいいのに中身が、中身がアレなのにかっこいい。そう言われれば本望なのです。(笑)
最初はもっと違う雰囲気の男の子でしたが、とにかく「ショタ入れよう。」からスタートしました。
しかも「人気が出るショタにしよう。」と。本当にそれだけでした。
最初に描いたのが、もっと髪の毛がショートとおかっぱの間くらいに長くて、
もっと不安定な笑みを浮かべたような感じの顔のヤンデレ路線だったんです。
呪いもなんでもありのファンタジーなので、そういう意味ではそのままでもとてもおもしろい
キャラクターになったと思うのですが、色々ありまして、髪の毛も短くそしてキリっと凛々しく、
しかし人を拒絶したような表情をした今の彼になりました。
エストはともすれば少女のようにも見える繊細な美少年ですが、
体格のわりには凛々しい顔を意識しています。
幼いけどホリの深い眉のしっかりした男前顔です。
髪飾りについてはとりあえずビーズを編み込みたいなーと思っていたのですが、
女の子のようにしたくもなかったので、ちょっとシャープな部分を足そうとしてみたら
通称エビフライに…。
キャラクター傾向が決まった後は本当にとんとん拍子でした。
そしてショートパンツの下にレギンスというバランスにどうも固執していたらしく、
2のファンタジー衣装も何一つ迷うことなく同じバランスにしていたあたりでお察し下さい。
あと彼はルルによく潰されていましたね。一時期連続で描いたせいで、すっかり脳内のエストは
ルルにアタックされては潰れている印象があったのですが、2のシナリオを読み終わった後
「あれだけ我慢したんだからこれくらいはご褒美あっていいよね。がんばったねエスト」と思いました。
でも身長差が殆ど無いのに、ルルに押し倒されてもアイタタタ……ですんでいるあたりで、
エストとルルは体格差はがっちりあるんです。エストはそういう所も拘っています。
全員苦労させてくれるので贔屓のキャラというのはいないのですが、
キャラクターごとに思い入れの強い部分は別々にありまして、
エストには特に幸せになってほしいという思いが強いです。
しかし無表情っぽく見える中に明確な拒絶の意思をこめた顔を描くのもまた好きなので……
ごめんエスト。
* * *
ごめんって言われてもエストだってきっと困るよ(笑) でもエストはひ弱そうに見えて頑丈ですね。
伊達に苦労してきてないです。特に頭は石頭なんだと思います。たんこぶできても大丈夫!(笑)
人気の出るショタを合言葉に作ってきましたが、本当に人気投票で第一位に輝いたときには
なんだか感無量だった気がします。エスト、よく頑張った。うんうん。
※ほんの少しネタバレ風味なので、一応反転させておきますね!
追加キャラという事で他の子たちとは作り方が全く違いました。
ワンドの世界観が既にあり、古代種であるなどの各種設定や役割もほぼ決まっていたので、
それに併せてデザインを出していく作業だったのですが、浮き世離れしすぎてこれじゃないとか、
面白いけど個性的すぎて攻略対象じゃない等、それなりに色々ありました。
ラスボスのようなシルエットといい目の下に隈といい、異様に魔王っぽい仕上がりになりましたが
とにかく人間では無いという設定の表現をしたかったのだと思います。
色々なキャラがいる中でもぱっと並べた時に「こいつは何か違う」と思わせたかったので、
デザイン時のその印象がそのまま集合絵の配置やポーズ等にも反映されているのですが、
彼が魔法を使わなくてすんだり頑張らなくてすんだりするようなのんびりした絵になった途端、
眠っていたりごろごろしていたりするような子になってしまいました…。
どうも彼は目的や役割やアクションの指向性がないと寝るかぼんやりするしかないらしいです。
どんな絵でも眼の下にクマはあるし青白いしでちょっと怖くなるのですが、
それでもどこか愛嬌があるというか可愛いと思ってもらえるように描けていればなと思ってます。
あと最初からぼんやりとあったのですが「この子はくらげに似てるなー」とどこかで思ったので
イメージはくらげです。髪型はくらげを狙ったわけではないのですがくらげっぽいですね(笑)
彼の表情作りや動きに関しては、何となくですが、ただぼんやりとしているだけでなく、
長い長い年を生きているがゆえの母性とか父性とか、そんなものを覗かせることを意識してます。
CG全体を通して言えるのは、達観しすぎて枯れ始めているくらいの大人の懐の広さと
人外であるが故の部分的な未成熟さ・幼さの同居です。
ルルを見つめる父親のような顔をしたり、おいて行かれた子供のような顔をしたりと
彼は表情が少ないわりに振り幅が広いので、描いていてとても興味深いです。
ソロといえば、ペルーは2になって出来たキャラなので、
仮面にまさかあんなドラマがあったなんてと驚かされました。
今無印をプレイしたらハズレシールを押しつけられても怒れないかもしれません(笑)
* * *
ソロについては、本当に上手いこといったなーと胸をなでおろしています。
クラゲも確かに似てるんですが、私的にはパンダもアリだろうと実は思っていたりします(笑)
どっちにしても、どこかスローテンポでボンヤリしてることには変わりないですね。
いい具合にワンドの子っぽくなってくれているので、もっとたくさん書いてあげたいとも思います。
●アミィ
何度も言っていますがアミィはルル専用のヒロインです。ルルのイメージとして
「とても可愛い女の子だけど女の子にとってはヒーローにだってなれる」というのがあったので、
そのためのヒロインとしてめいっぱい可愛く描きました。
ミラもそうなのですが、男性と並んで可愛い女の子というより、
元気いっぱいの女の子と並べて描くとお花畑のような微笑ましさになるように
描けていればいいなと思っています。
メガネにお下げまでは鉄板としてデザインしていたのですが、
そこでいわたさんの「困り眉にしよう!」という一言があって今の彼女になりました。
ワンドの絵を描いてる時は幸せだったり楽しかったりおもしろかったりと色々なのですが、
描いていて一番気持ちが落ち着くのは彼女とルルの2ショットかもしれません。
友情の絵は本当に元気をもらえます。
●エルバート
ワンド内乙女度No1という異名を我々の間で欲しいままにしているエルバート先生。
基本デザインの二本お下げが可愛すぎて、初期では完全に想定外だったFDでの着替え衣装の
制作時に、女っぽくなりすぎないようにするのが地味に大変でした。
ルルが押せ押せな分、あまり男性を意識した構図作りをしていないのはここだけの話です。
アミィと先生が2人並ぶとお父さん・お母さんというよりお母さん×2になります。
エルバート先生の基本服はどうしようもなくダサいのに、布地やベルトの一本一本に至るまで
無駄なく魔法を使うのに適した素材が使われていて、
RPGでいうと最終装備レベルの価格的にも威力的にも凄いもの、というイメージで描いたので、
多分ルルにどれだけ言われても、魔法を使う時の衣装をあれから変えることはまずないと思います。
●エドガー
雑誌企画キャラとして生を受け、FDではEDまで作って貰い、
ワンド2では過去へ飛ぶキーパーソン扱いのラッキーマンという印象が強いエドガー。
大きい黒縁眼鏡やミドル短パン・柄レギンスなど、
サブキャラ然としたデザインで大分変わったことをしました。
エドガーのあの格好はワンド世界においてもかなり変な子というイメージで描いています。
表情についても、眼鏡を光らせたりと自由な事を沢山させて頂きました。
最初から一ミリもぶれない描きやすさは驚異です。
エドガーとルルが並ぶと、ルルが大分お姉さんに見えて微笑ましいです。
普段年下キャラのエストと接しても全くルルが先輩っぽく見えないので新鮮でした。
ただルルとエドガー+エストだと、2人ともエストに面倒をみて貰う側になるので、
いつものルルに戻るのが安心するやら悲しいやら複雑です。
●ヴァニア・イヴァン
本当に自由に描かせて頂きました。
二人とも自分達の芸風のとても根本的な部分が詰まっているデザインだなと思います。
ヴァニア先生の胸は萌えというより「強そうだな」と思いながら描いています。
そのため、気づけばどんどん強そうになってしまい、よく描き直しています…。
イヴァン先生はもうだいたいのオーダーを頂いた時から「幼児の顔に性悪じじいの表情!」という
イメージがぱっと思いついて、とにかくそれを描きたいというテンションが凄かった思い出が。
この二人は相当初期に思いついたキャラでもあり、
「この世界のプロの魔法使いというものは」というイメージの基盤になったキャラでもあります。
ヴァニア先生の衣装はあの世界において比較的近年のデザインだと思うのですが、
イヴァン先生の服装はもう少し古めかしい印象があるため、2で過去衣装デザインをする際に
ファンタジー度合いを決める足がかりにもなりました。
●マシュー
マシューは兄弟姉妹全員この顔とこの髪型です!というのを力説していたような気がします。
デザインを描く前からそのイメージがありまして、一人一人家庭内床屋でマシューやおとうちゃんが
バッツンバッツン切ってかりあげてるからこの頭なんだよ!と力説しながら見せに行きました。
私達は美しい衣装や髪型を描くのと同じくらい、生活環境や職業から妄想してデザインを作るのも
好きでして、そういう意味でサブキャラクターは自由度が高くて楽しいですね。
いわたさん曰く、彼はユリウスを甘やかしているというより末の弟と扱いが同じなだけという事なので、
ああつまり懐の深さのケタが違うだけなんだな、と思いました。
●三人娘
イメージは言わずもがな某一味です。
シンシアはある意味ワンド最強のツンデレですね。
アデーレは実はミルスクレア女子キャラの中では一番の女子力の持ち主です。
たぶんダイエッターで運動もしてる。
マーサはパルーに続くマスコットのつもりで描きました。
その後段々「こいつ…出来る!」みたいな設定が積み重なっていったのでとてもおもしろかったです。
この子たちも自由度が高かったので、ヒロインでは出来ないような特徴的な顔やくどい顔を
楽しく描かせてもらいました。ポイントはシンシアの胸がまな板を超越した何かなあたりです。
アウィス三姉妹のほうのエピソードは正直泣きました。CGはとても描き甲斐があったのですが、
同じ顔をした彼女らはせめて幸せでありますようにと願わずにいられません。
●ヴァローナ
彼女も好み全開ですがデザインには相当な紆余曲折がありました。
ドレスはあっさり決まったのですが、頭部をどうしようかと。
目が媒介というイメージは早めに決まっており、目隠しや閉じ目・入れ墨、
果てはまぶた縫い付けなど、迷走に迷走を重ねたあげくベールになりました。
私達は占い師のキャラクターを考える時、集中力を妨げないよう
薄い布地を使ったゆったりシンプルなドレスを着せて、
服のシンプルさに反した豪華な宝飾品を魔術的なイメージで沢山つけるという
デザインをしがちなのですが、彼女にもそれが当てはまります。
ここまで魔女的なものではないと思いますが、占星術師になるであろうアミィも、
もしかしたら将来そういう衣装で仕事をするようになるのかもしれませんね。
●クレーネ
オトメイト画集、ワンド2描き下ろしと、何気なく描き下ろしイラストの出張率が高かったですね。
描いていてとても楽しいキャラで、水布や髪の毛がぐるぐるとほどけて
足下でただの水になっている描写に命をかけています。
やや怖めの人外女子というのは私達の大好物の一つでして、
石膏像のような感じで、水で出来ているため黒目もなく、どこからどう見ても人外の外見なのに
お姫様っぽい気高さと我が儘さを持った性格という大変好みのキャラクターです。
はい、こんな感じで薄葉カゲローのコメント祭りは以上です。
全部読んでみると、なんというか、薄葉さんたちのこだわりポイントなどがわかりやすいのでは。
変な人たちだなあ、と思っていただけると私的には成功です。(笑) ほんと変な人たちなんだよ!
それにしても、つい先日発売されたばかりの公式VFB「希望の書」でも相当語っているのに、
まだしゃべり足りないのか!と思われそうな気がしますが、ワンドに関してはあれでも腹八分目です。
ほっとくといつまでもしゃべり続けてしまうので(笑)、今回はこれくらいで……。
▼一方いわたは……
最終回なんだけど、何書けばいいかなあ……とぼんやり考えていたのですが、何も思いつかず、
なんとなくいつもの雰囲気で終わっていいような気がしている私です。(笑)
先日も書きましたように、ブログについてはここで区切らせていただきますが、ワンドという作品は
まだ皆様が望んでくだされば、何かしらまた展開できればと思っています。
今のところはまだ、さてどうしたもんか……という感じで全くの未定ではあるのですが(笑)、
ワンド2の感想と共にたっぷりいただいたメールにもご要望がたくさん書いてありましたので、
今年のお正月休みにでもそれを読み返しつつ、いろいろと私なりに考えてみようかなと。
そうそう、メールに関しては、いつでも何か発散したいことがあるときに送ってくださってOKです(笑)
ちゃんと読みますし、励みにもなります。ワンドに限らず、他オトメイトタイトル宛でも送ってください。
スタッフ一同、楽しみに待っていますね。
とりあえず何かお知らせできる事がありましたら、
ワリコミ記事を入れるなり、公式ツイッターで呟くなりしますので、
あまり悲観的にならずに待っていてくださればと思います!
それでは最後に。
今年は本当にいろいろあった年でしたが、それだけに忘れられない年でもありました。
皆様にとって、来年が素敵な年になりますように。
よいお年を!!
以上、ワンド総合担当、いわたでした。どうもありがとうございました!!
…………あ、忘れてた。
そういえば感想の中で多かったリクエストがありまして、それを置いていこうと思います。
画像自体がネタバレなので、すごーく小さいアイコンにしました。クリックしてご覧ください。
リクエスト:三年後のキャラたちが全員集合しているところが見たい
うん、何も間違ってない!……ということで、お粗末さまでした。(笑)